aw11 種は船 TARA JAMBIO アートプロジェクト 日比野克彦
本島、高見島に続いて最後に訪れたのは粟島。
高見島を14:05に出て、粟島に14:25着。
ここには2時間50分滞在できるので、だいぶ余裕をもって回れそうです。
まずは港の近くから。
種のような形をしたこの船、実際に乗船体験ができるそうです。
その隣にも船が停泊していますが、これも「一昨日丸」という作品だったようです。
また見過ごしてしまった...
桟橋の手前には船長小屋があって、その周囲には海底から収集した様々なものが陳列されていました。
釣り具なんかも当然含まれているのですが、こうやって見せられると、故意に海に捨てているわけではないとしても、釣りはもうやめた方がいいのかなと思い悩んでしまいます。(最近、やっていませんが。)
その向かいに立っている建物は粟島海洋記念館。
改修中のようですが、趣のある建物です。
aw04 粟島芸術家村
旧粟島中学校。
粟島芸術家村ということで、いくつかの作品群がまとめて展示されていました。
ああ、ここにも船長小屋が。
ここには海洋環境の調査と保護を目的としたTARAの活動内容の展示などもありましたが、海洋ゴミ、特にマイクロプラスチックの問題って難しいですね。
故意に捨てることは当然よくないですが、不可抗力でゴミにしてしまうことも多いですし。
言葉としての洞窟壁画と、鯨が酸素に生まれ変わる物語 大小島真木/マユール・ワイェダ他
こちらは前回の芸術祭の時に公開されたもので、鯨のアートと洞窟に描かれたワルリ画のコラボレーション作品。
入り口を入るとまず、大迫力の鯨の頭部の骨。
回り込んでみると、肋骨には文様が描かれ、その内側には心臓を模した複雑な造形のオブジェがあります。
そして、壁面には様々な動植物を描いたワルリ画があり、そのワルリ画に縁どられた複雑な模様の半球型のオブジェがまた目を引きます。
この複雑な模様、よく見ると様々な海洋生物が刺繍で表現されています。
いやいや、これはなかなか圧巻の作品です。
船出の誇りとはなむけの島 善通寺第一高校デザイン科
こちらも今回の芸術祭の作品ではありませんが、”総角結び”にした紐を編み上げて作成した作品です。
床に敷き詰められた”総角結び”の紐は、スクリューの形を模しており、3つの島がつながってスクリューのような形をしている粟島をイメージしているそうです。
よく見ると一つ一つの紐が手と手を取り合ってつながる人のようにも見えてきて、人々の絆のようなものも感じます。
aw04 粟島大絵地図 佐藤悠
そしてこちらは今回の作品。
島民が協力して描いた粟島の大絵地図。
細かく見ると素人絵ですが、全体を俯瞰すると壮観です。
aw04 いのちの声を聴く 森ナナ
こちらも今回の作品。
五体投地図?
aw06 思考の輪郭 エステル・ストッカー
旧粟島幼稚園に制作されたこちらはJR宇野駅と同じコンセプトの作品。
白地に描かれた黒い線がところどころ跳ね上がっており、パルスのような動きを感じます。
壁面に小さく注意書きがありますが、黒い線の一部は、床面から浮き上がっており、作品に見とれていると足ををぶつけてしまいます。
といっても、木の板でできているので、破壊されても修復は容易で、ケガをすることもほとんどないと思います。
一番奥から入口を望む。
左右にも部屋がありますね。
左の部屋は白地に黒の線形が点在する空間。
右の部屋は黒地に白の線形が点在する空間。
何かこの線形が動き出しそうな錯覚を覚えます。
aw07 過ぎ去った子供達の歌 ムニール・ファトゥミ
次は旧粟島小学校。
中学校、幼稚園、小学校...全部廃校になってしまったんですね。
こちらには各教室にそれぞれ当時の様子をしのぶものが展示されていました。
こちらは校長室。
壁にモネの「印象 日の出」があり、反対側の壁にはベートーヴェンの肖像画。
先程の教室も校長室も、人間の代わりに置かれているのは時計。
すべて同じ時刻を指していますが、これは廃校になった時刻を表しているのだそうです。
そこで時が止まってしまったということです。
屋上にも上がれました。
海も見えるいい眺めです。
三方の壁にはメッセージが。
aw12 スティルライフ マッシモ・バルトリーニ
ここまでの作品は狭い範囲にまとまっていましたが、そこから軽く丘を越えて島の西海岸へ。
人工の池に蓮の花が描かれた花瓶。
深すぎてよくわかりません。
aw01 Re-ing-A 日比野克彦
海上には沈没船から引き揚げた煉瓦を使って製作された作品。
遠すぎてよくわかりません。
反対側を見ると、竹のトンネルの奥、建物の壁にデザインされたかのように配置された流木らしき木。
これも、以前の作品なのでしょうか?
今日はずっと曇りでしたが、ここにきてようやく晴れてきました。
電線に止まっている鳥はジョウビタキ。
今回島を巡っていて一番驚いたのは、アート作品よりも何よりもジョウビタキの数。
3島で100羽以上は見たのではないでしょうか。
冬には近所でも見られる割と身近な野鳥ではありますが、バードウォッチングに行っても見られるのはせいぜい数羽。
これほど多く見られることはありません。
他の野鳥がどうなのかはわかりませんが、島というのは野鳥にとっては楽園なのでしょうか。
最後、今日は閉まっていますが、漂流郵便局の前を通って港へ。
「ミステリと言う勿れ」で我路君が訪れていたところですね。
港に戻ったのは四国に戻る船の出港45分前。
ゆっくり回ったつもりが、またしても早すぎた...
粟島からは17:15の船に乗って須田港へ。
そこからシャトルバスでJR詫間駅へ、JRで丸亀駅へ、徒歩で丸亀港へとスムースに戻り、車を回収して終了。
1日3島のアート巡り。
十分可能なことはわかりましたが、ペース配分が下手くそ過ぎて少し疲れました。
ただ、あとは伊吹島を残すのみなので、今度こそゆとりをもって楽しみたいと思います。
(4) 伊吹島へつづく...