熊野古道中辺路散策(7) | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

春の熊野古道中辺路の旅、3日目。

 

この日は早朝、熊野本宮館に車をデポして、バスで小口の一つ手前の小和瀬バス停へ。

 

ここ小和瀬は小雲取越の登り口になっています。

 

目の前の橋を渡って小雲取越に入るわけですが、小和瀬にはかつては渡し場があったそうで、橋が架かる以前は、大雲取越・小雲取越を旅する人は、渡し船を利用して旅を続けたのだとか。

 

 

小和瀬を8時過ぎに出発。

 

ここから請川まで約12kmの道程です。

 

出だしは古道らしい石段と石畳の道。

 

尾切地蔵というお地蔵さまが古道を歩く人々を見守ってくれています。

 

 

しばらく歩くと、ハイキング道といった風情の道に変わります。

 

 

右側の眺望が少し開け、向かいの山々や下方には先ほど橋を渡ってきた川も見えます。

 

そして、山肌にはちらほらと花を咲かせた桜の木が。

 

 

そういえば、1年前に約100年ぶりに野生種の桜の新種、「クマノザクラ」が見つかったというニュースがありましたが、花が咲くなら今頃のはず。

 

この辺りの桜もクマノザクラなのでしょうか?

 

桜の品種は、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、エドヒガンあたりでさえ、ほとんど意識して見ることがないので、よくわかりません。

 

 

真っ赤で毒々しいきのこ。

 

 

出だしからずっと登りで、50分ほど歩くと桜茶屋跡に到着。

 

小和瀬からこの少し先の桜峠まで、標高差約400m登りますが、その先は多少のアップダウンはありますが、全体的に緩やかな道になります。

 

ここには東屋もあり、最初の休憩ポイントとしてちょうどいい場所になっています。

 

 

桜茶屋跡からさらに30分ほど歩くと、石堂茶屋跡に到着。

 

ここは小雲取越の道中唯一のスタンプ押印所になっています。

 

滝尻王子から熊野本宮大社までは、王子・王子跡 ≒ スタンプ押印所という感じでしたが、大雲取越・小雲取越は、それぞれ、両側の登り口と道中1箇所とスタンプは少なめ。

 

 

賽の河原地蔵。

 

王子イベントがないと、スタンプも少ないですが、道中の見どころも少なめ。

 

こういったお地蔵様や、かつての古道の賑わいの痕跡である茶屋跡、旅籠跡、言い伝えの残る石くらいでしょうか。

 

 

そんな小雲取越最大の見どころは、小雲取越最大のビューポイント、百間ぐらです。

 

百間=約181mですからもっと広い場所を想像していたのですが、それよりはるかに狭い場所です。

 

ただ、眺望は素晴らしいです。

 

ここはまた夕景がきれいだそうですね。

 

ここで景色を眺めながらコーヒーブレイク。

 

ただ、この狭い場所に反対方向から外国人が続々と登ってきて、どっかりと腰を下ろすこともできず、なんだか落ち着かない気分で、半ば流し込むようにコーヒーを飲むことになってしまいました。

 

この日もやっぱり外国人比率高かったです。

 

 

百間ぐらから松畑茶屋跡を過ぎ、ゴールの請川まではほぼ下り。

 

 

見所の少ない大雲取越、小雲取越でしたが、道はとてもよかったです。

 

大雲取越は900m近い山越えでしたが、石段・石畳が多く、古道の情緒が存分に味わえて、さほどの疲労感なく気持ちよく歩けますし、小雲取越は石段・石畳こそ少なめですが、広目できれいに整地された道は古道というより旧街道といった感じでこれもまた歩きやすく快適でした。

 

滝尻王子から熊野本宮大社までの道よりもこちらの道の方が気持ちよかったです。

 

 

まだ、花の少ない時期ですが、小雲取越の最後には、タチツボスミレが咲き始めていました。

 

 

小雲取越ゴールの請川(下地橋バス停)に下りてきました。

 

小和瀬から請川まで休憩込みで3時間30分。

 

街道マップの標準歩行時間は4時間、山と高原地図の標準コースタイムは4時間15分ですから、こちらもかなりいいペースで歩けました。

 

 

ここで熊野古道中辺路押印帳の最後のスタンプを押し、36個のスタンプをコンプリート。

 

このあと、熊野本宮館で、完歩の証印をおしていただきました。

 

さて、ここから熊野本宮大社までは3km~4kmありますが、国道168号線を歩くことになります。

 

交通量が多く、バスやトラックも通るので、バスのタイミングが合えばバスに乗ろうと思っていたのですが、次のバスが来るのは30分後。

 

歩いても45分くらいのようでしたので、歩くことにしました。

 

 

心配していた国道168号線は、歩道がない区間もありましたが、左側の路肩が少し広めでしたので、さほど危険を感じずに歩くことができました。

 

こちらは途中にあった備崎橋。

 

大峯奥駈道の案内板があります。

 

ここから吉野まで100km近くあるでしょうか。

 

中辺路は歩けても、大峯奥駈道は歩ける気がしません。

 

巡礼の道と修験の道ではレベルが違いすぎます。

 

 

請川から45分ほど歩き、大斎原に戻ってきました。

 

 

最後に、熊野本宮大社にお参りして旅を締めくくります。

 

 

前回、お参りした時は、参拝の順序を間違えましたが、今回は正しく。

 

まず、参道の石段の途中にある祓戸大神にお参りして身を清め、

 

 

本殿では、案内図にしたがって、第三殿、第二殿、第一殿、第四殿、結びの神・祓いの神とお参りしました。

 

 

この日の熊野は、寒の戻りで気温は低めですが、いい天気で参拝日和。

 

神門脇には枝垂れ桜がきれいに咲いていました。

 

昨秋、今春と、八咫烏、いや、押印帳に導かれるように中辺路を歩きましたが、こうした古道歩きも山歩きとはまた違った面白さがあっていいものです。

 

次は熊野古道なら小辺路、それ以外では箱根旧街道あたりも歩いてみたいです。

 

 

【追記】

 

 

帰った後、押印帳を和歌山県に郵送すると、後日、熊野古道中辺路完全踏破証明書が送られてきました。

 

それとともに、熊野熊野古道大辺路、熊野古道紀伊路、高野七口の押印帳も...

 

これらの押印帳もそれぞれ完全踏破すると踏破証明書と記念品がいただけるそうです。

 

さらに、すべて完全踏破すると、”超”完全踏破証明書がいただけるそうです。

 

全部回れば、和歌山県を丸ごと巡るような感じになり、なかなか大変そうですが、とりあえず、高野七口くらいは行ってもいいかも。