安徳天皇陵墓参考地の先にある畝傍山展望所からの眺め。
来た方向を見ると、馬鹿だめしの断崖がよく見えました。
そのてっぺんに横倉宮があり、その右奥に横倉山三角点のあるピークと、カブト嶽が見えます。
空池。
石灰岩に囲まれた窪地、いわゆるドリーネのような地形です。
横倉宮からここまでじわじわと登ってきましたが、実はこの近辺が標高850m超と今日の最高地点です。
空池の周囲は今日一花が多かったです。
ヒメレンゲ。
タニギキョウ。
真上からナツトウダイ。
まだ咲いてないけど、クルマムグラ。
これも牧野博士の命名種。
コクワガタ。
ミヤマクワガタもそうですが、昆虫と同じ名前で紛らわしい。
オオイヌノフグリなどにも似ていますが、同じクワガタソウ属なんですね。
ユキモチソウ。
つきたてで柔らかくよく伸びるお餅のよう。
空池まで歩いたら横倉宮まで戻り、横倉山三角点(774.6m)へ。
横倉山は花の種類の多さから花の百名山に選ばれています。
横倉山三角点の次のピーク、カブト嶽にも寄ってみました。
カブト嶽は下から登って来るのがなかなか大変そうですが、仁淀川流域が望めていい眺めです。
アオダモ。
カブト嶽からの眺望を楽しんだ後は、屏風岩を経て夫婦杉へ下る登山道を歩き、第2駐車場に下山。
今日はいろいろなものを見てよく歩いた気分ですが、3時間15分ほどのお手軽山行でした。
お、これは仏炎苞の先が長く延びて垂れ下がっているので、アオテンナンショウですね。
これも牧野博士命名種です。
今日はこのほかヨコグラツクバネが咲いていないかと探したのですが、歩いた範囲では見当たりませんでした。
今はそれほど花の多くない時期のようですが、季節を変えればいろいろな花に出会えるそうです。
横倉山からの下山後は、牧野博士のふるさと、佐川町を少し散策してみました。
横倉山はそうでもなかったですが、ここは”らんまん”効果でけっこう観光客が多かったです。
こちらは牧野博士の生家跡にある牧野富太郎ふるさと館。
中には牧野博士に関する写真や資料などの展示があり、牧野博士の幼少期の部屋も再現されています。
生家の裏には金峰神社があります。
牧野博士が住んでいた頃は産土神社と呼ばれていたそうです。
金峰神社の社殿。
”らんまん”でもそんなシーンがありましたが、このあたりには早春にバイカオウレンが咲くみたいです。
名教館。
牧野先生や幕末の志士らが学んだ土佐藩の家老、深尾氏の家塾です。
名教館の中には、ここで学んだ偉人たちの紹介や、”らんまん”にも出てきた博物図なども展示されていました。
お、これは”らんまん”に出てきた名教館の門前の石段ですね。
牧野公園に隣接する清源寺というお寺です。
牧野公園には、四季折々、牧野博士ゆかりの植物を中心に様々な花が見られるようです。
花はもう終わっているようですが、この植物はヤマトグサ。
牧野博士が日本人として初めて学名を付けた記念すべき植物だそうです。
登山中にはまず見過ごしてしまいそうなとても小さな植物です。
こちらも牧野博士命名種のサカワサイシン。
カンアオイの仲間で大きな葉の付け根に咲く地味な花です。
”らんまん”にも登場した牧野博士が愛した花、バイカオウレンもたくさんありましたが、今は花後でこんな感じです。
牧野公園には牧野富太郎の墓と、同郷で幕末から明治にかけて政治の世界で活躍した田中光顕の墓が並んでいました。
牧野公園は長曾我部氏の時代、佐川城があった場所で、物見岩からは佐川の町が見渡せました。
牧野博士もここに登ったのでしょうか?
以上、今日は横倉山をメインに牧野博士ゆかりの地や仁淀ブルーを見て回った一日でした。
山や植物園で花を観るのが好きな人なら、必ず耳にするであろう牧野富太郎博士の名前と功績。
その牧野博士ゆかりの横倉山には、朝ドラで取り上げられる以前から一度来てみたかったのですが、花はもちろん、地質的にもとてもユニークで、安徳天皇の伝説もあり、見どころの多い山でした。
機会があれば、今度は高知市にある牧野植物園や伊尾木洞なども訪れてみたいと思います。