作:壁井ユカコ
角川書店(角川文庫)
2009.7
超個人的評価:★★★-☆☆


高校3年生の有海の携帯電話に残された過去からのメッセージ。
小さな男の子の声はいつもおかあさんに何かを問いかける。
そのメッセージに導かれるように、有海は学校一の問題児、春川と出会った。
心によく似た空白を抱える二人は少しずつ惹かれ始める。
しかしその先に待ち受けているのは衝撃的な過去の真実だった……


切なくて良い話だったけれど、途中からどう考えてもこういうラストになるしかないなあっていう悪い予感しかしなくなった。
二人とも強くなくて、傷ついてぼろぼろで、刹那的に生きていくしかなったのはわかる。
でも、それでもやっぱり幸せな時が続いて欲しいと思ってしまうのが人情ってヤツなわけで、上手く言えないのだけれど辛いです。


途中でお兄ちゃんは実は春川が好きなんじゃないかとか色んな深読みをしてしまったけど、違った。


電話関係の設定は乙一のCalling Youを思い出した。
そういえば白乙一と壁井さんの傷ついた人の話はどこか似たものがあるような気がする。

さみしい人同士、似たもの同士が惹かれ逢って、刹那的な一瞬の幸せを感じて、でも彼らがそのまま生きていける場所なんかどこにもなくて。


それはわかるんだ。わかるんだけどやっぱり片側死亡エンドは辛いです。
だって残された方は嫌でも前に進まなきゃいけなくて、それができなければ
できないでまた色々悲しい予感しかしない。
やっぱりハッピーエンドが好きです。
(↑ネタバレのため反転)

NO CALL NO LIFE (角川文庫)/壁井 ユカコ
¥580
Amazon.co.jp

作:小林めぐみ
表紙イラスト:帝国少年
早川書房(ハヤカワ文庫)
2008.11
超個人的評価:★★★-☆☆


汚染された地球から逃れた避難船ダナルーが不時着して300年。
宇宙船はそのまま人々の暮らす街となった。
狂った機械のせいで、男女が9:1でしか産まれないダナルーでは16歳で女子から選ばれなかった少年たちは全員地球を目指す回帰船へと乗ることが決められていた。
まもなく16歳を迎える少年アツは、ある日偶然であった少女ヒマリに一目惚れをする。
ある日、アツと変り者の友人ライカ、そしてヒマリの三人はこの世界の秘密とつながる、不思議なしゃべるウナギを発見して……


発売時期的に初読みのはずなんだけど、なんだかデジャブ感が消えなかった。
なんでだろ。
SFミステリー。
不時着した宇宙船、ダナルーの中で地球に回帰することのために生きる人々と、狂った男女比。
都市の矛盾や家庭の問題など、それぞれの抱えているものは重いけれど、それでも3人がわいわいしているのが楽しかったのに、のに……あのラスト。
ずっとアツに感情移入して読んでいただけに愕然とした。
最後にそっちが良い感じになられても。
私が見たかったのはそこじゃないんだという脱力感に襲われて未だに立ち直れてません(笑)

なんかSFって主人公交代多いような気がする。
って自信をもって言えるほどの冊数まだSFを読んだことがないんだけどさ。
今まで私が読んできた本がたまたまそうなだけだったのかな。

引き続き調査が必要かも。


中盤以降ぐいぐい真相に近づいていくのは楽しかったです。
正直オジサンの恋が衝動的すぎてどうなんだろと思わなくもない。
恋っていうかなんていうかなんだけれども。


人間の教授がもうちょっと早く出てきてくれたらと思わずにはいられません。


回帰祭 (ハヤカワ文庫JA)/小林 めぐみ

¥903
Amazon.co.jp


作:神江真凪
イラスト:車折まゆ
二見書房(シャレード文庫)
2009.6
超個人的評価:★★+☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


優れた容姿と優等生の仮面で本来の姿を見せることなく生きてきた大学生の司波にはもう一つ大きな秘密がある。
それは、彼が人魚の息子であるということ。
満月の夜だけ女の姿になってしまう司波は、その容姿を生かして男たちを引っかけて遊んでいた。
ある日、女の姿で再会した高校時代の同級生、榊は高校時代に唯一司波の仮面に騙されなかった男。
司波は女の姿で榊に近づき、彼の気を惹くゲームを思いつくが……


満月の夜だけ女の姿になる人魚の息子(攻)と高校時代唯一彼の本性に気づいた同級生(受)。
最初から最後までひどいヤツな攻の一体どこがいいのかさっぱりわからない。
女の姿でからかってやろうと近づいて、そのうち本気になるという展開はいいんだけど、そのまま勢い余って押し倒しあげくに監禁で、ろくに謝ることもなく許されちゃだめだろうと。

