長い構想期間を経て今年ようやく開館した大阪中之島美術館にはじめて行ってきました。
開催されていた展覧会は「展覧会 岡本太郎」。
開催前から行こうと思っていたのですが、ちょうど、展覧会が始まった頃から、また感染が急拡大してきたので、これまで様子見していました。
しかし、様子見していてもキリがないし、最近、NHKでタローマンという謎の特撮ヒーローものが放映されているのを見て、そのシュールな映像とテーマ曲が頭から離れなくなっていたし、もういいかと。
岡本太郎の最初期から晩年までの代表作が揃ったこの展覧会。
シュールレアリスムの影響を受けたパリ時代から、
帰国、出征、復員後、日本美術界の変革を目指して「夜の会」を結成し、対極主義を掲げて前衛芸術に力を注いだ時代へ。
このあたりから、私たちがイメージする岡本太郎的な表現が少しずつ見られるようになってきます。
ビキニ環礁の水爆実験で第五福竜丸が被爆した事件をイメージして作成されたというこの作品はゲルニカを連想させます。
想像以上にちっちゃいおっちゃん。
時代が進むにつれ、絵画だけでなく、立体作品も増えてきます。
梵鐘も岡本太郎の手に掛かるとこうなるんですね。
こどもの樹。渋谷にでっかいのがあるそうですね。
岡本太郎デザインの生活用品やノベルティなどもたくさん展示されていました。
メキシコのホテルのために作成されたものの、長らく行方不明になっていた「明日の神話」(下絵)。
現物は修復され、渋谷駅に設置されているそうです。
この時代の絵画は圧がすごい。
生涯最後の作品「雷人」(未完成)。
最後までパワー全開です。
これまで私にとっては、岡本太郎と言えば太陽の塔であり、そのインパクトが絶大過ぎるがゆえに、他にどんな作品があるのかと問われるとパッとでてこない、そんな芸術家でしたが、今回、すべての時代の代表作を観ることができて、私の頭の中の岡本太郎の芸術世界のイメージが大きく広がりました。
理屈抜きにパワーをもらえます。
この夏は暑いし、めんどくさいことになりたくもないしで、どこにも遊びに行く気になれず、これが唯一の夏の思い出になりました。
今回は岡本太郎のみを鑑賞しましたが、大阪中之島美術館は佐伯祐三やモディリアーニなどのコレクションも充実しているので、また機会あるごとに訪れたいと思います。