先日フェルナンド・マルティネスへのリベンジ戦へ挑み、ダウンを奪う意地をみせながらも判定で敗れた井岡一翔。 

 

36歳での敗戦という事で去就も注目されたが、 

 

「今は気持ち的には…。終わって、結果として負けて、年齢も36になって、もう引退かなって気持ちは別にないですね」と引退を否定した。 

 

個人的にはこのマルティネス戦が最高のフィナーレと思うが、確かにまだ世界の一線級で戦える力、技巧は残っている。 

 

ここは井岡の意思を尊重すべきと思うが、マルティネス相手に左を差し負け、ダウンを奪った後に行けなかった井岡。 

 

またこのマルティネス2連戦の被弾数は、キャリアの中でも飛びぬけて多かった。 

このまま現役続けてもタフで防御技術(パンチの受け方逃し方に秀でている)のある井岡が惨敗(倒される)という姿は浮かばないが、4階級を制覇し世界戴冠から14年間世界トップで戦い続けた井岡にもう証明すべきものはない。 

 

ただ本人が言うように現役続行。 

 

出来たら残り少ないキャリアの中で日本人選手との手合わせを希望したいものだ。 

 

拳四朗や坪井智也といった名が浮かぶが、諸々の背景から難しいか。 

先日の大田区総合体育館興行。 

 

メイン以外のカードを簡潔に 

 

【吉良大弥(志成)VSジャクソン・サパタ(ベネズエラ)※110lb契約】 

 

プロ三戦目の吉良がWBA-LF13位サパタと対戦。※サパタは11勝(9KO)2敗2分の28歳 

 

吉良はランクでは8位と格上だが、構図的には「冒険マッチ」 

 

2R、サパタは左フックを好打。このパンチにはパワーも感じられ 、間違いなく難敵に映った。 

 

ただ吉良は旺盛な動きと積極的な攻め。 

 

技術も井岡テイストも取り込んでいるが、実に野性的でアグレッシブな攻撃。 

 

この吉良の攻撃を受けたサパタは、強気スタイルを一新。 

 

サウスポーへシフトと強打封印し、技巧派スタイルで対峙。 

 

ただ吉良の動きは往年の戸高秀樹を思わせるような野生スタイル。 

 

相手にクリンチを許さない動き、ステップの巧さに感心した。 

 

繰り出すパンチもフックかジャブか相手には判別が付かない絶妙の繰り出し方。 

 

7、8Rと二度ダウンを奪い判定で完勝(自分の採点は79-71 2Rのみサパタ) 

井岡直伝の?左レバーも巧く、何よりも井岡にはない野性味あふれる積極さは観ていて楽しい選手。 

 

自分は性急すぎる世界戦には反対の考え。じっくりとキャリアを積みたい。 

キャリアと共に雰囲気、顔立ちも磨かれていくだろう。 

 

 

【堤駿斗(志成)VSハイメ・アルボレタ(パナマ)※133lb契約】 

 

弟麗斗に続きRING誌との契約を結んだ堤駿斗。 

 

WBA世界スーパーフェザー級王座への挑戦権を得ているが、WBA同級15位ハイメ・アルボレタとの対戦と手綱を緩めない。 

 

※アルボレタは20勝(15KO)3敗 30歳 

 

堤は133lb契約でかなり身体が重く感じたが、高いガード。良質なジャブ、左レバーと主導権を握り、全く危なげのない試合運び。 

 

技術的にはベーシックだが、既に高いレベルで完成している。 

3R、左フックでダウンを奪い、辛うじて立ち上がったアルボレタへ連打を浴びせストップ勝ち(3R2:39TKO)。 

 

バッティングで弱気になり、アルボレタの打たれ脆さを割り引いても良い出来だった。 

堤が狙う王者はジャーボンテイ・デービスとの再戦優先のラモン・ローチだけに堤の待ち時間は長くなりそうだが、RING誌との契約で海外リングへの登場も有るだろう。 

 

是非待望論が出るようなパフォーマンスを海外で見せて欲しい。 

本日は大田区総合体育館へ 

WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 

フェルナンド・マルティネス(亜国)VS井岡一翔(志成)Ⅱ 観戦に 

 

1R~マルティネスは前回同様スタートダッシュをかけてくる。 

 

井岡も左フックカウンターを当てたが、手数で押すマルティネスが先制。 

 

2Rマルティネスは左アッパーも入れ、フルスロットル。 

 

スタミナが心配になるが、初戦の無尽蔵ぶりを観ているのでこれは最後まで止まらないな・・・。 

 

3R井岡は右カウンターで一瞬マルティネスをグラつかせるが、逆に反撃を食らいポイントを奪えない。 

 

これは大きな失点。 この試合の分岐点となった。

 

今日のマルティネスは盛んに鼻水を噴き出し、4Rは少し疲れも見える(井岡のラウンド)。 

 

ただやはりマルティネスのスタミナは化け物級。 

 

5~9Rまで旺盛な手数でポイントを渡さない。 

 

特に井岡をスピードで上回り、リターンを決める。 

 

井岡がまともに連打を食らうシーンが連発し、マルティネスはサウスポーになっての右フックは文字通り百発百中と思うほど楽々当てる。 

 

8Rマルティネスは少し抑え、9Rは2R分の手数。 

 

9R終了時点で自分の採点は7ポイントマルティネスリード。 

 

井岡が勝つには倒すしかないという状況と思えた。 

 

10Rここで井岡が意地を見せる。 

左フックカウンターでマルティネスから起死回生のダウンを奪う。 

 

ダメージはそれなりに有ったが、マルティネスも逆にパンチを返し、井岡追撃を拒否。 

 

11Rも井岡が取ったが、カウンター狙いの待ちの戦法。 ここで勝負は決まった。

 

12Rは心情的に井岡へ付けたが、公式は逆?? 

 

発表された採点は3-0(114-113、115-112、117-110)でマルティネスの防衛を支持。 

 

自分の現地採点は115-112でマルティネス。(井岡へ4、10~12Rを付けた) 

井岡は意地のダウンを奪ったが、明白な判定負けでリベンジならず。 

 

ただあのダウンは正に技術で倒した(田中戦の再現)井岡らしいパンチ。 

 

個人的にはこの試合を花道とすべきだと思う。 

 

この夜の井岡は正に「良き敗者」 

 

最後まで井岡らしく堂々と戦った。 

 

一方マルティネスはもう超人的なスタミナと精神力。 

 

後半足を使えばもっと楽に勝てただろうが、最後まで井岡の気持ちに応えていた。 

 

技術も感じさせ、何よりも精神力が強い素晴らしい王者だ。 

 

バムとの大一番でも意地だけは見せるだろう。

 

最後に偉大なる井岡一翔。本当にお疲れ様でした。