根子岳山頂で少し休憩した後、四阿山に向かいます。
爽快な稜線歩きと思いきや、出だしは片側が大きくえぐれて赤茶けた地肌が露出した稜線を進みます。
お次は大きなミルフィーユ状の岩の密集をかいくぐって進んでいきます。
この辺り、地図には”鬼遊びの庭”と書かれていました。
南西方向に大きくえぐれたこの地形、爆裂火口壁っぽいなと思って後で調べると、やはりそのようでした。
このあたりは数十万年前に活動していたかなり古い火山のようです。
ミルフィーユな岩の上で景色を眺めていると、近くの木のてっぺんにホシガラスが止まりました。
またお目にかかりましたね。
鬼遊びの庭を過ぎるとササが広がる開放感満点の稜線が、四阿山との間の鞍部にかけて広がります。
ここは歩いていて気持ちがいいですね。
左手、北東方向には四阿山のカルデラが一望できます。
カルデラの中全体が見事に紅葉しています。
あの中を歩きたい...
このカルデラ、写真左側が浸食されて出口になっているようですが、その縁に日本の滝百選、米子大瀑布があるようです。
菅平高原に向かう道中に案内板がありましたが、この時期、米子大瀑布は紅葉スポットとしても有名なようです。
またいつか訪れてみたいですね。
作品名「山」。
板を積み重ねて人工的に造形したような岩ですね。
”大隙間”と名付けられた鞍部。
赤い窪みが気になります。なんだろう?
が、あそこには登山道が延びておらず、確認できませんでした。
大隙間までだいぶ下ってきましたので、ここから四阿山の山頂まで約300mの登り返しになります。
こちらは根子岳とは山の雰囲気がガラリと変わって、シラビソの森です。
雪解け水が樹上からパラパラと滴り落ちてくる中、なかなかの急登を登って行きます。
ここまでもそうでしたが、雪解けということは、登山道はじゅくじゅく。
スパッツ着けてきた方がよかったかも。
粛々と急登を登り続けると、稜線に出て、菅平牧場からの道と合流。
青空が見えたと思ったら、またガス。
目まぐるしく天候が変わります。
四阿山の山頂には祠が二つ。
山頂は奥の祠のところにありました。
日本百名山、四阿山(2354m)。
根子岳から約2時間の道程でした。
四阿山から見る根子岳。
爆裂火口壁やササ原の稜線がよく見えます。
変化に富んだ楽しい稜線歩きでした。
反対側を見ると、きれいに雪化粧した浅間山が見えました。
今は噴火警戒レベル2で、前掛山(右側のピーク)にすら登れませんが、火山活動はだいぶ落ち着いてきているみたいなので、また近いうちに登れるようになることを期待したいですね。
四阿山からは中四阿、小四阿を経て菅平牧場へと下ります。
下るにつれ、晴れてくるパターン。
根子岳がさらにきれいに見えます。
振り返れば四阿山も。
こちらの道も稜線歩きでいいですね。
特に中四阿から小四阿にかけてが気持ちよかったです。
カラマツがだいぶ紅葉しています。
南側の紅葉もいいですねぇ。
幾重にも重なって奥行きがあります。
どんどん下って行くとやがてその紅葉の森の中に入って行きます。
ススキとシラカバ。
真上を見てもきれい。
目の前が黄金色に輝きます。
この先には極楽浄土があるのではないかと思わせます。
柔らかな陽光に包まれ、落ち葉を踏みしめながら歩くこの心地よさ。
もうそろそろフィナーレかなと思わせる道ですが、この後、さらに15分ほど紅葉散歩を楽しめました。
最後は牧場の中の道を歩き、登山口へ。
道中曇りがちだった根子岳と四阿山もすっかり晴れました。
下山は四阿山山頂から2時間弱でした。
菅平牧場管理事務所で購入した山バッジ。
根子岳のもあるんですね。
”花の百名山”と入ったバッジは珍しいかも。
ウメバチソウ、登山道では見かけませんでしたが、時期的に登山口周辺にはあったかもしれませんね。探してみればよかった。
四阿山は日本百名山の中でも地味な方で、百名山をやらない人にはほとんど知られていないような山ではないかと思いますが、アプローチも楽で、北アルプスなどの眺望もいいし、地形的にも面白いし、根子岳と合わせて手軽に縦走気分を味わえるし、なかなかいい山だと思いました。
初夏にはレンゲツツジなども楽しめるようなので、また季節を変えて訪れてみたいと思います。