『理想照耀中国』第10話~天河 | 山楂(さんざし)の華流な日々

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おそらく公開された邓伦(ダンルン)出演ドラマでは一番新しいもの。

中国共産党建党100周年記念ドラマ全40話の中の1話です。

『在一起』と同じく、超豪華キャスト。

1話30分(歌を除いたら実質25分くらい)で、それぞれ独立しているので、好きな俳優さんの出演回だけ見る、とかも可能です。現在、まだYouTubeで正式版が見られます(英語字幕選択可)。

 

 

 

 

以下、これを読んでYouTube見たら、大体わかるレベルのあらすじです。ネタバレNGの方はご注意ください。

 

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1960年 河南林県(現在の林州市)。こーんなすごい切り立った岩山で、水を運ぶ若い女性。

この地域に用水路を作るため、現地入りして掘削する場所を測ったりして作業を指揮する工事技術員のリーダー、呉祖太(ダンルン)。

乾燥で、皮膚はパリパリ、唇ワレワレです。

空気の乾燥ぶり、水不足ぶりが画面から伝わってくるこの感じ・・・地形は全然違うのだけど、少し前に視聴した『山海情』を思い出さずにいられない(『山海情』についてはまた後日。)。

 

何か問題が発生したとの呼び声に、計測作業を中断して移動。水を運ぶ若い女性は、この作業メンバーに水を差し入れたかったようですが、みな水不足を知っているので飲まずに、自分で飲みなさいと言って、行ってしまいます。女性の捧げ持つひしゃくにはきれいな水が。

女性は、また重い水を持ち上げて自宅に向かいます。放送が流れ、林県の人は一生に3回しか顔を洗わない、生まれた時、結婚した時、死んだ時、と揶揄されるほどの水不足だとか。

女性は放送に耳を傾けながら、足元に気をつけて一歩ずつ。あと一息のところで、凸凹した石段に足を取られて転倒。泣きながら、こぼれた水を掬ったり、水たまりから吸い取ったり。慌てて出てきた母親も彼女をなじりながら、「あんたの子供が水を待ってるのに。」と水を口に含んで桶に集めます。この冒頭の一連のシーンで水の貴重さ、この地域の過酷な水不足が伝わります。

 

住民たちは、技術員が測って印をつけた線に沿って掘削を進めているのですが、掘っているうちにラインが3メートルずれてしまっていたことが発覚。これでは掘っても無駄になる!と作業を停める祖太。住民たちも努力が報われずブーイング。

でもこれでは意味がないので、やり直すしかない。結局、祖太の知恵に頼るしかありません。

夜中まで考え抜いて、これまでの方法ではなくトンネルを掘る方法を思いつく祖太。

「用水路ができるまで帰らないぞ!」と張り切って邁進します。

トンネルを掘る作業中にも、住民がきれいな飲み水を届けてくれますが、祖太も仲間も一口で口を潤すだけで、みんなに水を譲って頑張っています。

そんなとき、長期出張状態の祖太に会いに来ることになっていた妻が交通事故で亡くなったとの知らせが。

一人涙を流す祖太。でも、妻の手紙を読み返し、妻がこの仕事を偉大な仕事だと応援してくれていたことを思い出し、翌日には奮起。より一層仕事に精を出し、崖にぶら下がって印をつけるかなり危険な仕事も自ら行います。

命綱をひっかける仕掛けが簡易すぎるなぁ、と思ったら、やはり、命綱の杭が折れて死にかけました。が、セーフ。

その後もとにかく身を粉にして働き続け、トンネル工事はどんどん進みます。

トンネルから出てきて、過労で倒れる祖太。

寝かされて休んでいると、トンネルに亀裂ができている、と騒ぎに!

ちょうど夢に妻が出てきて、「用水路はいつできる?」というので、「もうすぐだ」と答えたところだったのに。

 

ふらふらと起き上がり、見に行って事情を確かめる祖太。岩盤が弱すぎるようです。

中に誰も残っていないか、作業員の安全を確認し、様子を見るために1人でトンネルに入る祖太。

ミシミシ、ミリミリという岩の音。

弟分の技術員が「哥~!」と泣き叫びながら、トンネルに近づこうとするのを必死で止める住民たち。

トンネルは崩れて入り口は埋まってしまい、砂煙・・・。

祖太はリーダーでありながら、いつも率先して自ら現場に入って仕事をする人でした。

 

2021年、红旗渠双龙洞が遂に完成。ずっと遠くの山の上から水が流れ、山の住民にも水が行き渡るようになりました。

 

 

という、実話です。呉祖太さん、27歳で死亡。この写真↑の人。

用水路の工事をするために派遣され、設計の中心メンバーとして活躍し、殉死した人として有名な人のようです。

この工事、見るからに危険ですが、実際、死亡者もたくさんいたらしく、テロップには81人と書いてあります…。

用水路もないのに、こんな切り立った崖の山で、あんなに水に苦労しながら生活している人たちがいたのもすごい。

実際の呉祖太の奥さんは小学校教師。恋愛結婚だけど、祖太は結婚前から林県の仕事が忙しくて不在が続く中、結婚後100日ちょっとで、生徒をかばって交通事故で亡くなったそうで、ドラマとほぼ同じ。

ドラマでは、もう祖太の遺体を探すのも無理かなと思いましたが、红旗渠干部学院のHPには、トンネルの亀裂チェックに入ったのは一人ではなく、追悼大会も行われ、遺体も出身地の原阳に帰ったと書いてありました。よかった。

 

最初に水を運んでいた若い女性の名前は「水儿」でした。

水のないところだから、名前に「水」をつけたりするらしいです(『山海情』でも、主人公の初恋の女性が「水花」でした。)

 

いつものピカピカの邓伦ではないけど、俳優邓伦の珍しい姿や演技力が見られます。

ストーリーもややこしくないので、興味のある方は、見られるうちに是非。

 

『在一起』の時も書いたけど、こういうドラマにも協力して頑張っていたこと、加点事由にしてもらえないのかな。

それとも、加点しても足りないのか。

 

・・・と投稿しようとしていたら、中国のドラマサイトで一旦消されていた名前が復活している?という情報が。

ほんと?!と確認してみたけど、消されたままだった。。。主演ドラマのジャケ写からも消えてて、なんともいえず不自然。

YouTubeとかまだ消えてないから、意外と大丈夫なのかなと思ったりもしたけど、やっぱりそうでもないらしい。

写真だけじゃなく、動画からも出演部分が消されたりするらしいので、見られるものを見られるうちに見るしかないのかな。

 

【追記】

このドラマに関するインタビューや言葉をまとめています。