イースター島のモアイ像の地中に埋まっている部分に描かれている文様について考察します。
モアイ像は主に祖先崇拝の象徴として建立され、村や人々を守る存在と考えられていました。また、権力や社会的地位を示すための象徴、宗教儀式の場としての役割も持っていたとされています。
1. 祖先崇拝と守護のシンボル
• モアイ像は亡くなった首長や偉人の霊を象徴し、村を見守る存在として信仰されました。
• 実際、多くのモアイ像は海ではなく村の方向を向いて立っており、住民を守る役割を担っていたと考えられます。
2. 権力と社会的地位の象徴
• 部族や村の指導者が自らの権威を誇示するために建立しました。
• より大きく精巧なモアイ像を建てることで、技術力・団結力・信仰の強さを示し、部 族間の競争の一環ともなりました。
3. 宗教的儀式の場
• モアイ像は宗教的な祭祀の中心であり、祖先の霊を祀るための「アフ(石壇)」に設 置されました。
• 村の繁栄や豊作を祈願する意味を持ち、神聖な存在として扱われました。
建造の背景
• 建造時期は西暦1250年頃から1500年頃。
• 約900体ものモアイ像がイースター島(ラパ・ヌイ島)に存在し、平均高さは約4メートル、重さは10トン以上。最大のものは10メートルを超えます。
• 主に火山岩や凝灰岩から作られ、ラノ・ララク火山が主要な採石場でした。
近年の研究では、イースター島(ラパ・ヌイ)の人々の祖先は「台湾を起点とするオーストロネシア系の大航海民族」に属すると考えられています。台湾から始まった航海民の流れが、フィリピン・インドネシア・メラネシアを経てポリネシアに広がり、その東端がイースター島だったのです。
腰帯文様の象徴性
私は、モアイ像の腰に巻かれた綱や帯に描かれている「〇に∧」「〇に━」「〇に十」の文様は、古代エジプトの紐の結びである「ティエト」や「アンク」と共鳴しているのではないかと考えます。
「ティエト」や「アンク」は冥界と現世を結ぶ象徴として非常に重要視されました。ファラオや神々はアンクを手に持ち、冥界の神々はティエトを頭部・首・腰などに表現しています。頭・首・腰に巻いた紐を「〇」とすると、垂らした紐が「八」の形となり、「〇と八」でモアイ像の腰に見える文様と同じような形になります。
ティエト
イシス
アヌビス
モアイ像は祖先崇拝の意味が強いため、腰に「ティエト」の結びを象った文様が描かれたと考えられます。ティエトは「イシスの結び目」と呼ばれ、古代エジプトでは「生命の帯」「女神イシスの力」を象徴する護符として認識されていました。
この腰の文様は、日本文化における「のし袋の水引」「相撲の横綱」「しめ飾り」などの形にも共鳴していると考えられます。ティエトの形の両腕部分は蝶結びの輪にも、鳥の翼にも見えます。ファラオの棺に添えられたほど重要な存在であったことからも、その象徴性は極めて大きいといえます。
結論
イースター島の人々はモアイ像に霊力(マナ)を宿し、祖先の霊魂が冥界で安寧を得ると同時に、現世で再生・復活し、集落の守護や霊的加護をもたらすことを願いました。腰の文様はその祈りを形にしたものであり、部族の権威を誇示するための重要な象徴でもあったと考えられます。
私は、このモアイ像の腰にある文様は古代エジプトや古代日本の「結び」の象徴性に影響を受け、イースター島の文化に反映されたものと考えています。
https://karapaia.com/archives/52196955.html/k-cee23d8b-j
※ 写真はカラパイアさん、egyptologyさんの投稿からお借りしました。










