三ノ池道で紅葉を楽しんだ後、女人堂からあらためて山頂を目指します。
少し登って尾根に出ると八合目頂上。
ここにはひときわ大きな御嶽全山総霊神之碑があります。
周囲にはその他にも様々な碑や祠や像が並んでいました。
さらに登ると六根清浄の鐘。
下山時にはこのあたりで山伏の方々ともすれ違い、法螺貝の音色を聞きながら下りました。
御嶽山は、今なお修験の山、信仰の山なのですね。
尾根道から見る紅葉。
これでも十分にきれいですが、角度的に横から見る形になるため、三ノ池道からの紅葉に比べると見劣りします。
しばらく進むと徐々に登りがきつくなってきます。
石室山荘が見えてきました。
この先、道は一旦二股に分かれますが、石室山荘の方から登ります。
山荘の中を通って行きます。
ぼちぼち火口1km圏内に入るので、ここでちょっと腰掛けて帽子からヘルメットに換装。
昨年購入しておいたヘルメット。ようやく出番がきました。
これまでいくつかの火山に登ってきたものの、なかなかヘルメットを着用しなければという意識は芽生えませんでしたが、さすがに噴火の記憶の新しい御嶽山ではその意識も高まります。
この日の御嶽山では7~8割くらいの人がヘルメットを着用していました。
標高3,000mが間近に迫るこのあたり、1ヶ月前の富士山同様、体が重く苦しくなってきました。
やはり、寝不足でいきなり3,000m級の山に登ると、思うように体が動きませんね。
覚明堂。このあたりでようやく九合目。
この先、二ノ池分岐から上は、現在も基本的には入山規制が続けられていますが、今年は7月1日~10月16日の間、剣ヶ峰までの入山規制を解除しています。
二ノ池分岐で時刻はすでに13時前。
空腹に耐えかねて、黒沢十字路で昼食を食べた後、剣ヶ峰へ。
剣ヶ峰頂上石段下には、2014年9月27日の噴火災害の慰霊碑が建立されていました。
犠牲者58名、行方不明者5名。
心からご冥福をお祈りします。
同じような時期に同じようにここまで登って来られた方々に、思いを馳せると何ともいたたまれない気持ちになります。
考えれば考えるほど、泣きそうになってきます。
そばにはシェルターが3つ作られていました。
まずは最低限の対策をという感じですが、これからさらに対策が進められていくことと思います。
最後、石段を登れば、剣ヶ峰頂上にある御嶽神社奥社。
そして、御嶽山頂(3,067m)。
ロープウェイ山頂駅から標準コースタイム3時間20分のところを、寄り道、休憩込みで5時間20分。
正味でほぼコースタイムどおりといったところでしょうか。
午後になって雲も多くなり、遠くの眺望はもう一つでしたが、二ノ池方面の御嶽山頂域はよく見えました。
山頂部はかなり広大なんですね。
二ノ池は国内最高所にある池だそうで、淡いエメラルドグリーンがきれいです。
東側の灰色の部分は2014年の噴火後に流れ込んだ火山灰だそうで、年々池が小さくなってきているのだとか。
こちらは剣ヶ峰直下の一ノ池。
ここにも火山灰がかなり溜まっています。
一ノ池を縁取る斜面をアップにしてみると、いまだにかなりの火山灰が降り積っており、それが雨で流されて筋になっている様子がよくわかります。
剣ヶ峰までの登山道やその周囲では、ほぼ火山灰が洗い流されていましたが、これを見ると、まだ噴火からそれほど年月が経っていないのだということを実感します。
2014に噴火した場所は一ノ池の左側の奥の方、剣ヶ峰から約500mのところだそうですが、その周辺には今も活発な噴気孔があり、耳をすませば、シュ~ッという噴気の音が聞こえてきました。
王滝頂上方面。
こちらは登山道も施設もまだ復旧途上ですが、早く復旧するといいですね。
時刻は14時。
ロープウェイの最終に間に合わなくなるので、下山を開始します。
この日は二ノ池の先、賽の河原を越えて摩利支天山まで行ければいいなと思っていたのですが、諦めて二ノ池にだけ寄ることにしました。
池の縁、積もった火山灰の中を突っ切って行きます。
こちらが真新しい二ノ池山荘。
噴火後に噴石対策を施して建て替えられ、今年の7月1日に営業再開したそうです。
ここに宿泊して、御嶽山頂部をじっくりと周回するのもよさそうですね。
この後下山時には二ノ池山荘に宿泊する人たちと何回もすれ違いました。
下山途中。
まだ15時にもなっていませんが、東側の斜面なのでだいぶ陰ってきました。
紅葉も少しずつ輝きを失いつつありますが、こういう柔らかな光の加減も悪くはないですね。
女人堂手前、紅葉に囲まれた登山道を下り、樹林帯を抜け、
16時過ぎにロープウェイ山頂駅に無事下山。
好天を求めて、半ば強行軍で登った御嶽山ですが、狙い通りの天候に恵まれ、美しい紅葉も見れて、いい山行になりました。
また、噴火災害の現場を目の当たりにして、火山に登る際の心構えも少し改まったような気がします。
家から最も近い3,000m峰ですし、今度はまた違う季節に違う登山口から登ってみたいです。