令和元年の富士山登山シーズン終了直前の週末、駆け込みで富士山に登拝してきました。
と、その前に、まずは富士山に登る前日に富士宮を訪れ、静岡県富士山世界遺産センターで富士山のお勉強。
このところ、秋雨前線の影響で不安定な空模様が続いていましたが、この日は快晴。
富士山もきれいに見えています。
ここまでスッキリと晴れているとは思っていなかったので、ちょっと感激です。
静岡県富士山世界遺産センターの建物は富士山を逆さにしたような不思議な形。
富士ヒノキの木格子に包まれたこの逆円錐形の建物の手前には水が張られており、逆さ富士の逆さ富士が水鏡に映し出されて、優美なラインを生み出しています。
中に入ると、壁に映し出される富士山の麓から山頂までの映像を見ながら、逆円錐形の空間に螺旋状に付けられたスロープを登り、富士登山を体感できるという仕組みなっており、最上部は富士山を真正面に望むことができる展望ホールになっています。
雲をまとい、きれいに裾野を広げるその姿は一幅の名画のようです。
ここが喫茶室だったら、かなり長居してしまいそうです。
展望ホールで富士山の眺めを楽しんだ後は、富士山の自然、歴史、そして富士山に関わる文化、芸術、信仰などを紹介する展示を見ながら、スロープを下って行きます。
全体的に非常にわかりやすい展示で、世界遺産としての富士山の奥深い魅力を気軽に学習・体感できる、とてもいい施設だと思います。
山梨県側にも同様の施設があるようですが、富士山に登る前にこういう施設に立ち寄ると、富士登山がより深みのある体験になると思いますので、これから富士山に登る人には是非おすすめしたいです。
世界遺産センターを見学した後は、そのすぐそばにある富士山本宮浅間大社へ。
富士山本宮浅間大社は、全国にある浅間神社の総本宮で、富士山の噴火を鎮めるために浅間大神を山足の地に祀ったことを起源とし、坂上田村麻呂の時代にこの地に遷宮したと伝えられるそうです。
現在の本殿、拝殿、楼門は徳川家康が寄進したもので、家康は富士山の八合目から上も境内地として寄進したそうです。
富士宮口(表口)から富士山頂に登りつめたところにある富士山頂上浅間大社奥宮はこの本宮の奥宮ということになります。
境内奥には富士山の湧水が源となっている湧玉池があります。
かつて富士登拝を目指す人々は、本宮を参拝し、ここで禊ぎをして富士山に登ったそうです。
今は五合目から山頂を目指すのが普通ですが、そうするにしても、登る前にまずは浅間大社にお参りし、少しでもかつての富士登拝の習わしに触れると、引き締まった気持ちで富士登山に挑めるような気がします。
富士山本宮浅間大社にお参りした後は、虹屋ミミさんで富士宮名物の富士宮焼きそばをいただきました。
モチモチの麺の食感と、イワシの削り粉の風味がいいですね。
これで力をつけて、翌朝の富士登山に備えます。
(2)へつづく...