キャニオン・デ・シェイを訪れた後、私たちはナバホ族のフランキーさんのお宅に向かうのでした。
サンダーバードロッジからは、車で45分ほどの道のりでした。
ちょうど、フランキーさんのお宅が見えてきた時、門のあたりを大きな鹿が2頭横切り驚きました。
本当に、自然がいっぱいな場所です。
2014年3月にここを訪れてから、実に3年の月日が流れていました。
ベッドやテーブルの配置は変わっていましたが、基本的な生活は昔と同じでした。
このお宅は、フランキーさん手作りのホーガンなのです。
インディアン中の最大の部族、ナバホ族の伝統的な住居「ホーガン」は、真上に煙突、朝一番の太陽の光を取り込む為、東向きに入口があります。
そして、家の中は時計回りに回る決まりがあるのでした。
水道はなく、遠くの山に湧き水を汲みに行き、ガス台もなく、薪ストーブの上で調理をします。
夏も薪ストーブ?と驚かれると思いますが、ここは富士山の五合目と同じ標高なので、真夏でも朝晩は5度くらいに冷え込むそうです。
前日は、40度を超える氣温を体験したのに、いきなり今度は5度ですか!?
そして、唯一電氣だけは通っているはずだったのですが。。
な、な、なんと!
その日早朝に落雷があり、停電になってしまったんだそうです!
よくある事のようですが、ランタンの油を買いに行ったら売切れですと。
キャンドルもなし。。
そうよね。ネコちゃんが8匹もいたら、ロウソクは危ないよね。
私は、北海道の「アイヌモシリ一万年祭」で、まさに同じ環境を体験してきたばかりだったので、これは天から私たちへのプレゼントだと感じました。
水道も電氣もガスもない生活なんて、なかなか体験出来るものではありません。
ましてや、ナバホ族のホーガンで!
前日は、「皆既日食」でスペンサーさんご夫妻はファスティング(断食)をされたようです。
皆既日食はかなりのパワーだったそうです。
午後からの「スウェットロッジ」は、その浄化のために行なわれ、断食をしていた方がいいと言われましたが、私たちちょうど朝から何も食べていなかったので最適でした。
まず、パイプセレモニーから始まりました。
アメリカインディアンは、大自然の全ての事は「大いなる神秘」のもとにあると考えています。
なので、日常の全てがこの「大いなる神秘」との対話であり、「聖なるパイプ」と煙草は、そのための大切な道具なのです。
インディアンの宇宙観では「大いなる神秘」は天上に在り、あらゆる儀式でタバコの葉を「大いなる神秘」への神聖な捧げものとしています。
パイプはインディアンの社会の中で、ありとあらゆる決めごと、物事の節目に用いられ、儀式の前には必ずパイプを天に捧げて誓いを立て、聖なるパイプを回し飲みするのです。
だから、スウェットロッジの時も、パイプセレモニーは欠かせません。
1人ひとり、フランキーさんの目の前でマウンテンタバコを吸いました。
マウンテンタバコの葉は、山から採取してくるんだそうです。
3年前よりも、むせないで吸えた氣がします。
その後は、7色の布切れでタバコタイを作りました。
自分の選んだ布の中央に、タバコの葉とハーブを置き、願いを込めます。
これを幸枝さんが、糸でくくって下さいました。
スウェットロッジの中に吊し、終わったら燃やすのです。
それから次は、ブルーセージをお庭で摘みました。
スウェットロッジの時に、自分の座る場所に置くそうです。
そして、こちらのドームに毛布をたくさんかぶせたら、いよいよ「スウェットロッジ」が始まります。
スペンサーさんのお宅でのスウェットロッジは、男女別々に行ないますので、私たちは幸枝さんと入りました。
中に入る時も右回りです。
フランキーさんは熱く焼いた石を中に入れて下さいました。そこにセージを乗せ、聖水をかけます。
私は、2回目のスウェットロッジでしたが、前よりは熱くなく、どれくらいでも入っていられそうでした。
しかし、汗がとめどもなく出ました。
幸枝さんがナバホ語の唄を歌って下さいました。懐かしい〜。
「ホーミータクヤセン」
1ラウンド目が終わりました。
「ホーミータクヤセン」とは、「私たちは全てつながっている」という意味のラコタ族の癒しの言葉になります。
今回は、休憩も外に出ないでドームの中でした。
そして、2ラウンド目は「パイプセレモニー」でした。
こんな感じのパイプを、右回りにまわし飲みするのです。
3ラウンドに入った時、私は変性意識になりそうでしたが、皆んなが心の中を吐き出すというお話会が始まったので、戻って来ました。
皆んな泣きながら話していましたが、私は朦朧としていて、話をすることが出来ませんでした。
吐き出す悩みもなかったので、それで良かったのかもしれません。
かくして、スウェットロッジ体験は終わりを告げました。
皆んな、生まれ変わったように、スッキリとした笑顔になっていました。
終了後にようやく昼兼夕食です。
幸枝さんの作って下さったナバホ自然食は、とても美味しかったです。
その際、ちぃさんが持参された「折りたたみ式ソーラーランタン」がとっても役に立ちました。
amazon ソーラーパフクールライト
帰国後に皆んなして買ったくらいのスグレモノです!!
トイレは外だと、事前に皆さんにお伝えしてあったので、ベッドライトとLEDライトは持参していましたが、一応、夜のために電池温存しなくちゃなりませぬ。
夕陽もきれいでした。
そして迎えた夜のとばり。。
外に出たら、本当に真っ暗!月もなく、光るものは星以外何もありません!
これを私たちに見せる為に停電になったとしか思えないくらい、満点の星空は最高の美しさでした。
ミルキィウェイもはっきり見えました。
こんなにもキレイな星空は見た事ありません。
(ネットよりお借りしました)
↑ホントにこんな感じ!!
都会じゃ、お金出しても絶対に見れません。
あ〜、幸せ。
星空を鑑賞したら、後はもう寝るだけです。
寝る前に、ベッドライトを付けてトイレに行き、腰掛けていたら、ドアの下から何者かがするりと入って来ました!!
。。。
茶色のネコちゃんでした。
この子かな?
そして、私の横にちょこんと寝そべってくれました。
フランキーさんちのトイレは、便座が並んでふたつあるのです。
LEDライトでトイレ内は明るかったので、ネコちゃんと2人の部屋は、何だか癒し空間になっていたのでした。
ネコちゃんと一緒にトイレに入ったのは初めての経験でしたが、とても嬉しかったです。
トイレから出たら、ワンちゃんも待っていてくれました。
護衛隊がこんなにいるんじゃ、真っ暗な夜もトイレに行くのは怖くないですね。
そして、夜中に目を覚ました私ですが、目を開けてみてびっくり!!
漆黒の闇とは、まさにこの事で、なんにも見えません。目が変になったかと思うほど。
我が家では、夜中に起きても、何かしらの小さな電氣の光がついているものです。
前に、長野の善光寺で「お戒壇巡り」をやった時も、こんな感じで体験した事のない真っ暗闇でした。
地上に出た時に、光が有り難くって泣けた思い出があります。
スペンサーさんちの夜は、真っ暗闇2度目の体験となりました。
書き切れないほど、スペンサーさんのお宅で貴重な体験を沢山させて頂きました。
長い記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
翌日は、どんな朝を迎えるのでしょう。
23日も濃かった〜!!
では、また明日。