笹ヶ峰で早めの昼食を摂り、十分に景色を堪能した後、伊予富士に向けて折り返します。
寒風山は近いですが、伊予富士はだいぶ遠く見えます。
こういう見通しのいい稜線歩きは、暑くも寒くもなく、体力的にも元気な時には、確実に前進している感覚が得られて心地いいです。
ただ、本日2回目の寒風山のハードなアップダウンでは、少し疲弊しました。
稜線上にはシャクナゲがありました。
蕾もありますが、このあたりなら見頃は5月下旬から6月初旬くらいですかねぇ?
時々、野鳥も目にします。
お、ヒガラ? コガラ? とカメラを向けると、なんだ、シジュウカラか...
平地でも見る、見慣れた鳥だと、ちょっとがっかりします。
笹ヶ峰から1時間10分。
本日2度目の寒風山。
すっかり晴れて、いい眺めです。
振り返って笹ヶ峰。
その名のとおり、笹で覆われた山頂部の柔らかな山容がとても素敵です。
寒風山からは一旦桑瀬峠まで下って、伊予富士へと登り返します。
右奥の山塊が伊予富士。
まだまだ長い道のりが残っています。
寒風山からの下り。
行きはガスで見通しが効きませんでしたが、行きに見た木以外にも開花しているアケボノツツジが見られました。
もうあと1~2週間すると、稜線もアケボノツツジに彩られるのでしょうね。
寒風山から40分で、桑瀬峠まで下りてきました。
左斜め上に上がる道が伊予富士へ続く縦走路です。
稜線上には7分くらい咲いたアケボノツツジもありました。
これくらい咲くと、ほわほわ感が出ていいですねぇ。
これでこそアケボノツツジです。
少し下の山肌によく咲いています。
やはり、今はあれくらいの標高が見頃なんですね。
ズームしてみると、うん、きれいに咲いています。
伊予富士への縦走路も、大半は笹原。
この日は長丁場だったので、ストックを持ってきましたが、笹原ではストックを突くスペースがなくて持て余し、片手に束ねて持って、突かずに歩くことが多かったです。
いくつかアップダウンを繰り返し、ようやく伊予富士が目の前に見えてきました。
目の前に見えている鞍部から急登を150mちょっとくらいですかね、登れば山頂です。
伊予”富士”という名前を聞くと、伊予を代表する富士山型の独立峰をイメージしてしまいますが、ここからはとてもそういう風には見えません。
山頂部だけ切り取ってみると、富士山っぽくも見えるかなというところですが、他に富士らしく見える角度があるのでしょうか?
伊予富士(1756m)に到着。
伊予富士への最後の急登はさすがにきつかったです。
足元が緩いせいで、必要以上に力が入っていたのか、徐々に疲労がたまっていき、ペースも落ち、桑瀬峠から伊予富士までは標準コースタイム通りの1時間20分でした。
本日歩いてきて来た道を振り返ります。
左手前に寒風山。
こうしてみると、伊予富士より、寒風山の方が富士っぽいですね。
寒風山の向こう、雲の影に入っているのが、笹ヶ峰。
T字縦走なので、この伊予富士と笹ヶ峰を1往復することになるのですが、距離的には13.5kmと大したことはないのですよね。
反対側には、瓶ヶ森へと続く稜線と石鎚山が見えます。
この稜線のすぐ下を走る道路は瓶ヶ森林道(通称:UFO(雄峰)ライン)です。
この道はドライブやツーリングのコースとしても人気なんですが、ここ伊予富士から瓶ヶ森にかけては特に道が近く、バイクの音が山頂にまで届いてくるのが少し興ざめ。
ただ、この道があるおかげで、笹ヶ峰や伊予富士、そして瓶ヶ森などにこうして気軽に登れるわけでもあり、そこは受け入れないといけないのかもしれませんね。
伊予富士でコーヒーを淹れて少しゆっくりしてから下山。
お、ウグイス。
普段は茂みの中などに隠れていることが多く、なかなかじっくりと観られないウグイスですが、盛んにさえずるこの時期にはこうして見通しのいい枝先にしばらく止まっていることも。
こういう時でも、人が近づくと「ケッキョ!ケッキョ!ケッキョ!」と警戒の声(谷渡り)を出して、去って行ってしまうことが多いのですが、運よく、何度か「ホーホケキョ!」とさえずる様子を観察することができました。
伊予富士から桑瀬峠への稜線にはショウジョウバカマがたくさん咲いていました。
こちらは小さなスミレ。ツボスミレでしょうか?
桑瀬峠からの下りには、タチツボスミレに混じって、これはシハイスミレでしょうか?
行きにアケボノツツジを見つけたあたり。
手前の木々が邪魔でよく見えなかったのですが、木々の間をズームしてみると、手前に新緑の若々しい緑を添え、スポットライトを浴びた満開のアケボノツツジを望むことができました。
春はアケボノ...やっぱりいいですねぇ、アケボノツツジ。
伊予富士からは1時間20分ほどで下山。
休憩込みで山と高原地図の標準コースタイムどおり、合計8時間45分の山行でした。
今年も、昨年、一昨年に続き、二百名山と三百名山の一日二座(寒風山を含めれば一日三座)を無事に遂行できました。
今回は、一日二座の充実感とともに、石鎚山系縦走の雰囲気を味わえたのもよかったです。
この縦走路では、大きなザックを担ぎ、本気の縦走をしている人たちにも出会いました。
基本日帰り、せいぜい一泊二日の今の私には、難しいことですが、本当の縦走の醍醐味を味わうならそうすべきなんでしょうね。
ただ、アルプスの縦走なんかに比べれば敷居は低いと思いますので、そのうちチャレンジできる...かな?