本来メインであるはずの人魚設定さらっと書かれすぎて途中から正直空気です。
司波の年上で同族の水人もほとんど活躍せず、正直スピンオフ要員にしか見えなかった。

MOON DIVE ムーン ダイブ (二見シャレード文庫 か 6-4)/神江 真凪
¥650
Amazon.co.jp

作:榎田尤利
イラスト:石原理
講談社(ホワイトハート)
2005.5
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


他人の夢を覗き見することが出来る代わりに、重度の睡眠障害を抱えどこで倒れてしまうかわからない、超絶美形の探偵、市羅木真音は娘と苦労性の異父弟の三人で探偵事務所を営んでいる。
彼らの元にやってきた迷惑メールに悩んでいるという依頼人、小山。
初め小さな事件に見えたそれは、次第に様子を変えていく。
そして、その糸を操るのは……


本格的に動き出した槇。
真音の気をひくためだけに人を殺そうとする彼の壊れっぷりが切ないです。
少しずつ小出しに出てくる過去のアレコレにやきもきしながら読み進みました。
家族と槇、真音が最後どちらを選ぶかが怖いような楽しみなような。
ああ、これからどうなってしまうの。


今回過去編は不破と真音の出会い編でした。
不破、どんだけ苦労人なんだ。
そしてどんだけいい人なんだと胸が熱くなった(笑)
まわりの現場のおじさんたちがまた良い味出してました。
楽しかった。

鏡よ、鏡 眠る探偵 (2) (講談社X文庫 ホワイトハート)/榎田 尤利
¥578
Amazon.co.jp

作:榎田尤利
イラスト:石原理
講談社(ホワイトーハート)
2005.4
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


東京新宿区、雑居ビルで探偵事務所を営む美貌の探偵、市羅木真音。
異父弟と実の娘と暮らす真音には人の夢を「見る」ことが出来る代わり、重度の睡眠障害を抱えている。
そんな探偵の元に、ある日一人の女子高生がやってきた。
彼女は母親に溺愛され人形のようになっている弟を助けて欲しいと言う。
事件の裏にはかつて真音と共にいたある男の姿があって……


続編購入のため再読。
こうやって読み返しているうちになんとなく妖人シリーズの原点のような気がしてきた。
不思議な力で真実を知ることの出来るクセのある主人公。
そんな彼に執着する男。
事件と、憎めない警察の方々。
そして家族。


まだまだ物語は始まったばかりであえて伏せられていることも多いけれど、それはこれから明らかになっていくのでしょう。

真音が最後に選ぶものは?続きを楽しみに先に進もうと思います。


BL……一応レーベル的(ホワイトハート紫)にこっちに分類しておきます。
中にはそれっぽいシーンはあるけどそれは正直なくてもいいかなあと。
この作品がBLかそうでないかはラストで決まると思う。
槇側に行くのか、家族の元に戻るのか。
どっちも両立は難しい気がするんだ。
ありがちだけど、個人的には家族を大切にして欲しいな。

人形の爪 眠る探偵 I (講談社X文庫 ホワイトハート)/榎田 尤利
¥609
Amazon.co.jp

作:小林めぐみ
イラスト:剣康之
富士見書房(富士見ミステリー文庫)
2004.8
超個人的評価:★★☆☆☆


女子高生で小説家で物理オタクな人妻の主人公は花の16歳。
一風変わった彼女の周りに集まる変わった人々ばかりで、しかも中には人外も含まれていたりする?!
宇宙人にUMA、彼らの巻き起こす事件の真ん中にいながらも、そうと気づかない大物な彼女のごく当たり前な?(非)日常系短編集。


小林さん懐かしいなーと手に取った一冊。
しかし16歳のビールを愛する女子高生は実は人妻で物理オタクで小説家で宇宙人に狙われていて……
って一体どこからつっこむべきなのか悩むつめこみっぷり。
馬鹿馬鹿しくてシュール(注:褒め言葉)な一冊だけど、この勢いに乗り切れないと辛いような気はするな。


きっと主人公かわいいよ主人公!とか、物理大好き!とかだったらもうちょっと楽しめたと思います。


食卓にビールを (富士見ミステリー文庫)/小林 めぐみ
¥567
Amazon.co.jp

作:榎田尤利
イラスト:二宮悦巳
徳間書店(キャラ文庫)
2008.6
超個人的評価:★★★★+☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


都心で美容師をしていた晴輝は、親との約束を果たし実家の美容院を継ぐため、しぶしぶ藤井沢に帰ってきた。
そこで再会したのは幼馴染みで親友だったおとなりの圭治。
海洋学を学ぶ学生だったはずの圭治は、なぜか父親の後を継いで理髪師になっていた。
近くにいると安心をくれると同時にコンプレックスを刺激される晴輝は、圭治の真意がつかめずに混乱するが……


