徳川道散策(石屋川~森林植物園) | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

最もよく登っている山、六甲山。

 

しかし、歩く道には偏りがあり、まだまだ歩いたことのない道がたくさんあります。

 

昨年、全山縦走も果たしたので、今後は、そんな歩いたことのない道を歩くシリーズもはじめてみようかなと思っています。

 

ということで、今回、徳川道を歩いてみることにしました。

 

六甲全山縦走マップに、六甲全山縦走路は須磨から宝塚まで赤色のラインで記されているのですが、それとクロスするように紺色のラインで記されており、気になっていたのです。

 

 

阪神石屋川駅のすぐ北側に東西に走る旧西国街道。

 

古来から畿内と西国を結ぶ主要街道で、現在、その役割は国道2号線や43号線に受け継がれていますが、街道の名残がところどころに見られます。

 

 

この石屋川で旧西国街道から分岐しているのが徳川道です。

 

石屋川沿いの公園の片隅にその起点の案内板があります。

 

徳川道(西国往還付替道)は、幕末、江戸幕府が兵庫を開港するにあたって、西国街道を行き来する大名や武士と外国人との衝突を回避するために急遽作られた迂回路のことで、ここから、近隣の村々を抜け、杣谷を登り、杣谷峠から摩耶山の裏を抜けて西へ進み、明石の大蔵谷まで約34kmの道程だったそうです。

 

しかし、完成後まもなく、江戸幕府は滅び、明治新政府が発足。

 

居留地付近を迂回する新たな迂回路が設けられたこともあり、完成後、ほとんど使われることもなく廃道となったことから、”幻の道”とも呼ばれているそうです。

 

 

徳川道は旧西国街道から分かれてしばらくは石屋川沿いを行きます。

 

石屋川沿いから望む六甲山。

 

真ん中のピークが長峰山で、左のピークが摩耶山。

 

徳川道はその間にある杣谷を登って行きます。

 

 

山手幹線を越えて少し行くと、西に向きを変え、街中を抜けて行きます。

 

今となっては住宅街の中の1つの道に過ぎませんが、途中にあるこんな道標が、かつての徳川道であったことを示しています。

 

 

そう言われれば、街道のようにも見えてきます。

 

 

阪急六甲駅のすぐ南にある六甲八幡神社。

 

この境内の南側を回り込んで、少しずつ進路を北へと変えていきます。

 

このあたりからは造成や区画整理がされたのでしょう。

 

住宅街の中をジグザグと折れ曲がりながら進んでいきます。

 

 

護国神社の脇を通って北上すると、長峰坂という長い長い急坂が始まります。

 

山登りのために歩いているのに、山に入る前に、息が上がり、汗ばんできます。

 

周囲は住宅街で、坂の上の方には学校もあるのですが、こんな急坂の街に暮らしていたら自然と足腰が鍛えられそうですね。

 

 

長峰坂を登り切ったところが、杣谷道(徳川道)ハイキングコースの入口になります。

 

 

かつての徳川道は一旦廃道になりましたが、今はハイキングコースとして親しまれています。

 

ところどころにこのような道幅が広く緩やかな道があり、実際のところはよくわかりませんが、徳川道の名残なのかなと思わせます。

 

 

途中にあった徳川道の地図付きの案内板。

 

山を越えてこんなに迂回する必要があったのかというほど迂回しています。

 

徳川道を作るきっかけになったのは生麦事件だそうですが、この避け様に幕府の動揺っぷりが表れているような気がします。

 

 

杣谷道は先ほどのような広く緩やかなところもありますが、こんな急登もあります。

 

 

谷沿いなので眺望はよくはありませんが、振り返れば神戸の街がもうあんなに遠くに。

 

 

急登どころか、長い鉄製の階段まで登場しました。

 

もちろん、地形も変わるでしょうから、すべてが当時の道筋のままではなく、道が付け替えられたりはしていると思いますが、いずれにしても馬や駕籠が通るには厳しい道だったように思います。

 

 

そこそこ落差のある滝まであります。

 

 

滝の中をキセキレイが歩いていました。

 

 

ちょこちょこ歩いては水の中に嘴を突っ込み、水を飲んでいるのか餌を探しているのか...

 

 

杣谷峠に近づいてくると石段の道が増えてきます。

 

 

ムムム、なんじゃこりゃ。

 

 

ハイキングコースの入口から標高差約400mを1時間ちょっとで登り切り、杣谷峠に到着。

 

ここの標高は約600m。

 

けっこう登って来たとはいえ、確かにこのあたりの六甲山の稜線では最も低いところを越えて行くわけで、理にかなった迂回路です。

 

 

六甲全山縦走路を横切り、穂高湖へ。

 

 

誰もいません。

 

 

穂高湖畔で一休みしてから、西へ。

 

谷筋を緩やかに下って行きます。

 

 

途中にあった徳川道石積みの案内板。

 

 

徳川道の石積みがわずかに残っており、その上にかつて道が通っていた痕跡がうかがえます。

 

徳川道の確かな痕跡はここくらいなのでしょうか?

 

 

街道っぽい雰囲気の道もありましたが、これも当時からの道なのかどうか...

 

 

桜谷分岐で生田川沿いに出ると、歩きやすい道をさらにゆるゆると下り、

 

 

トゥエンティクロスに差し掛かるとすぐ森林植物園の東門に出ます。

 

徳川道はこの先、森林植物園の中を通り抜け、鈴蘭台の街中を通り抜け、白川台というところまでは地図に記されていますが、白川台に至るまでも、道が不明瞭だったり、造成などでなくなってしまったりしているところが多いようですので、私の徳川道散策はここまでとしました。

 

このあとは森林植物園でバードウォッチングを楽しんで帰ります。