針ノ木小屋から針ノ木岳山頂を目指します。
往復2時間弱。
今日は好天で、荷物をデポして登っている方も結構いたため、私もそうさせてもらいました。
高山植物、いろいろ咲いていました。
ゴゼンタチバナ。
ハクサンシャクナゲ。
ツガザクラ。
タカネヤハズハハコ。
ミヤマダイコンソウ。
ミツバオウレン。
キバナノコマノツメ。
ベニバナヘビイチゴ。
このあたりは密度の濃いお花畑。
チングルマとコイワカガミが多いです。
谷側にはシナノキンバイかな?
針の木岳が近づいてきました。
まだ、高山特有の体の変調もあり、調子が上がらず、なかなか前に進みませんが、あともう少しです。
ミヤマクワガタ。
そして、ようやく日本二百名山、針ノ木岳山頂(2821m)に到着。
登山口から6時間15分かかりました。
山頂まで6時間以上を要したのは3年前の羊蹄山以来です。
どちらも体力レベル中級程度の山で、調子がよければ普通にこなせる山ですが、苦手条件がいくつか重なると、きついです。
思っていたよりも広い山頂は360°の大展望。
まずは何と言っても、黒部湖越しに鎮座する立山、剱。
梅雨の大雨の影響か、黒部湖は少し濁っているようです。
昨秋登った立山。
立山からも針ノ木岳がよく見えましたが、こちらから立山を見るとこんなふうに見えるんですね。
堂々としていて、まだ雪渓(氷河)を中心に残雪も多く、とてもきれいです。
立山から左にたどって行くと、薬師岳、赤牛岳、水晶岳など。
南側には深い谷の底に高瀬ダムがあって、その奥に槍・穂高、大天井岳から燕岳あたりが見えます。
東側から北側にかけては、針ノ木大雪渓から上がってくるガスで少し見通しが悪くなってきましたが、北側すぐ目の前にはスバリ岳という山が見えます。
なかなか荒々しい稜線です。
針ノ木岳からはこの稜線をたどって種池山荘まで行き、扇沢に下山する”針ノ木サーキット”という周回コースがあるそうです。
針ノ木岳山頂にはミヤマオダマキが咲いていました。
オダマキ好きとしては、一度観てみたかった花です。
イワオウギも咲いていました。
山頂で一通り景色を楽しんだら、すぐ下山。
針ノ木峠を挟んで反対側には三百名山の蓮華岳が見えます。
あちらにはコマクサが咲くそうで、体力的、時間的に余裕があれば登りたかったのですが、まあ無理だろうなと端から諦めていました。
針ノ木峠に戻り、また少しゆっくり休憩してから、下山します。
だいぶガスが湧いています。
登りで見逃してしまったキヌガサソウを発見。
針ノ木岳は花の百名山(新、NHK版、山と渓谷社版)にも選ばれていますが、代表的な花として挙げられているのはいずれもキヌガサソウです。
下りの雪渓。
ガスは少しマシになりました。
登り途中でベルトが切れたアイゼンですが、ファーストエイドキットの中に入れていたテーピングでがっちり固定したら、まったく問題なく歩けました。
登山道でどんだけ足をひねってもねん挫したことなどなく、”必要か?”と思いつつも一応入れておいたテーピングが思わぬところで役に立ちました。
ガムテープでもビニールテープでも、テープ系は何か一つザックに入れておくと安心です。
それはともかく、こういうラチェット式のアイゼンは、着脱は簡単だけれどもこういうことが起こりうるということがわかったので、次買うときはよく考えよう。
あと、補修道具についてももう一度見直そうと思います。
アイゼンのトラブルも乗り切って、雪渓を下り終えたら、あとは普通に歩いて下るだけと思いきや、またトラブル。
アイゼンを外した場所にカメラを置き忘れ、だいぶ降りてから気付いて150mほど登り返す羽目に。
カメラは無事回収できましたが、せっかく調子を取り戻しつつあったのに、これで1時間近くロスした上に、体力もほぼほぼ使い果たし、最後はヘロヘロでした。
いつもは癒されるブナ林も、癒される余裕もなく、ただただ無心で歩いて下山。
下山時刻は17時前。今日は結局、11時間25分と、今年最長の山行となりました。
頑張れば日帰りで行けるかなと挑戦した針ノ木岳。
きつかったですが、天候に恵まれ、高山植物も、いい景色も、雪渓歩きも楽しめてよかったです。
調子が上がらず、十分に楽しむ余裕がなかったのはちょっと勿体なかったですが、今後につながるいろいろと学びの多い山行にもなりました。