東電は、参院選挙翌日の22日、高濃度汚染水が福島第一原発敷地内から海に流れ出ていることを初めて認めました。
しかし、東電は原発から汚染水が流出していることを2011年4月には知っていながら、その後2年以上ほとんど対策を講じて来なかったのです。
「モーニングバード・そもそも総研」から一部をまとめます。
小出裕章助教「何か、今になって汚染水問題という事が起きて大変だと思われているようだが、何を今さらと思う。
事故が起きたのは2年4ヶ月前。それ以降、汚染水は敷地内に大量にたまり続け、3月中に既に10万トンもの汚染水が溜まっていた。
コンクリートというものは、元々ヒビ割れるもの。おまけにあの時には、巨大な地震で原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て坑のコンクリートにヒビ割れが生じていた。
目に見えない建屋の地下やトレンチ、ピットなどのヒビ割れから汚染水は確実に漏れていた。
当時も、2年以上経った今もそう。
私は、コンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えていた。
それは、10万トン収納できる巨大タンカーだった。
それに福島原発の敷地の中にある汚染水を移し、巨大タンカーを柏崎刈羽原発まで移動させる事を考えていた。
そこは、世界最大の原発で、今は宝の持ち腐れになっているが、それなりの廃液処理装置もある。
なので私は、移動させた汚染水をそこで処理するのがいいと2011年3月末に既に提案していた。
しかし、とうとうそれも出来ないまま、何も手を打たないまま、どんどん汚染水は増えて今現在30万トンにもなっている。
あの時に動き出していれば、現在直面していりは事態よりも、はるかに楽になっていたはずだ。
そういう意味では、政府と東電が無能だったと思われても仕方ない。」
事故直後だったら、非常事態という事で、汚染水のタンカー持ち出しが出来たようです。今は、諸外国の反対でそれをするのは難しいとの事です。
タンカーは、半年くらいあれば45億円ほどで作れるそうです。
信じられない事に、東電が今年4月に「福島第一信頼度向上緊急対策本部」を設置し、潜在的リスクの見直しをしたそうなんですが、高濃度汚染水については取り上げられていなかったそうです。
こんな大事なことを、普通見逃すでしょうか。
現在、観測用の井戸の水位が地上1mにまで迫ってきており、地中1.8mの下に埋まっている壁を汚染水が乗り越えるのも時間の問題です。
最新のデータでは、近くの海のトリチウム濃度が一週間で4倍に上がっているそうです。
さらなる危険性として、メルトスルーした核燃料が地下水と共に海に流れ出ている事も考えられるのです。
(最近、福島内陸部で度々地震が起きていましたが、核燃料が地下水と接触したのではないかとの懸念を拭い切れません。)
それを防止する策として、小出裕章助教は2011年の6月に、1~4号機まで全部を囲ってしまうという「地下ダム」について提案していました。
私のブログでも取り上げています。
http://ameblo.jp/aries-misa/entry-10932565052.html?
小出氏「1号機から3号機の原子炉の炉心は、既に確実に溶け落ちている。
溶け落ちた炉心がどこにあるのかは、誰も見に行けないので分からない。東電はまだ防壁の中にあると言っている。
場合によっては、既に格納容器の床を突き破って地面に潜り込んでいる可能性もある。
もしそうだとすると、地下水と必ず接触し猛烈な放射能が地下水と混じって海に流れて行く事を、誰も食い止めることが出来なくなる。
そうでなくても、敷地内は非常に線量が高く、被ばくをしながらの作業は困難を極めている。」
東電は、遮水壁を海側の方にコの字型に囲う計画だそうですが、4辺を囲う方が安全なのです。
それも作るのには2年はかかるのだという事です。
何故、こんなになる迄放っておいたのか疑問に思います。
この期に及んで、最悪のことにまだ手を打っていない東電と政府。
汚染水の問題は、日本だけの問題ではありません。
特に放射性物質のトリチウムは、水とよく混ざりやすく、海底に沈むことなく海流に乗って遠くまで回遊するのだそうです。
事が大きくなって来たので、ようやく発表することにしたのでしょうか。
しかし、誰が参院選まで発表させなかったのでしょうね。
選挙が終ったとたんに東電から大量の資料が出てきています。どこかの大きな力が影で動いているのが分かります。
しかし、東電の広瀬社長は今回ばかりは非を認めている発言をしているのですよ。
この反省が本物ならば、原発の再稼働はできないですよね。
みなさん、この言葉をよく覚えていてくださいね。