日本二百名山の一つ、大峰山脈の釈迦ヶ岳に登ってきました。
国道168号線から、もみじ街道に入り、長い長いアプローチを経て、6時15分頃に太尾登山口に到着。
登山口には十数台ほどが停められる駐車場がありますが、辛うじて停めることができました。
少し下ったところにもいくつか駐車できるスペースがあり、路肩にも停められるくらいの余裕はありますが、できればちゃんとしたところに停めたいので、ラッキーでした。
6時45分に登山開始。
釈迦ヶ岳山頂には釈迦如来像がありますが、石組みの台座の一部が崩れ、修復が必要とのこと。
その資材となる砂・バラスの荷上げに微力ながら協力させていただきます。
出だしは緩急織り交ぜた木の根道の登り。
新緑が眩しいです。
このあたりにはシャクナゲがちらほらと咲いていました。
そしてシロヤシオも。
でも、あまり花の付きはよくないよう。
去年、鈴鹿で狂ったように咲いていたシロヤシオと比べるとかなり花数が少ないです。
普通は歩いていれば、自然に目に入ってくるシロヤシオですが、注意していないと見落とすくらいです。
山域こそ異なりますが、今年はひょっとしたら裏年なのでしょうか?
花は少なかったですが、足元を見るとあちこちでシロヤシオの赤ちゃんが、かわいい葉っぱを広げていました。
少し登ると、バイケイソウの大群落がありました。
バイケイソウは、葉はよく見るんですが、花は盛夏に咲くのでなかなか見る機会がありません。
これらが一斉に咲くときれいなんでしょうね。
1465m地点の標識。
矢印の方向に釈迦ヶ岳の頭がちらっと見えています。
ハウチワカエデの新緑と花。
足元にも葉が落ちていましたが、その名のとおり、天狗のうちわのよう。
秋は紅葉もきれいでしょうね。
笹原の稜線に出ると、釈迦ヶ岳と、右手に大日岳が見えてきました。
このあたり、釈迦ヶ岳を見ながら、気持ちのいい稜線歩きが楽しめます。
同じ笹原でも今月初めに歩いてきた四国の笹原とは趣が違いますね。
野鳥も活発に動いていました。
こちらはアカゲラ。
こちらはゴジュウカラ。
この日は他にもコサメビタキ、ウグイス、ミソサザイ、ツツドリなどの姿を見たり、声を聞いたりしました。
再びバイケイソウの群落。もう群落というよりも畑のような。
千丈平と呼ばれるこのあたりには、背の高い木もあり、適度な木陰が作られていて、とても心地のいい空間になっています。
ここにはテント場もありましたが、とても気持ちよさそうでした。
近くにはかくし水と呼ばれる水場もあって安心です。
かくし水のそばには、ワチガイソウがかわいい花を咲かせていました。
近くにはフモトスミレも。
かくし水から、少し急登を登って、お釈迦様が待つ釈迦ヶ岳山頂(1799m)に到着。
登山口から1時間50分の道程でした。
それにしても立派なお釈迦様です。
こんな立派なお釈迦様をどうやってここまで運び上げてきたのか。
なんと、大峯開山以来の剛力、岡田雅行氏(オニ雅)が大正13年の夏に一人で担ぎ上げたと言われているそうです。
1300m地点まで車で上がれる現代と違って、もっともっと低いところから、難路、悪路を乗り越えてかなりの標高差を登ってこなければならなかったわけで、その苦労は計り知れないものがあります。
そんな釈迦如来像の台座の修復に協力しようと、砂とバラスを一袋ずつたった500m運び上げてきた私...
もっと、たくさん持って上がればよかった...
この日は快晴。
山頂からの景色も最高でした。
北側には大峰山脈の最高峰、八経ヶ岳が近くにはっきりと見え、錫杖を挟んで左側の奥の方には、うっすらと金剛山と葛城山も。
釈迦ヶ岳から北へと延びる稜線。
(右奥に見えるのは台高山脈)
この稜線に沿って、八経ヶ岳を経て弥山、そしてその先へと大峯奥駈道が続きます。
ここから大峯奥駈道を少しだけ北へ進んでみます。
釈迦ヶ岳から先はちょっとした難路。
好天で風も穏やかな天候であれば、注意して歩けば問題ないですが、馬の背と呼ばれる細い稜線などは、ちょっと緊張します。
これはオオカメノキ?
足元にはヒメイチゲも咲いていました。
途中の小ピーク、空鉢岳から顧みる釈迦ヶ岳。
こちら側から見ると、ピラミダルで美しい姿です。
この稜線、北西側は深く切れ落ちており、奇岩が立ち並び、修験道の厳しさがビシビシと伝わってきます。
さらに進んむと椽(えん)の鼻と呼ばれる場所に蔵王権現様。
小像ですがこれもオニ雅さんが運び上げた像なのだそうです。
その近くの岩間には役行者の小像もありました。
さて、今回の山行予定はここまで。
何故ここまで来たかというと、蔵王権現様を拝んでおきたいということもありましたが、真の目的は...
(2)へつづく...