8月11日に甲斐駒ヶ岳に登った後、その日のうちに美ヶ原へと車を走らせました。
諏訪市内から霧ヶ峰へと上がる頃には日もすっかり暮れ、真っ暗で霧も立ち込める中、道路を横断する鹿にも二度遭遇し、運転にはかなり神経を使いましたが、20時過ぎに何とか美ヶ原の道の駅に到着。
道の駅の駐車場には、夜にもかかわらず、かなり多くの車が駐車していました。
暗くて全貌はよくわかりませんでしたが、200台くらいはいたのではないでしょうか。
標高約2000mの高地にある道の駅で、この酷暑の中でも快適に車中泊できるとはいえ、想像以上の車の台数に驚きました。
翌8月12日の朝、ご来光でも見れればと、夜明け前に起きると、あたりは霧。
車中泊していた人たちもご来光を期待していたと思われ、多くの人が車外に出ていましたが、こればかりは仕方ないですね。
私もこの場からのご来光はあきらめ、早速、美ヶ原散策に出掛けました。
この道の駅から美ヶ原ハイキング道を歩き、すぐそばにある牛伏山から王ヶ頭を経て、王ヶ鼻まで。
歩くだけなら往復3時間ほどのお手軽ハイキングです。
牛伏山に登る途中、振り返ると霧の中に昇ってくる太陽が。
こういうご来光も幻想的でいいですね。
歩き始めて10分で牛伏山(1990m)に到着。
霧で景色も見えませんので、近くにあったベンチに座り、コーヒーを淹れ、しばし朝食タイム。
朝露に濡れる静かな高原の真っ只中で、味わうコーヒーは格別ですね。
キャンプしてないのにキャンプ場の朝の気分が味わえました。
しかし、20分ほど経っても霧は晴れず。
ここからの景色はあきらめて、とりあえず先を目指します。
すると、少しずつ霧が晴れ始め、目の前に美ヶ原の幻想的な風景が現れました。
右奥に見えるのが、美ヶ原の最高地点、王ヶ頭です。
みるみる霧が晴れていきます。
これは王ヶ頭からの眺望も期待できそうですね。
この景色の中を王ヶ頭に向けて歩いて行きます。
途中にある美しの塔。
美ヶ原のシンボルで、尾崎喜八の「美ヶ原溶岩台地」の詩が刻まれたプレートが埋め込まれています。
さすがは山と自然を愛した詩人。こうも美しい美ヶ原賛歌を読まされると、もう何も言えなくなります。
美ヶ原の牛伏山から王ヶ頭までは牧草地になっています。
早朝から草を食む牛さんたち。
牧場の朝の風景です。
牧草地ですが、高山植物もたくさん咲いています。
エゾカワラナデシコ。
ツリガネニンジン。
中でも特に多かったのはこのマツムシソウと、
ハクサンフウロ。
我々人間にとっては見て楽しむ高山植物も、牛さんたちにとってはただの食料。
ハクサンフウロも普通に食べています。
その様子をじっと見ていると、「なんか文句あっか?」と睨まれてしまいました。
ノコギリソウ。
ノアザミと蝶。
ウスユキソウ。
のんびり歩いて王ヶ頭に到着。
途中、度々ガスに覆われていましたが、このタイミングでまた晴れてきました。
左に見えるのは王ヶ頭ホテル。一帯に立ち並ぶのは電波塔群です。
日本百名山、美ヶ原の最高地点(最高峰?)、王ヶ頭(2034m)。
ピーク感はありませんが、ここは最高のアルプス展望台になっています。
南東方向を見ると、雲海の上に八ヶ岳。
その右側にちょこんと頭を出しているのは富士山です。
南には南アルプス。
この角度から見ると、左から甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳ですかね。
南西方向には中央アルプス、空木岳、木曽駒ヶ岳など。
そして、間に御嶽山、乗鞍岳を挟んで、西には穂高岳、槍ヶ岳。
雲海の上ではありますが、周囲の名峰が一望できました。
槍、穂高の下に見える電波塔のあるところが王ヶ鼻。
さらにあそこまで歩きます。
(2)へつづく...