宣言通りだった井上尚弥の完封劇。 

 

予想はしていたが、五輪メダリストのムロジョン・アフマダリエフに文字通りレッスンを付ける内容とはKO劇以上の驚き。 

 

以前フルトン相手に左ジャブを差し勝ち、パンチを見切った時も衝撃を受けたが 、匹敵するパフォーマンス(個人的にはナルバエス、モロニー、ドネアⅡ、フルトン戦らに並ぶベストファイトの一つ) 

 

日本の技術で世界を驚かせたのは2004年1月徳山昌守がトップアマ出身ディミトリー・キロロフ(ロシア)を完封。 

 

また俊才粟生隆寛も2010年11月五輪メダリストのビタリ・タイベルト(独国)に技術で完勝した。 

 

徳山時代から20年、井上尚弥が図抜けている点はあるが、日本拳闘技術がここまで来たかと胸が熱くなる井上尚弥の完全試合。※公式採点は10Rはムロジョンへ流れたが、12R以外は完全に井上のものだった。 

 

井上は当日体重を61.5kgと抑え、自身スピードをマックスへ。 

 

試合開始から即ミドルレンジに位置し、相手パンチを見切る。 

 

放つ左ジャブは速く、キレがあり、絶妙なポジションから全集中。 

 

井上の打ち終わりに合わせてくるムロジョンへ隙を与えない。 

 

あの強打を放ちながら身体を流さない体幹、下半身の強さ。 

 

6R強烈なレバーでムロジョンを効かせ、以降攻め入れば倒せたと思うが、自制心で見事初志貫徹。 

 

速い左に完璧なステップワーク。もうこのスタイルで来られたら誰も井上に勝てない。 

 

スーパーフライ時代、

「井上の理想スタイルはスピード活かしたマイキー・ガルシアの様な若年寄スタイル」と記した記憶がある。 

 

ただそれはキャリア後半でクラスを上げた時と記したが、今がそれか・・・。 

 

自身が言うように「まだまだ強くなる」とフィジカル的にも伸びしろを示唆する井上。 

 

変なKOへの呪縛も取り払った今、ラストスパートの無双時代が始まろうとしている。 

 

これで世界戦26連勝(23KO)。

総キャリアの約84%が世界戦。 内15試合が世界王者または経験者からの勝利。

 

こんな日本人選手二度と出て来ないだろう。

【4団体世界スーパーバンタム級タイトルマッチ】 

井上尚弥(大橋)VSムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン) 

 

同門武居まさかのKO陥落と言う嫌なムードの中、井上尚弥がリングイン。 

 

1Rやはりムロジョンの身体厚みが目立つが、井上尚弥はリカバリー抑えた?? 

 

(相手パンチ見切りに自信が有るのだろう)開始から実に距離が近く、その位置から鋭い左を飛ばす。 

 

その左を上下に。 

 

ムロジョンも身体出し入れし右を伸ばし、逆ワンツー。 

 

井上も右から左の逆ワンツーのお返し。 

 

井上前後のステップと左ジャブが速すぎる・・・。 

 

10-9井上 

 

 

2R、井上広いスタンスで左足を前へ。 

 

ジャブを中から入れる。 

 

井上のポジショニングとアジリティ。 

 

両者のスピード差が段違い。 

 

井上はフェイント多用&あえて左フックを浅く振り、防御に使う。 

 

10-9井上 

 

 

3R、井上前後のステップとジャブが速い。 

 

右は当てる為にやや変則気味で放つ。 

 

井上の右フックが浅くヒット。 

 

ムロジョンもアッパー合わせるが、スピードが違う。 

 

10-9井上 

 

 

4R、井上ワンツーを下へ放ち、ステップ。 

 

ムロジョンはガード硬いが、スピードに付いていけない。 

  

井上右カウンターヒットするが、ムロジョンも左ストレート返す。 

 

 

10-9井上 

 

 

5R、井上ジャブ。体勢が整うとワンツー連打。 

 

ムロジョンも触発され出て来るが、井上は浅いながらも鋭いパンチ放ち、ペース渡さない。 

 

ムロジョン前へ出たが、井上のアッパーカウンターを食らう。 

 

10-9井上 

 

 

6R、井上前の回で掴んだ右アッパー。 

 

ムロジョンへ足踏むなとアピール。 

 

井上は打ち終わりに身体流さないのでスキがない。 余裕も出て来た。

 

ムロジョンをあえて出させた井上。 

 

後半強烈な左レバーでムロジョンを効かす。 

 

ガード下げ後退するムロジョンをこの試合初めて見た。 

 

10-9井上 

 

 

7R、井上はノーガードで誘うが、ムロジョンも出て来ない。 

 

あえてロープへ詰まり打たせる井上。 

 

ワンツー&左フックが切れている。 

 

井上遅い右と速い右の使い分け。 

 

サイドステップも速い。 

 

ムロジョンは何もできない。 

 

10-9井上 

 

 

8R、井上のワンツーでムロジョンがバックギヤを踏み始める。 

 

ワンツーから左フック。 

 

ムロジョンもやや心が折れている模様。 

 

井上のワンツーに対応できない。 

 

10-9井上 

 

 

9R、井上はムロジョンのガードの上から左右フック。 

 

また右フック。左フックも痛打、ガードの上からでもダメージが有りそうなパンチ。 

 

右アッパーでムロジョンを下がらせる井上。 

 

10-9井上 

 

 

10R、井上左レバー痛打。 

 

ワンツー連打。ステップの速さも持続。 

 

ムロジョンは井上へパンチ合わせるだけ。 

 

何もできない。 

 

10-9井上 

 

 

11R、井上はリング中央での戦いを堅持。 

 

このポジションだとムロジョンは(試合通じて)何もできない。 

 

井上左ジャブ撒き餌から左アッパー。 

 

10-9井上 

 

 

12R、井上は無理に倒しにいかない完全試合敢行。 

 

ムロジョンが少し出て来るがこれは歓迎。 

 

12Rとは思えない程、脚とパンチにスピードが有る井上。 

 

井上ペースでゴングと思われたが、ムロジョンが右フックヒットで 井上マウスピース飛ばす?? 

 

10-9ムロジョン 

 

井上が宣言通りの「判定勝負」で完勝(118-110X2名、117-111) 

 

※自分の画面採点は119-109 

 

正に完全試合をあの技巧派ムロジョンに対しやってのけた。 

 

ある意味KOよりも凄い事。 

 

正直7R位から強引に行けば倒せただろうが、今回のテーマは「無傷で完勝」 

 

井上の過去試合の中でも出色の出来。 

 

スピードと切れ、ステップ、相手パンチの見切りは(フルトン戦と並び)過去ベストと言ってよい。 

 

次回は12月ピカソ戦。 

 

そして試合後呼びかけた中谷潤人との日本拳闘界最大の試合だ。 

 

 

 カネロVSクロフォードネトフリ観戦。 

 

クロフォードは左構えの本気モード。 

 

常に動き繰り出すパンチは軽いコンビ主体だったが、技術で上回りペースを渡さない。 

 

クロフォードが3-0(116-112、115-113X2名)で見事カネロを下す殊勲。

(自分の画面採点はカネロよりでスコアリングしたが、115-113でクロフォード) 

 

階級差が出るかと思われたが、意外な結果。 

 

クロフォードの作戦勝ちだが、詰め切れないカネロの衰えを感じた・・・。 

 

世界的注目度はカネロVSクロフォードだろうし、PFP順位は逆点だろうが、全く関係ない。

 

やや塩味強めのカネロVSクロフォード。

 

内容で一閃だ!

 

井上VSムロジョンへ集中!!