丹波篠山市と丹波市に跨る金山に登ってきました。
国道176号線、鐘ヶ坂トンネルそばにある金山登山用駐車スペースに車を停め、5分ほど歩いて追入神社へ。
追入神社からさらに少し歩いたところが登山口。
金山城跡の幟がありますが、金山山頂には戦国時代、明智光秀が築いた金山城があったそうです。
今にも倒壊しそうな鳥居。
金山へは緩急ありますが、全体的に歩きやすい登山道でした。
途中にあった石垣。
金山城の遺構かと思いきや、ここには園林寺というお寺があったそう。
山頂間近の分岐。
右は鐘ヶ坂峠からの登山道。
真っすぐ行けば山頂ですが、一旦、左、鬼の架け橋へ。
広重も描いたという金山随一の名所、鬼の架け橋に到着。
本当に鬼が架けた石橋かのように絶妙な形、絶妙な引っかかり具合です。
しかし、見た目よりは安定してそうで、人ひとり上に乗るくらいなら大丈夫のようです。
筑波山の弁慶七戻りの方が見た目に落ちてきそうで怖いかな。
鬼の架け橋から少し登ると金山山頂(540m)に到着。
スタートから45分のお手軽登山でした。
山頂からは各方面、なかなか良い眺めでした。
北側には向山連山が見え、その先には黒井城跡も見えます。
黒井城跡アップ。
金山城は明智光秀が波多野秀治の居城八上城を包囲する際に、八上城の波多野氏と黒井城の赤井氏との連携を断つために築いた山城だそうです。
南側を見ると篠山市街が見え、その左奥にかつて八上城のあった高城山が見えます。
黒井城と八上城の間に位置し、両城を結ぶ街道を抑えられる山城。
戦国武将の戦略を空間的に体感できてとても面白いです。
東側には、手前の山の向こうに昨年登った三尾山の3つのピークが少し頭を出しており、右奥にはこれも昨年登った三嶽が見えました。
下山は鐘ヶ坂峠経由で。
鐘ヶ坂峠は、古くから多紀郡(丹波篠山市)と氷上郡(丹波市)を結ぶ街道の要所だったそうですが、それ故の金山城ということですね。
鐘ヶ坂峠からさらに下って下山した後は、少し寄り道。
鐘ヶ坂トンネルです。
かつて徒歩や馬で往来していた鐘ヶ坂峠も、今はトンネルで越えるようになっており、明治、昭和、平成と3度トンネルが掘られています。(いずれも現存)
こちらは1883年に完成した明治トンネル。
日本最古のレンガ積みトンネルだそうです。
「事成自同」という扁額が掛けられていますが、これは有栖川宮熾仁親王揮毫だそうで、歴史を感じます。
この明治トンネルと昭和トンネルは普段は通れませんが、さくらまつりなどの時に通り抜けができるようです。
下山後は、車にザックを置き、もう一度追入神社の方へ。
追入神社からさらに10分弱歩くと追手神社があります。
こちらの境内でまず目を引くのは、千年モミ。
推定樹齢約500年。
日本で一番大きなモミの木なのだそうです。
このほか、推定樹齢約350年の夫婦イチョウもありました。
あと、狛犬が独特でした。
上下に二対あって、下の狛犬は一般的な狛犬なのですが、上の狛犬はなんだか漫画的。
まったく迫力のないユーモラスな姿で和みます。
追手神社に来たのは、神社とその周辺、大山宮地区で春に花を咲かせるさまざまな山野草が見られるから。
ただ、それぞれ開花時期が異なり、境内にあったユキワリイチゲはまだこれからというところ。
アズマイチゲも、そろそろ咲いているかなと思って今日来てみたのですが、まだこれからでした。
アズマイチゲは日本最西端の自生地ということで天然記念物にも指定されているそうですが、このとおり、かなりの数の群落ですので、ピーク時にはかなり華やかになるのではないでしょうか。
この感じだと見頃は1週間から2週間後くらいでしょうか。
数は少なかったですが、キクザキイチゲもありました。
こちらもこれからです。
今、最盛期なのはセツブンソウ。
高密度の群落を形成していました。
もっと引くとこのとおり、わんさか咲いています。
セツブンソウのこんな群落を見たのははじめて。
見ごたえありました。
セツブンソウと一緒にセリバオウレンも咲いており、こちらも最盛期でした。
線香花火みたいでかわいいです。
道端の日なたのあちこちにはリュウキンカも咲いていました。
山野草を見た後は、追手神社の少し南にある白椿でおうどんをいただきました。
このおうどん、この透き通った黄金色のお出汁が風味豊かでめちゃくちゃおいしかったです。
車に戻る途中、道端で見つけたフキノトウ。
先週は真冬でしたが、今日はとても暖かくすっかり春。
天気もよく歩いていてとても気持ちよかったです。
金山は有名な山と言うよりもマニアックな山かなと思いますが、麓の散策も含め、短時間ながらいろいろときれいなもの珍しいものが見れて、美味しいものもいただけて、思ったよりも盛りだくさんな一日になりました。
アズマイチゲなんかも見てみたいので、今度は少し時期をずらして訪れてみたいと思います。