お盆初日の8月13日、ずっと気になっていた八ヶ岳を歩いてきました。
八ヶ岳というと、八ヶ岳の最高峰で日本百名山の赤岳を目指すのが普通なのかもしれませんが、それよりも私が気になっていたのは北八ヶ岳です。
前日、美ヶ原から霧ヶ峰を散策し、白樺湖、蓼科高原を経由して夜のうちにメルヘン街道沿いにある白駒池入口の駐車場へ。
翌朝、5時40分頃に白駒池入口から入山。
ここから白駒池-ニュウ-中山峠-東天狗岳-西天狗岳-東天狗岳-天狗の奥庭-黒百合平-中山峠-中山-高見石-白駒池と歩く計画です。
全長約12km、コースタイムは約9時間。
ですが、もう少し早く歩けるはず。
北八ヶ岳の魅力は深い森と苔。
白駒池入口から森へ入ると、すぐにそんな世界が広がります。
苔の海に、コメツガを主体とした木々が林立する中を歩いて行くこの気持ちよさ。
まだ薄暗いので写真はほどほどに、まずはこの雰囲気だけを存分に味わい、先に進みます。
苔の森を味わいながら、ゆっくり歩いて10分強で白駒池に到着。
朝日に輝く白駒池。
別の角度から。
湖畔の朝という感じですね。清々しい。
湖畔には白駒荘という山荘があります。
チラ見すると朝食の準備がされていました。
固形燃料のコンロに陶板か小鍋か何かが載せられていて、山小屋というより旅館の朝食のような。
なんかよさげですね。
白駒荘からは高見石への道とニュウへの道(兼白駒池の遊歩道)が分岐しています。
ニュウって「乳」なの?
少し進むと、遊歩道から右に分岐し、森の中へと入っていきます。
白駒池からしばらくは、苔の森をゆるゆると登っていきます。
途中、小さな湿原もありました。花は特に咲いていないようですが。
白駒池入口から白駒池までの間の森には、「白駒の森」と名付けられていましたが、このあたりは「にゅうの森」。
普通の観光客がほとんど入ってこないであろうせいか、より原始的な森の姿を見せてくれているような気がします。
立ち止まると、なんだか自分が森の中に取り込まれているような、一体化しているような感覚が生まれてきます。
しばらく進むと稲子湯方面との分岐点に差し掛かります。
「ニュウ・中山」ではなく、「ニュー中山」って...
これは遊び心なのか間違いなのか? 遊び心だと思いたい!
このあたりから急登が始まります。
100mくらい登って、少し緩んで、また50mほど登る。
最後、岩場を少し登って、7時15分頃にニュウ(2352m)に到着。
特に山頂の標柱は見当たらず、三角点があるのみのピークですが、眺望が素晴らしい。
まず、これから向かう方向、正面に見えるのは目標の山、東天狗岳(左)と西天狗岳(右)。
その左に見える断崖は硫黄岳の爆裂火口壁でしょうか。
そして圧巻なのは来た方向の景色。
中央に見える池が、出発地の白駒池ですが、その周りの森の広大なこと。
奥に見える山は北八ヶ岳の北側の山々。
そのさらに奥には蓼科山も少し頭を出しています。
少し左に目を向けると、北アルプス、槍・穂高がきれいに見えています。
手前の山は丸山。
その右下に見える岩塊は高見石です。
逆に右に目を向けると、頚城山塊が見えています。
右から妙高山、火打山、焼山、雨飾山。
さらにずっと右に行くと、浅間山や四阿山など。
一番右の浅間山はつい先日噴火があったばかりですが、噴煙らしきものは見えず。
1年前に噴火警戒レベルが1に下がってから、行けるうちに行きたいと思っていた山で、まさにこのお盆休みに行こうと思っていた所だったのですが...
そしてさらに右には、土地勘がないのでよくわかりませんが、奥秩父の山々でしょうか。
ニュウで素晴らしい眺望を15分ほど堪能して、東天狗岳、西天狗岳に向かいます。
少し進んで振り返るニュウ。
左側から登ったので実感ありませんでしたが、こんなに切れ落ちた断崖だったんですね。
ニュウから中山峠を越え、東天狗岳までは、この断崖がずっと続いており、ほぼそれに沿って歩くことになります。
といっても、ニュウからしばらくは断崖の際を歩くところはほとんどなく、それより少し奥の苔の森を歩いて行きます。
だいぶ森の中が明るくなってきたので、苔のアップの写真も。
にょきにょきと伸びる胞子体も面白いですよね。
倒木に生えるキノコ。
このあたりはシラビソを主体とした森。
鼻腔から大きく息を吸い込むと、木から発散されるフィトンチッドのスーッとしたいい香りがします。
高見石からの道と合流し、ニュウから55分ほどで中山峠に到着。
ここから東天狗岳への登りになります。
(2)へつづく...