シリーズ通して再読してきましたが、いよいよ藤井沢シリーズも最後です。

最終巻は幼馴染みで理容師×美容師。
ずっと受のことしか見ていなくて、あらゆることでこっそり彼をサポートしてきた一途な攻と、それにはまったく気づかない、単純だけど悩むとぐるぐる系の受。
本来結構簡単に両思いになってもおかしくない状況なのに、コンプレックスとか勘違いで上手くいかない展開にはじれじれさせられます。


前編のハル視点ではどんだけ器がでかいんだよっていう圭司が、後編ではかなりダメな人っぷりをさらしていて、そんなのがかわいいんだよなあなんて思った。

いままでのキャラ集合のラストもとても素敵でした。
やっぱりシリーズものは順番に読むべきだなあと思います。

理髪師の些か変わったお気に入り (キャラ文庫)/榎田 尤利
¥570
Amazon.co.jp

作:ふゆの仁子
イラスト:楠木潤
アスキー・メディアワークス(B-PRINCE文庫)
2008.10
超個人的評価:★★☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


母親を亡くして、たった一人途方に暮れる諒の前に突然現われた金髪の男。
自らの描いた絵を焼き捨てようとしていた諒に、素敵な絵だと言ってくれた彼は、突然のキスだけを残して行ってしまった。
その後、諒は兄だという日本有数の大企業社長、藤井千真に引き取られた。
賑やかな環境になんとか慣れ始めた諒は、兄の仕事相手だとあの時の男、アイザックを紹介されるが、彼はあの日とは別人のように傲慢な人物で……


ストーリーはや流れは悪くないんだけれど、主人公の感情やら行動やらが謎すぎて着いていけなかった。
攻と出会って殺し文句だけ吐いてキスっていうのは、まあBLではよくあることのような気がするんだけど、再会して俺様モード全開(もはや別人)になった彼に対して強気というか、ややぶっ飛んだ挑発をしかける主人公。
あれ、この人もなんかキャラ違う……
そんな違和感を引きずったまま読み終わりました。


大金持ちの兄弟がごく普通にわいわいしてる様子はちょっとかわいかったです。

これ書いてて改めて思ったけど、タイトルの金髪にはエゴイストというルビが振ってあります。
金髪=エゴイストって、その発想はなかった。
シリーズの1巻と言うことで、もちろん続編も出ている訳ですが、そちらのタイトルもなかなかすごいです。
野獣にシャチョウって書いてあったのには口からなんか出そうになった。
機会があったら読んでみたい、ような気もする。

金髪と恋のレッスン (B-PRINCE文庫 ふ 1-1 太陽の楼閣シリーズ 1)/ふゆの 仁子
¥725
Amazon.co.jp

作:近藤史恵
新潮社(新潮文庫)
2010.2
超個人的評価:★★★★☆


かつて陸上でエースだった白石誓は、チームのため走ることに惹かれ、自転車レースに転向した。
プロのロードレースチームでアシストとして働く誓は、チームのエース、石尾をめぐる恐ろしい噂を耳にする。
過去の事件、プライドと駆け引き、そしてレースの先に誓を待ち受けているものとは……


文庫版購入のため再読。
自転車レースというなじみのない世界をなんの違和感もなく読ませてくれるのはさすがの一言。
一見いい人で、描き方によってはただの偽善者になりかねない主人公の抱えた過去の屈折と、事件か事故か、ぎりぎりまでわからないスリリングな展開。
ラストの余韻も好きでした。

続きが出ているそうなので、また探しに行ってこようと思います。

サクリファイス (新潮文庫)/近藤 史恵

¥460
Amazon.co.jp

作:真崎ひかる
イラスト:櫻井しゅしゅしゅ
オークラ出版(プリズム文庫)
2008.7
超個人的評価:★★★☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


元気が取り柄のごく普通の高校生、七瀬は最近不思議な夢に悩まされている。
ファンタジーRPGのような世界で七瀬は羽のある男と言い争っていた。
ただの夢だと忘れかけたころ、七瀬の前に夢の男が現われた。
「お前が誰のものか思い出させてやる」と襲いかかってきた男にあらがえない七瀬だったが……


魔界の皇帝の息子×彼から逃げるために人間に転成した下級悪魔。
あらすじや設定からもっとトンデモな内容を想像したけれど、お互い言葉の足りなさからのすれ違いという意外に王道な内容でした。
攻は地位も力もあるせいで自分の気持ちを言葉にすることを知らないし、受は受で意地っぱりだから余計にややこしいことに。


最後、泣き出してしまったた受にあわあわする魔皇子はかわいかったです。
君たちお互いもっと素直に気持ちを言葉にすればいいと思うよ。

ライトに楽しめる一冊。

魔皇子の大迷惑なプロポーズ (プリズム文庫)/真崎ひかる
¥600
Amazon.co.jp