ニュウから中山峠まで、樹林帯の中を歩いているうちに、どうもガスが出てきていたよう。
中山峠からしばらく歩いて行くと視界が開けてきますが、目指す東天狗岳、西天狗岳は見えなくなっていました。
足元を見ると、岩の合間にトウヤクリンドウを発見。
初めて見ました。
トウヤクリンドウは漢字では投薬竜胆と書き、実際に胃薬になるそうです。
リンドウもきれいですが、この淡く緑がかった花弁がきれいですね。
このあたりから、岩場の急登が始まります。
足元を確かめながら慎重に登り、ふと仰ぎ見ると、東天狗岳と西天狗岳がきれいに見えてきました。
ただ、この位置からだと、まだ山頂は見えていません。
振り返って、中山からニュウにかけてを一望。
右端のちょこんと突き出た岩峰がニュウ。
左側のなだらかな稜線のてっぺんが中山。
ゆるやかな台地上の地形になっているのですね。
トウヤクリンドウの他にもいくつか花も見られました。
キオン。
イワツメクサ。
オンタデ。
ミヤマコゴメグサなど。
東天狗岳山頂手前の岩峰に取り付きます。
頂点の少し下を右に巻けば山頂は目前。
青空に向かって真っすぐ登って行くのが気持ちいいですね。
東天狗岳山頂に到着。
中山峠から1時間5分でした。
東天狗岳の先には硫黄岳、横岳、赤岳へと縦走路が続きます。
この先、夏沢峠というところが、北八ヶ岳と南八ヶ岳の境界とされているそうです。
そこから先は荒々しい岩の山ということですが、もうこのあたりからすでにそんな雰囲気になっています。
東天狗岳の山頂にもトウヤクリンドウが咲いていました。
日光を浴びるとさらにいい色になりますね。
東天狗岳から一旦下ってまた登って西天狗岳へ向かいます。
15分ほどで日本二百名山、天狗岳の最高点、西天狗岳(2646m)山頂に到着。
白駒池入口からニュウ経由でコースタイム5時間のところを、休憩込み、4時間15分でした。
朝の涼しい森の中を歩き、稜線に出れば心地よい風が吹き、ぬぐうほどの汗をかくこともなく、気持ちよく登れました。
頭上は晴れていますが、周りは雲が多く、遠くの眺望は得られず。
南八ヶ岳方面も雲がかかっていてよく見えません。
この3日間、同じパターンの繰り返しですが、盛夏の山というのはこういうものなんですね。
ニュウで景色を見ることができてよかったです。
15分ほど休憩して、再び東天狗岳を経由して下山します。
東天狗岳から下る稜線の途中、分岐を左に折れて、帰りは天狗の奥庭という所を通って黒百合平経由で下山します。
しばらく岩場の急な下りを下った先にある、岩がゴロゴロと転がるなだらかな台地のような場所が天狗の奥庭。
少しくぼんだ所にスリバチ池という池があるようですが、水があるのかないのか...
この地形は古い火山活動の痕跡なのでしょうか?
全開のトウヤクリンドウを発見。
このあたりの岩の合間合間にはトウヤクリンドウが特によく咲いていました。
この季節の天狗岳はトウヤクリンドウの山ですね。
この花、すっかり気に入ってしまいました。
天狗の奥庭から振り返る天狗岳。
けっこう下ってきました。
天狗の奥庭の末端まで行くと、また急な下り。
その下に見えるのは黒百合平と黒百合ヒュッテです。
西天狗岳から黒百合平までは1時間15分ほどでした。
森に囲まれ、小さな沢も流れ、気持ちのいい場所です。
テント場もあり、ここで一泊して八ヶ岳を縦走したり、ここをベースに天狗岳に登ったり、いろんなバリエーションで楽しめそうです。
小屋の周りにはヤマハハコがたくさん咲いていました。
この花が咲き出すと夏後半という感じがしますね。
黒百合ヒュッテで天狗岳のバッジを購入。
意外なことにニュウのバッチもありました。
すごくいい山でしたので、こちらも記念に買いました。
(3)へつづく...