箱根旧街道(箱根湯本~箱根関所)散策 | Archive Redo Blog

Archive Redo Blog

DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

神奈川遠征3日目は箱根湯本から箱根関所まで箱根旧街道を歩きます。

 

箱根湯本駅を発車する箱根登山鉄道を横目にスタート。

 

三枚橋という橋から旧東海道に入り、箱根に向けて歩いていきます。

 

 

 

序盤、箱根湯本の街中には、北条早雲の子、氏綱によって創建された早雲寺など、お寺がいくつかありましたが、旧東海道として特筆すべき見どころはなし。

 

箱根観音のあたりに少し石畳の道がありましたが、それ以外は車道歩きでけっこう怖かったです。

 

 

 

須雲川の集落を過ぎると、ようやく車道から離れ、石畳の道を歩くことが増えてきます。

 

ご丁寧に江戸時代の石畳を示す標柱。

 

 

 

畑宿の手前では整備工事中で通行止めになっている区間もありましたが、こうした工事によって、安心して古道歩きを楽しめるわけですから、ありがたいことです。

 

 

 

旧東海道の箱根の手前の宿場、畑宿。

 

 

 

畑宿は箱根を代表する工芸品、寄木細工発祥の地でもあるということで、畑宿寄木会館を少し覗いてみました。

 

様々な樹種の木材を組み合わせて制作する寄木細工。

 

道具箱などの実用品、装飾品、小物、そしてからくり箱まで、様々なものがありますが、木のぬくもりと、幾何学模様という取り合わせがなんとも魅力的です。

 

とはいえ、何かほしいなと思っても、装飾にするならともかく、実用品となるとなかなか選ぶのが難しいものでもあります。

 

 


ということで、ここでは、無難に少し現代風のデザインのコースターを記念として購入しました。

 

(寄木細工に関しては以前からいいなと思っていた作家さんがおり、小田原でその作家さんの作品を置いている店を見つけたのでそちらで小さめのトレイを購入して帰りました。)

 

 

 

畑宿のはずれにあった江戸から二十三里目にあたる一里塚。

 

今の一里塚は明治以降に崩されていたものを復元したものなのだそうです。

 

 

 

ここからはまた石畳の道が始まります。

 

石畳にはところどころ、斜めに一直線に石が並べられているところがありますが、これは石畳から水を逃がす排水機構なのだそうです。

(そういえば、旧中山道でも見たような気が。)

 

 

 

しかし、気持ちのよい石畳の道歩きもつかの間、箱根旧道七曲りに沿う形でぐいぐいと登って行く、橿木坂に差し掛かります。

 

”橿の木のさかをこゆればくるしくてどんぐりほどの涙こぼるる”

 

箱根旧街道随一の難所に息が上がります。

 

 

 

しかし、このあたりはちょうど紅葉が見頃で、急坂のきつさも少し和らぎます。

 

 

 

木々の間からは小田原から横浜方面の景色も見えました。

 

 

 

橿木坂を過ぎると少し坂が緩みます。

 

 

 

このあたりの紅葉を楽しめるのは箱根旧街道を歩く人の特権ですね。

 

 

 

橿木坂を登り切ってやれやれと思いきや、もう一つ猿滑坂というきつい坂を登り、ようやく箱根旧街道のオアシス、甘酒茶屋に到着。

 

 

 

名物の甘酒と力餅(うぐいす)をいただきました。

 

休んでいると肌寒さを感じるこの季節に味わう甘酒は格別。

 

甘酒と力餅、ダブルでエネルギーもチャージできて、今も昔もこういう茶屋の存在はありがたいです。

 

 

 

甘酒茶屋を過ぎれば登りはあと少しだけ。

 

 

 

このあたりは石畳の道の道幅も広く、箱根旧街道の中でも一番風情が感じられました。

 

甘酒茶屋までは歩く人を数人しか見かけませんでしたが、甘酒茶屋から元箱根まではけっこうたくさんの人を見かけました。

 

元箱根から甘酒茶屋までだけを歩いているのでしょうか? 外国人も多かったです。

 

 

 

”箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川”

 

大井川に比べれば箱根八里なんて楽勝ってことですかね。

 

 

 

最後、権現坂を下ると元箱根。

 

昨日に続き、今日も芦ノ湖越しに富士山を見ることができました。

 

箱根神社の鳥居が色どりを添えるこの浮世絵的な景色には感動します。

 

 

 

少し引くと、右手には箱根駒ヶ岳。

 

あそこにもまたいつかちょっと登ってみたいですね。

 

 

 

元箱根からは旧東海道の杉並木を歩いて箱根関所へ。

 

立派な杉並木が600mほど続きます。

 

それほど広くはない湖畔に、国道1号線と並行する形でよくぞこれだけの杉並木を残してくれたものです。

 

 

 

箱根湯本から箱根旧街道を歩くこと4時間10分で箱根関所に到着。

 

箱根関所は2007年に江戸時代の姿に完全復元したそうですが、石垣の上に建物の土台となる木材を載せる際に石垣の形にあわせて木材を削って安定させる「光付け」などの伝統的な技法も用いていて、見どころ満載です。

 

 

 

関所の各建物、各部屋がどういう役割で、どういう人たちが関所に詰めていてどのような仕事をしていたのかということもわかりやすく展示されており、当時の関所の雰囲気というものがよくわかりました。

 

(人形に彩色が施されていないのは、当時の役人の身体的特徴や衣服の色などが不明で、史実とは異なる印象を持たれないようにするためなのだとか。)

 

 

 

関所の裏の高台には遠見番所があり、ここからは関所全体がよく見えました。

 

ここでも芦ノ湖越しに富士山が見えるのだそうですが、ほんの30分前まで見えていた富士山はいつのまにか雲の中で、ここからは見ることができませんでした。

 

さっき富士山が見れたのは紙一重のタイミング、ラッキーでした。

 

 

 

箱根関所と資料館を見学した後は、箱根町港から急行バスに乗って箱根湯本に戻りました。

 

あとは小田原から新幹線に乗って帰路に着くのみでしたが、少し時間に余裕があったので、小田原城跡にも寄ってみました。

 

現在の建造物は天守をはじめ、ほぼ復元、再現したものばかりですが、馬出門からの正規登城ルート沿いには銅門や常盤木門などの大きな建造物が復元、再現されており、お城の迫力が感じられます。

 

 

 

天守の内部も、北条五代の時代から江戸時代までの小田原城に関する展示が非常に充実していて見ごたえがありました。

 

ただ、小田原城に関してはやはり秀吉の小田原攻めがどのようなものだったのかに興味があるので、こうした展示を観るだけではなく、当時の小田原城や石垣山城の遺構などもまたじっくり巡ってみたいです。

 

 

 

天守の最上階からは周囲の景色がよく見えました。

 

西には箱根の山々。

 

 

 

南には相模湾、真鶴、そして伊豆大島。

 

 

 

北には小田原駅とその向こうに丹沢山地。

 

右端には昨日登った大山もきれいに見えます。

 


今回は鎌倉、大山、箱根旧街道と、このエリアで歩きたいと思っていたところを効率よく歩けて、おまけに天候にも恵まれて紅葉や富士山も見れて充実した山旅になりました。

 

公共交通機関のみを使った旅は久しぶりでしたが、行く場所によっては車よりも利点が多いので、今後は少し回数を増やしてみようと思います。