南九州遠征3日目の10月21日は、九州の南海上を東進している台風の影響で怪しい空模様。
この日は高千穂峰と韓国岳のダブルヘッダーを計画していたのですが、早朝、高千穂峰の登山口である高千穂河原まで行ってみると、雨が降り出しました。
しばらく様子を見ていましたが、止む気配もなさそうだったので、高千穂峰登山はあきらめて引き返し、麓にある霧島神宮にお参りしました。
早朝の神社の静かな佇まい。とても好きです。
霧島神宮は、この国を治めるために高千穂の峰に降り立った天照大御神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を主祭神とする神社で、元々は高千穂峰とその火口である御鉢の間の脊門丘という場所に建てられていたそうですが、噴火のために炎上し、その後高千穂河原に移られるも再び噴火の災禍に見舞われ、現在の地に移られたそうです。
現在の社殿は1715年に造営されたもので、重要文化財に指定されています。
朱塗りで重厚かつ美しい配置です。
御神木の大杉。
樹齢800年くらいかなぁと思いつつ見てみると、当たってました。
境内の展望所からは桜島、錦江湾、桜島まで見えるそうですが、桜島すら見えません...残念。
この霧島神宮には、かつて坂本龍馬もおりょうを伴って参拝しています。
寺田屋事件の後、療養のために鹿児島を訪れた際に、おりょうとともに高千穂峰に登り、そのあと参拝したのだとか。
龍馬から乙女姉さん宛の手紙にも「きり島の社にまいりしが是は実大きなる杉の木があり、宮もものふり極とふとかりし。」と記されていますが、この時の手紙には高千穂峰登山の様子が絵図入りで実に細かく書かれています。
実際に登ってみて照らし合わせてみたかったのですが、それはまたの機会に。
坂本龍馬が当時療養していた温泉は、塩浸温泉です。
霧島神宮から20kmほど離れていましたが、山登りを止めて時間に余裕ができたので、ちょっと行ってみました。
ここには当時、数件の旅館が立ち並んでいたそうですが、今は旅館はなく、龍馬とおりょうの銅像、温泉、資料館がある塩浸温泉龍馬公園として整備されています。
資料館には、塩浸温泉の歴史と、日本最初の新婚旅行とも言われる龍馬の鹿児島滞在の詳細が紹介されていました。
龍馬は傷に効果があるというこの温泉に合計18泊して療養し、周辺を散策したり、ピストルで遊んだりしていたそうです。
塩浸温泉に寄った後は、これといって寄りたいところも思い浮かばなかったので、とりあえず、韓国岳の登山口となっているえびの高原へ。
着いた時はまだ雨が降っており、雨が止んで青空が広がり始めたのは15時を過ぎてからでした。
それまでの間、車の中でコーヒーを飲んだり、本を読んだり、えびのエコミュージアムセンターを見学したりして過ごし、韓国岳登山はあきらめました。
まあ、たまにはこういうのもいいですね。
このえびのエコミュージアムの展示はかなり充実したもので、霧島山のことをかなり詳しく知ることができました。
なかでも、新燃岳の噴火に関する展示は、最近のことなので、特に興味深かったです。
16時前、もう雨の心配はなさそうだし、まだ、日没まで少し時間もあったので、池めぐり自然探勝路を少しだけ散策してみました。
えびのエコミュージアムセンターの左側から池めぐり自然探勝路に入り、少し登ったところにある展望台から見た韓国岳とその左に硫黄山。
まだ少しガスが掛かっています。
こちらの自然探勝路はよく整備されており、とても歩きやすい道です。
雨後の道ではほとんど歩いている人はおらず、その代りにあちこちで鹿に出会いました。
このあたりにはかなりの数の鹿がいるようです。
30分弱歩くと白紫池に到着。
ガスっていてよく見えません。
さらに15分ほど歩くと六観音御池に到着。
池の背後に韓国岳が見え、紅葉の時期は特に美しいそうですが、この日は韓国岳は見えず、紅葉もまだ先のようです。
池のそばには、六観音堂がありました。
性空上人手彫りの六観音が収められていたそうですが、今は馬頭観音を祀る神社になっています。
周囲には六観音堂参拝のために植えられたという巨大な杉の木が何本かありました。
枝がすごいですね。
自然探勝路の周りには、アザミがちらほらと咲いていました。
これはキリシマアザミでしょうか?
この池めぐり自然探勝路は、六観音御池から先、不動池を回って戻れる周回コースになっていますが、現在は硫黄山の火山活動の影響で周回できなくなっているため、六観音御池から折り返します。
雨こそ止んだものの、まだまだガスに覆われた中の池めぐりでしたが、見上げれば青空がかなり広がっています。
帰り道もたくさんの鹿に出会いました。
えびのエコミュージアムまで戻った後は、近くにあるえびの高原荘で温泉に入り、早めに就寝。
明日は晴れるかな?