燕岳山頂からの帰り道も花を見ながら。
チシマギキョウ。
コケモモ。
ハクサンフウロ。
クルマユリ。
ハクサンイチゲ。
テガタチドリ。
八方尾根ほど花の種類は多くはなかったですが、この他にもたくさんの花が咲いていました。
燕山荘から燕岳山頂への往復は、ほとんどの人が燕山荘に荷物を置いて、サブザック、あるいはサコッシュで出掛けていました。
私もこのためというわけでもないですが、少し前に山と道のサコッシュを買っていたので、今回活用してみました。
ものすごくシンプルなデザインで、マジックテープで上部中央を軽く留められるだけで上蓋やチャックもなく、物もあまり入らななさそうに見えますが、マチがあるので、500ml程度までのボトルやデジカメくらいなら無理なく入りますし、さっと取り出せてさっとしまえるので、使い勝手がよく、1~2時間程度の散策であれば十分じゃないかと思いました。
前々日には美術館を見学する時にも使いましたが、山に限らず、街中でもとても使い勝手がよかったです。
しかし、昼前に山荘に着いてしまうと、午後が暇ですね。
山頂を往復した後は、一旦部屋に戻ってしばらくゴロゴロし、そのあと、テラスでケーキセットをいただいて一服。
山でケーキを食べるならやっぱりモンブランですよね。
それから充実のグッズラインナップを誇る売店を物色。
定番の「燕」のバックプリントのTシャツを買ってしまいました。
普通の綿のTシャツならやめとこうと思っていたのですが、ちゃんと山仕様の速乾素材のTシャツでしたので、使えそうです。
買ってすぐに着ている人も多かったです。
そして、燕山荘の周りもぐるっと散策。
燕山荘の西側の砂地にもコマクサがたくさん咲いていました。
こちらは全体的に花の状態がよく、とてもきれいな株を見つけました。
コマクサとタカネツメクサのせめぎ合い。
こういうのも珍しいですね。
そして、珍しいといえば、こちらにはシロバナのコマクサもありました。
これもまだ花の状態がよく、白が際立ってとてもきれいでした。
コマクサに包まれて寝るゴリラ。
燕岳周辺のコマクサは、砂地が踏み荒らされるなどして、一時期激減していたそうですが、登山道の両脇にロープを張るなどして砂地を保護したことで、ここまで回復したそうです。
夕食時の燕山荘のオーナーのお話では、このコマクサ、花を咲かせるまでに十何年もかかるそうです。
それだけの長い年月、大切に見守り続けてきてくれたおかげで、いま私たちがこうして花を楽しめているんですね。
雷鳥も然り。
しかし、ちょっと表銀座縦走コースの方も歩いて双眼鏡で探してみましたが、今回も雷鳥さんは現れてくれませんでした。
散歩したり、部屋でゴロゴロしたり、ゆったりと過ごして午後5時、ようやく夕食の時間です。
チーズ入りのハンバーグに煮魚、野菜に海藻、お味噌汁にデザートまで。あと煮物もありました。
オーナーのためになる山の話を聞きながら、美味しくいただきました。
翌朝は早くから身支度を始める人の動きで夜明け前に自然と目が覚め、ご来光見物に。
風があって少し肌寒く、薄手のダウンを着てちょうどよい気温。
うっすらと明るくなってきている東の空には細い細い月が。
この日は上空は晴れていましたが、東の空には雲があり、その上から少し遅れてはっきりとしない日の出。
山ももう一つ赤く染まらず、ちょっと残念でしたが、朝飯前にもう一度山頂まで朝のお散歩。
前日とは違う方向からアプローチ。
山頂からの眺めは前日よりもかなりよく、北燕岳もはっきりと見えました。
少し左を向くと裏銀座縦走コースの山々が連なっています。
この写真の中央の山は野口五郎岳のようです。
ただ、そのさらに左にある鷲羽岳や水晶岳は山頂部に雲がかかっていてはっきりとは見えませんでした。
南を向くと、燕山荘から表銀座縦走コースとその先に大天井岳。
そこから左の稜線をたどると常念岳も見えています。
大天井岳から槍を目指すもよし、常念を目指すもよし。
どっちもいつか歩いてみたいこコースです。
朝日に照らされる燕山荘。
稜線上に棟を連ねかなりの規模です。
あ、のんびりしていると最後の朝食の時間に間に合わないかも。
なんとか間に合った朝食。
夕食もそうでしたが、山の上という制約がありながらも、エネルギーだけでなく、ビタミンやミネラルも摂れるようバランスを考えてくれているのがありがたいですね。
6時過ぎに朝食を済ませて部屋に戻ると、同部屋の方々も含め、ほとんどの方が既に出発されていました。
山の朝は早いですね。
私も下山するだけではありますが、すぐに片づけと準備をして6時半頃には山荘を出ました。
下山する前に槍ヶ岳を鑑賞。
誰しもが思うことだと思いますが、やっぱり、北アルプスに来たら、槍を拝んでおかないと。
槍は崇拝の対象ですね。
しかし、しばらく見ていましたが、うっすらとかかった雲が消えそうでなかなか消えず、これが精一杯。
最後に朝日に輝く燕岳を見て、7時に下山開始。
横から日が当たると、陰影が立体感を生み出してくれて迫力が増しますね。
燕岳は日本二百名山ですが、個人的にはこの独特な山容と、燕山荘、表銀座縦走コース、地元伝統の学校登山など、登山文化という点でも、百名山に値する素晴らしい山だと思います。
また訪れたいです。
下山途中、槍を望める最後の場所から槍にズームイン。
小槍も見えましたが、やっぱり、すべては見えず。半槍ですね。
まあ、こういう姿も味があるということで。
燕山荘から2時間半で下山。
燕山荘で有明荘の日帰り入浴の割引券をいただきましたので、一旦車に戻ってから、有明荘に寄り、温泉で汗を流させていただきました。
この有明荘もなかなかよさそうなお宿。
燕岳登山の前に前泊するのもよさそうです。
温泉に浸かっていると、10分おきくらいに有明荘裏のヘリポートにヘリが飛来。
ここから燕山荘まで食材などを荷揚げしているのですね。
あの山の上で百人、二百人という我々登山者に、きちんとした食事を提供していただき、ケーキセットや生ビールもいただけて、何の不自由も不安もなく過ごさせていただけるのは、ヘリの支えがあってこそ。
ありがとうございます。
ヘリが飛べないときは歩荷することもあるそうなので、さらに感謝です。
温泉の後は、穂高まで下りて、おそばをいただき、
大王わさび農場で本わさびソフトをいただき、生わさびなどを買って、帰路につきました。
今回は、北アルプス入門編の山、唐松岳と燕岳の二座を登りましたが、これくらいのレベルで十分と思いつつも、登ってみると、表銀座を歩いてみたいなとか、欲が出てきますね。
次は白馬岳あたりかな。