ツタンカーメンの黄金の玉座に描かれた黄色で囲んだ図像について考察します。

玉座の背には、ツタンカーメン夫妻が描かれています。二人は片方ずつサンダルを履き、王妃アンケセナーメンが夫の身体に香油を塗るという、非常に親密で微笑ましい場面です。

 

 

その向かって右側に描かれた謎の図像は、以前から気になっていました。黄金の玉座に描かれるほどですから、重要な象徴であることは間違いありません。

一部の研究者は、この図像を「祭儀用の扇」「象徴的な植物」「神聖な道具」などと解釈しています。私はこれが太陽の『日暈(ひがさ)』をもとに考案された形であると考えています。

 

 

 

上部の同心円と横棒は、永遠の保護を意味するシェン・リング(左下、下中央)を表しているように見えます。

同心円はトーラス構造を象徴し、トーラスは再生・復活の象徴でもあります。

横棒は日暈(右上の図)の上端接弧を示し、末広がりに伸びる直線は太陽アークを表していると考えられます。

 

 

 

 

この形は、日本の前方後円墳の外形と非常によく似ています。

 

 

世界的に見ても、日暈と古代建造物・図像を関連づける研究者はいませんが、私はこの関係性は極めて重要だと認識しています。

日暈は雨の降る数日前に現れる現象であり、太陽と水の融合を象徴する形でもあります。

 

この図像は、イシスのハチマキ、オシリスの首紐ティエト、ピラミッドと太陽の重なりなどとも共鳴しています。

 

 

 

 

日暈は神の祝福や守護のサインであり、人々はこの形から力を授かると考え、崇め、その象徴を創作したのではないかと私は考えています。

 

※ 玉座の写真はegyptologyさんの投稿からお借りしました。