古代文明の謎 3からの続きです。
巨大ピラミッド
古代ギリシャの数学者フィロンが選んだ世界の七不思議の中で、最古にして唯一現存しているのがエジプトのピラミッドである。
とりわけ、ずば抜けて巨大で高度な建設技術により建造されたギザの大ピラミッドは、今なお多くの謎に包まれている。
クフ王のピラミッドと呼ばれる大ピラミッドは、今は失われている頂部を含めると高さ146.6m、底辺は各230m。
250~280万個もの石が積み上げられ、総重量は推定650万トン。
側面は、かつて石灰岩の白い化粧石で覆われ輝いていた。
しかも、それぞれの石は、ミリ単位まで正確に切り揃えられ、正確に積み上げられているのだが、間にカミソリの刃さえ入らないほど密着しているのだ。
また、ピラミッド内部の石室内壁の花崗岩と大理石をどうやって美しく平らに加工できたのかも謎である。
これだけ途方もない量と重さの石材を、どうやって切り出し運搬し、積み上げたのか、その建設方法については多くの仮説があるが、確かなことは何も分かっていない。
エジプトの古い言い伝えによると、大ピラミッドを建てたのはよその国からやって来たサウリットという人物だと云われている。
ところが、イスラエル人の間ではその人物は「エノク」と呼ばれていたのである。
エノクについては前回述べたが、聖書のエノク外典に出てくる人物で、エノク自身も自分は異星人に会ったとはっきりと記している。
そして、「未来に渡ってこの先何千年も破壊されることのない家が建てられる」と記している。
古代エジプトに記された文書を読むと、ピラミッドは天の番人たちの力を借りて、人間の手によって建設されたものだと書かれている。
大ピラミッドには、地理学的にも驚くべき事実がある。
ジョセフ・スイスは1877年に、著書の中でエジプトのピラミッドは世界の陸地の中心に据えられていると言及した。
ピラミッドは、4つの側面が東西南北の方角と見事に一致している。
しかし、方位磁石が発見されるのは何千年も後のことだ。
また、底辺の四辺の長さは、ほとんど違いがなく、底辺の角はほぼ直角をなし、そして基盤は長年の地殻変動や石の重量にかかわらず、今も完璧なまでに水平を保っている。
ピラミッドのこれらの精度を知れば知るほど、この建設は人間だけの手ではとうてい不可能だと思い知らされる。
実は、エジプトの裏側でこのピラミッドとほぼ同じ建築方法でピラミッドが作られているのだ。
世界規模で何が起こっていたのか。
海で遠く隔たれた文化に、同じ構造物があって、そのほとんどが同じ工法で作られている理由を、考古学者は説明出来ていない。
メキシコの中央高原には、2千年以上昔の古代の都市遺跡が残されている。新大陸最古にして最大の都市遺跡である。
その大きさは、日本の平安京に匹敵する。
完全に廃墟と化した巨大な遺跡を発見したのは、メキシコ北部に住むメシカ人だった。
ふたつの巨大ピラミッドと、その上に建つ神殿を目にした彼らは、この地がかねてから噂に聞いていた神々の住む偉大な都市の跡であると悟った。
そこで、彼らはこの遺跡を神々の都市という意味の「テオティワカン」と呼び、後々まで崇拝し続けた。
都市の中央にあるのが「太陽のピラミッド」で、このピラミッドの底面積はギザの大ピラミッドとほぼ同じである。
テオティワカンには「太陽のピラミッド」と「月のピラミッド」「ケツァルコアトルのピラミッド」があるが、その並び方はギザの3大ピラミッドと同じくオリオン座の三ツ星と合致している。
また、構造物に円周率や黄金比などの幾何学法則が見られ、中心街の構造物の配置は太陽系の天体の位置を表しているとされる。
伝説によれば世界の崩壊の際に巨人であった神々によって作られたと云われており、世界が何度も滅び、4つ目の世界の始まりの時にテオティワカンが作られたとされているのだ。
中米全体に及ぶ勢力を誇り、どの文化にも属さないテオティワカン。
このような高度な知識と技術を、彼らがどうして持っていたのだろうか。
古代エジプトとメキシコという離れた地で、同じ工法のピラミッドがあるのは何故だろう。
伝説では、ケツァルコアトルは「北東の海から訪れて文化を授け、東方の未知の地へ去った」あるいは「天に昇って金星と化した」とされている。
ケツァルコアトルとは、神なのか異星人なのか、それとも人間なのか。ケツァルコアトルが、ふたつの地にピラミッド建設を伝授したのだろうか。
天の番人たちによって書き取られたという古代エジプトの文書には、ピラミッド建設の目的が記されているという。
それは、様々な知識を蓄えておく為だという。
たくさんの謎解きをする為に、ピラミッドというタイムカプセルが、今、私たちの開封を待っている。
<続く>
次回は、巨石文明についてまとめたいと思います。
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