令和元年、最初の日。
3年に一度開かれる瀬戸内国際芸術祭に、またまたやってきてしまいました。
前回、2016年には春、夏、秋と6日間で、6つの島を巡り、89の作品を観ましたが、まだ訪れていない島々や観ていない作品も多数ありますので、今年も3シーズンパスポートとガイドブックを購入し、そうした島々を中心に回ってみます。
階層・地層・層 ターニャ・プレミンガー
まず、春会期は、春会期のみの開催となっている沙弥島のみを巡ります。
沙弥島は、島と言っても、現在は瀬戸大橋のたもとの埋め立て地と地続きになっています。
瀬戸大橋を背景にしたこちらの作品は、香川でよく採れる花崗土を盛った小高い丘。
ぐるぐると歩いて登ることもできます。
そらあみ 五十嵐靖晃
瀬戸大橋でつながる5つの島で、漁網を編むワークショップを開催して制作した作品。
この日は雨上がりの曇天で、イマイチな見栄え。
本来は、瀬戸内の明るい空と海の色が、作品を引き立ててくれるはずなのですが...
大岩島2 大岩オスカール
前回、小豆島で観たこの作品は、今回、沙弥島に来ていました。
ちょうどこの日から公開ということで、記念イベントも観ることができました。
坂出市長に続いて挨拶に立つ大岩オスカールさん。
この後、塩飽舟唄保存会のみなさんによる塩飽舟唄の披露もありました。
この作品も含め、大岩オスカールさんの作品、かなり好きです。
ピボット マデライン・フリン/ティム・ハンフリー
AI搭載のシーソー。乗りながらAIと会話もできるそうです。
フードクラブ アナヒタ・ラズミ
日本+イランの食の実験だそうです。
一雫の海 南条嘉毅
沙弥島にかつてあった塩田を思い起こすインスタレーション。
二層構造になっていて、下の層は鍾乳洞のよう。
長い年月の積み重ねによってゆっくりと結実していく世界が感じられます。
こういう作品は、いつまでも見ていたくなります。
月と塩をめぐる3つの作品 レオニート・チシコフ
「沙弥島の上にかかる月と太陽」
「月の舟柿本人麻呂に捧ぐ」
「ソルヴェーグ 記憶の風景」
背景のスクリーンには、青い光が透過する透明な板の上の塩を手で混ぜている様子を板の下から映したと思われる映像が映し出されています。
その模様の変化がオーロラのように幻想的で、3つの作品の中では最も印象的でした。
これも見入ってしまう作品ですね。
ヨタの漂う鬼の家 Yotta
人が住める船を作品化するということですが...まだ制作途上?
「ヨタの漂う鬼の家」のある砂浜を左に進むと、沙弥島を巡る遊歩道があり、沙弥島の島の側面を少し見ることができます。
柿本人麻呂碑。
今、話題の万葉集に数多くの歌が収められている柿本人麻呂は、風波を避けるために立ち寄ったここ沙弥島で、”玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか・・・”で始まる有名な歌を詠んだそうです。
沙弥島の突端、長崎鼻からは瀬戸大橋がよく見えました。
そらあみのある海岸沿いでは、わかめうどんや沙弥島おでんなどの島メシも販売していました。
こちらはとらふぐ弁当。
とらふぐの炊き込みごはんに天ぷらにおでんなど。
こうした島ならではのグルメも味わえるのが瀬戸内国際芸術祭のいいところです。
八人九脚 藤本修三
瀬戸大橋のたもと、瀬戸大橋記念公園にも作品がありました。
瀬戸大橋記念公園には瀬戸大橋記念館があります。
見学無料だったので、見学してみましたが、瀬戸大橋に使われている技術のすごさとスケールの大きさに改めて驚かされました。
こちらの銅像の御仁は、瀬戸大橋の最初の提唱者、大久保諶之丞。
瀬戸大橋が完成する100年前に、塩飽の島々を土台に橋を架けて本州と四国を結ぶ構想を披露したそうです。
あと、瀬戸大橋記念公園には香川県立東山魁夷せとうち美術館があり、こちらも楽しみにしていたのですが、思っていたよりもコンパクトな美術館で、しかも特別展ということで他の画家の作品を大々的に展示していたため、肝心の東山魁夷先生の作品はわずか2点(版画を含めると5点)しか展示されておらず、がっかりでした。
画家の名前を冠した美術館では、常にその画家の作品を中心に展示してほしいものです。
瀬戸内国際芸術祭 2019。
今回は春会期のみ開催の沙弥島を巡ってみましたが、夏は未定ですが、秋には西の島々を巡ってみたいと思います。
今回は、あいにくのお天気で、屋外作品が映えませんでしたが、次回は青い空、青い海のもと、島々を巡れることを期待したいです。
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