紅葉シーズンもほぼ終わり、朝晩も冷え込むようになってきた今日この頃。
これからはのんびり低山を楽しむ季節ということで、前から気になっていた播磨アルプス、高御位山を軽く縦走してきました。
スタートは鹿嶋神社。
高さ26mのこの大鳥居は鳥居としては珍しいチタン製。
耐用年数1500年だそうです。
本殿下の参道。
まだ紅葉していますね。
本殿左側にある登山口から登山開始。
ゆるゆると15分ほど登ると、尾根に露出した巨大な一枚岩、百間岩に出てきました。
百間というわりには短いなと思って下を見ると、
どうも道の選択を間違えて岩の途中に出てきたようです。下に岩がずっと続いています。
この百間岩は特に長いのですが、播磨アルプスにはこのような一枚岩の尾根が何ヶ所もあるなど、稜線に岩場の多い山々が連なり、それ故に播磨アルプスと呼ばれているようです。
といっても、ガレでもザレでもなく、滑りやすい岩でもなく、勾配もそれほどきつくないので、恐怖感なく気軽にアルペン気分を味わえます。
百間岩の上から望む高御位山へと続く稜線。
右奥のピークが高御位山。
別名、播磨富士と呼ばれる秀麗な山容です。
真下から送電線の鉄塔。
都市近郊の山ですね。
反射板が建つピーク。
西側には姫路の街が広がります。
ということは、姫路城も見えるかな?
見えました。
東側から見ると小天守が大天守の後ろに隠れるため、天守はほっそりとした姿に見えますが、城郭の巨大さがよくわかりますね。
高御位山の手前には鷹の巣山というきれいな双耳峰。
鹿嶋神社の上にあるから鹿島槍と呼んでもいいのではないでしょうか。
鷹の巣山の三角点。
さらにアップダウンを繰り返しながら高御位山を目指します。
高御位山の山頂の手前にある天乃御柱天壇。
天乃御中主神を祀る神廟なのだとか。
山頂部には兵庫県花のノジギクがちらほらと咲いていました。
山頂部は巨大な岩の岩場になっています。
この山頂の岩場には大国主命が国造りのために降り立ったという言い伝えがあるそうです。
ここが山頂かな。岩のてっぺんにある小さな祠の裏の木の板に山名と標高が記されていました。
高御座と書いて訂正しているのはご愛嬌。
山頂の岩場のそばにある高御位神社。
ご祭神は大国主命と少彦名命。
この社殿は伊勢神宮の方に向いており、おおよそ伊勢神宮と出雲大社の中間あたりにあり、地磁気水平分力が伊勢神宮、出雲大社と同じであるなど、パワースポットの要件をいくつも満たした強力なパワースポットなんだそうです。
神社をお参りした後は、眺めのいい岩場に腰かけ、コーヒータイム。
おやつは、鹿嶋神社の参道のお店で買ってきた名物の柏餅です。
蒸したてをその場で柏葉に包んでくれる柏餅は、山頂で封を開けてもまだほんのりと温かく、塩味も効いた優しい甘さでとてもおいしかったです。
山頂の岩場はほぼ垂直に切れ落ちた断崖。
クライミングを楽しむ人もいるようです。
山頂からは特に南側の景色がよく見え、眼下には高砂、加古川の町、東には六甲山、淡路島、そしてうっすらと明石海峡大橋。
高砂の町の向こう側には播磨灘。
午後になり雲が多くなってきましたが、雲間から差し込む太陽の光に輝く海は、黄金色の絞り染めのよう。
特に家島諸島とその先に見える小豆島の方角に降り注ぐ光の筋がきれいで、1時間近くぼーっと眺めていました。
視線を手前に戻すと、矢のように走る新幹線が見えます。
山の上から見る新幹線って、ジオラマの中を走るプラレールか鉄道模型のようにかわいくて好きなんですよね。
見えなくなるまで目で追ってしまいます。
下山はもう少し播磨アルプスを縦走して、北山登山口に下りることしました。
もう冬になろうかというこの時期ですが、登山道脇にはせっかちなツツジがちらほらと咲いていました。
顧みる高御位山の山頂の岩場。
高さどれくらいなのだろう?
ごつい岩です。
主稜線から北山登山口へと下る尾根にも大きな一枚岩がありました。
登山マップに”亀の甲羅みたいな岩”と書いてありましたが、このあたりの岩かな?
同じ一枚岩でも白っぽかったり、黒っぽかったり、赤茶けていたり、微妙な違いがあるのですが、このあたりの山々は流紋岩質溶結凝灰岩という岩石で形成されているそうです。
この岩石は古くから石材としても利用されており、竜山石という名で呼ばれています。
高御位山の南には、竜山石採石遺跡という国の史跡もあるようですので、今度来るときには、そこにも足を延ばしてみたいですね。
北山登山口に下山。こちらにも鹿島神社がありました。
鹿島神社から鹿嶋神社に戻る途中、溜池越しに見る高御位山。
標高304mの低山ながら、実に堂々とした立派な山でした。
今回は、播磨アルプス全山縦走コースの両端を端折って歩きましたが、トータルの歩行時間は3時間弱と思った以上に軽めのハイキングになりました。
今度来るときには、端から端まで歩くか、あるいは竜山石採石遺跡も含めて歩いてみたいと思います。