盛夏の甲斐駒ヶ岳散策 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

お盆休み、お盆後半に台風が来るというので、その前に信州に遠征してきました。

 

7月末は北アルプス方面へ行ったので、今回はその他へ。

 

ということで、8月11日。

 

まずは、3年前に仙丈ヶ岳に登った時と同じアプローチで北沢峠から南アルプスの甲斐駒ヶ岳に登ることにしました。

 

奇しくもこの日は「山の日」。

 

実際に山に登る人はそれほど意識はしていないとは思いますが、3連休で、それにお盆が続くとあり、早朝からものすごい人出。

 

南アルプス林道バスの発着場所である仙流荘に4時50分に着くと、既にバス停前には長蛇の列。

 

案の定、5時30分定刻の朝一番のバスには乗れず、朝一番のバスが北沢峠まで行って帰ってくるまで待つことに。

 

 

そのため、若干出遅れましたが、それでも7時30分には北沢峠から甲斐駒ヶ岳に向けて出発できました。

 

北沢峠から仙流荘への最終バスは16時。

 

当初は7時入山、15時下山で考えていましたが、まあ大丈夫でしょう。

 

 

最初はシラビソなどの樹林帯をジグザグと登って行きます。

 

 

標高差500m以上登り、標高2600mあたりまで来ると、高い木がなくなり、正面に甲斐駒ヶ岳の山頂が見えてきました。

 

 

この日はいい天気で、振り返れば、仙丈ヶ岳がきれいに見えています。

 

 

南を見れば、左手前にアサヨ峰、中央やや右にちょっと雲がかかった北岳、その右奥に間ノ岳、そしてさらに右奥は塩見岳でしょうか。

 

 

そこからほどなく最初のピーク、双児山に到着。

 

 

甲斐駒ヶ岳もきれいに見えています。

 

手前のピークは駒津峰。

 

双児山からは、一旦、数十m下って、駒津峰まで百数十m登り返します。

 

 

駒津峰への登りはガレ場でちょっと登りづらい道です。

 

 

振り返ると仙丈ヶ岳、その手前に双児山。

 

 

少し右に目を向けると、中央アルプスから北アルプスの山々が雲海の上に姿を見せています。

 

槍、穂高もきれいに見えています。

 

これは山頂からの眺めが楽しみです。

 

 

駒津峰に到着。

 

山頂はもう目の前のようにも見えますが、まだ六合目。

 

また数十m下って、三百m近く登り返します。

 

 

駒津峰で小休止している間に右手からガスが上がってきて、山頂があっという間に隠れてしまいました。

 

さっきから晴れていながらも雲が多かったのが少し気がかりだったのですが、この雲、取れてくれるでしょうか?

 

 

駒津峠からはやや痩せた岩尾根を通過し、下ります。

 

ここまであまり花を見かけませんでしたが、このあたりにはシャクナゲが咲き残っていました。

 

 

このあたりから、足元の岩質が急に表面がざらざらとした花崗岩に変わります。

 

駒津峰と甲斐駒ヶ岳の間の鞍部まで下ると、巨大な岩、六方石がありますが、これも花崗岩です。

 

後で調べると、駒津峰を越えたあたりが、近隣の北岳や仙丈ヶ岳と同じ砂岩や泥岩などの堆積岩の層と、甲斐駒ヶ岳独特の山容を生み出している花崗岩の層の境界になっているそうです。

 

花崗岩の層に接している堆積岩の層は花崗岩の基となるマグマの熱に焼かれたホルンフェルスと呼ばれる変成岩で、もっと離れた場所にある同じ岩石よりも赤味がかった色をしています。

 

さきほどの駒津峰への登りのガレ場の石の色も赤味がかっていましたが、そういうことなんですね。

 

こうした岩質や地層、そしてその変化を見ることも、山登りの一つの面白さです。

 

 

六方石あたりから見る甲斐駒ヶ岳山頂。

 

お、また晴れてきましたか?

 

この先、山頂へは岩稜直登コースと巻道に分かれます。

 

写真左下から右斜め上に伸びる登山道が真上に折れ曲がるところが分岐点。

 

岩稜直登コースは、文字通り、岩をよじ登りながらほとんど真っすぐに山頂を目指します。

 

巻道は分岐点から斜面をトラバースして、山頂から右側に伸びる稜線に出ます。

 

 

ここがその分岐点。

 

先行した経験者の話から、それほど危険でもなさそうだったので、登りに直登、下りに巻道を通ることにします。

 

 

直登コースは、出だしが大きくよじ登るような感じではあったものの、そのあとはそれほどでもなく、そこそこ急ではありますが、着実に山頂に近づいていきます。

 

山頂に近づくと、花崗岩の色も赤味がなくなり、白く明るくなります。

 

ただ、花崗岩が風化してマサ化が進んでおり、足元がズルズルとよく滑ります。

 

 

相変わらず花は少ないですが、このあたりにはタカネツメクサやイワツメクサがちらほらと咲いていました。

 

 

日本百名山、甲斐駒ヶ岳(2967m)の山頂に到着。

 

北沢峠から休憩込みで4時間10分ほどでした。

 

ただ、楽しみにしていた眺望は...周囲が雲だらけで何も見えず。

 

その割には暑く、岩の上に腰を下ろすと、太陽の光で熱を帯びた岩と、時折差し込んでくる強い日差しで、両面焼きにあっているようで、長居もできませんでした。

 

 

なんだか、大した満足感も得られず、12時過ぎに下山開始。

 

巻道を下りますが、これがまた激しくマサ化しており、滑る滑る。

 

小股で慎重に下ります。

 

 

摩利支天分岐。

 

この靴はなに?

 

またガスが濃くなってきたので、摩利支天はパスして下ります。

 

 

振り返って見る甲斐駒ヶ岳山頂。

 

ハイマツなどの植物もほとんど入り込んでおらず、ほんと、ほぼ真っ白。

 

だから、遠くから見ても雪が積もったように見えるんですね。

 

このあともずっと雲に取り囲まれ、眺望は得られず。

 

当初は、駒津峰から仙水峠を経て北沢峠へと下る別ルートを考えていましたが、登りと同様、双児山経由で下山しました。

 

下山時刻は15時10分頃。

 

バスには余裕で間に合いました。

 

 

この日は、眺望が序盤だけ、花も少なく、双児山、駒津峰の2つのピーク越えと岩石やマサにも苦戦し、とても疲れました。

 

(ちょっと思うところあってストックなしで登ってみたのも失敗だったかもしれません。)

 

岩質の変化などに面白みはありましたが、この山容なら、もう少し眺望がほしかったですね。

 

 

まあ、何はともあれ、これで南アルプスで無理なく日帰り可能な仙丈ヶ岳とこの甲斐駒ヶ岳は登頂できました。

 

残る南アルプスの百名山は通常は1泊以上が必要な山ばかり。

 

北岳~間ノ岳、鳳凰三山あたりは登ってみたいですが、果たしていつになることやら。