南九州遠征4日目の10月22日。
晴れてくれたので、雨で日延べした韓国岳に朝から登ります。
7時前にえびの高原を出発。
硫黄山の火山活動の影響で、通行止めになっている車道の右側の歩道を行くと、
すぐに韓国岳への登山道と分かれており、そちらに進みます。
最初は松などの樹林帯の中を歩いて行きます。
狂い咲きしているミヤマキリシマ。
今年は例年より暖かいからでしょうか、とち狂っています。
30分ほど登ると、硫黄山を見下ろせる場所に出ました。
硫黄山は、その名のとおり、噴気から硫黄が採れる山で、明治から昭和にかけては実際に採取が行われていたそうです。
しかし、霧島山では最も新しい火山で、江戸時代に大きな噴火を起こしており、2018年4月にも小規模な噴火を起こしています。
今もけっこう噴気が上がっていますが、いつ大きな噴火を起こしてもおかしくなさそうですね。
三合目あたりまで来ると、灌木帯となり、ガレた道になってきました。
このあたり、けっこう黄葉してますね。
五合目を過ぎたところ。
目の前にある真っ赤に紅葉した木が印象的です。
少しガスが出てきました。
九合目まで来てもだいぶガスっているのですが、
あら不思議、山頂目前で晴れました。
目の前に見えるのは噴気を上げる新燃岳とその奥に高千穂峰。
振り返れば、大浪池。
日本百名山、韓国岳山頂(1,700m)に到着。
えびの高原から1時間20分のお手軽登山でした。
山頂は火口壁の縁にあり、覗き込むと大きな火口が見えます。
火口壁を見ると、けっこう紅葉しています。
火口壁はほぼ垂直の断崖絶壁で覗き込むのはけっこう怖いです。
韓国岳山頂からの景色で、今、最も登山者の視線を引きつけるのは新燃岳ですね。
シューシューと噴気を上げ、昨日まで噴火していて、まだ燻っているような強いエネルギーを感じ、その迫力に圧倒されます。
山頂で景色を眺めながらゆっくりと休憩していると、さらにガスが晴れ、火口にも日が差し込んできました。
火口壁の向こうには、前日に散策した白紫池と六観音御池もはっきりと見えてきました。
山頂で30分ほど休憩してから下山します。
帰りはピストンでは面白くないので、大浪池の方に下りることにしました。
大浪池の方に下る登山道は木道が付けられているところが多くなっています。
意外に段差が大きいので、登りはけっこう大変そうです。
上空はすっかり晴れましたが、けっこう霞んでいて遠くの眺望はもうひとつ。
大浪池の中央やや左上に桜島がうっすら見える程度でした。
韓国岳避難小屋まで下ると、大浪池への道は東回りと西回りに分かれます。
単純に距離のやや短い西回りコースを選択し、池の外周まで登ると目の前に大浪池が現れました。
深い青色が印象的です。
これも霧島山の火口の一つなんですね。
大浪池を周回する道にはリンドウがちらほらと咲いていました。
これはキリシマリンドウなのでしょうか?
そして、キリシマヒゴタイも一輪だけ発見。
ヒゴタイという名がついていますが、ヒゴタイではなく、トウヒレンの仲間なのだそうです。
飛び出した部分のくるりと丸まっているところが面白いですね。
なだらかな道を進んでは振り返り、進んでは振り返り、大浪池と韓国岳の眺めを楽しみながら歩いて行きます。
この辺が一番いい眺めですかねぇ。
このあたりは、紅葉の時期、きれいなんだそうですが、まだ先のようですね。
東回りと西回りの反対側の分岐点に到着。
ここからは大浪池のほぼ真後ろに韓国岳が望めます。
大浪池からは大浪池登山口に下ります。
大浪池から大浪池登山口まではこのようにきれいに石畳が敷かれており、とても歩きやすい道でした。
けっこう軽装の人とすれ違いましたが、先ほどの分岐点あたりまでは、登山というよりも散策コースのようですね。
韓国岳山頂から1時間35分で大浪池登山口に到着。
ちょっと早く着き過ぎましたが、ここからあらかじめ時刻表を調べておいた10時50分発の霧島連山周遊バスでえびの高原に戻りました。
全行程で4時間掛からない、思った以上のお手軽登山でした。
霧島山は新旧の大きな火口がたくさんあって、植生も豊かだし、魅力的な山ですね。
今回は高千穂峰をパスしてしまったので、今度は高千穂峰、できればミヤマキリシマの頃に再訪したいです。