福島遠征4日目の10月6日。
朝から快晴のこの日は西吾妻山に登ります。
裏磐梯のグランデコというリゾート施設からロープウェイに乗り、山頂駅からの登山です。
ロープウェイ山頂駅に降りると、目の前に紅葉の森。
標高1400m。今はちょうどこのあたりが紅葉見頃のようです。
ロープウェイ山頂駅からまずは、西吾妻山の前に西大巓というピークを目指し、しばらくはスキー場のゲレンデを紅葉を楽しみながら登って行きます。
ずっとこんな景色の山登りならよかったのですが、このあと、樹林帯に入って行きます。
大きな石や張り出した木の根も多く、昨日少し雨でも降ったのか朝露のせいなのか足元も湿っており、けっこう歩きにくい道で、しかもほとんど緩むところのないそこそこの急登。
天気がよく気温もかなり高くて、風の通らない森の中は蒸し暑く、この日で4日連続の登山となる私にはかなりきつく感じました。
この森の中を、「もうしばらく山に登りたくない...」なんて思いながら登って行き、上から人の声がして、やっと西大巓かと思いきやまさかの偽ピーク!
ここまできつくて士気が低下していたのにこの偽ピークでさらに士気低下。
そこでもう一度気力を振り絞って、何とか西大巓(1982m)に到着。
頑張って登ったご褒美はこの景色。
眺望がよいとは聞いていましたが、この日は天気がよくその眺望の良さが最大限に発揮されています。
まずは何と言っても南側の景色。
会津のシンボル磐梯山が堂々とそびえ、その手前に磐梯山の噴火によって生み出された湖。
右に檜原湖、左に小野川湖。
そして、磐梯山の左奥には、前日磐梯山では見えなかった猪苗代湖。
磐梯山の向こうには那須連山も見えています。
猪苗代湖から左に目を移すと、2日前に登った安達太良山。
今回の遠征で登った山がすべて見えました。
(目の前に見えるピークが、少し前に私の気力を奪った偽ピークです。)
磐梯山の右奥には、土地勘がないのでよくわかりませんが、会津駒ヶ岳とかでしょうか。
西には飯豊山。
北には左に朝日連峰、中央右寄りに月山、そしてさらにその奥に見えるのは鳥海山ではないですか。
このあたりは福島県と山形県の県境、山形県の南端。
鳥海山は山形県の北端になりますから、縦長の山形県の端から端まで見えているわけですね。
本当によく見えます。
西大巓からの景色で少し元気を取り戻し、西吾妻山へ。
緩やかでとても気持ちのよさそうな道に見えますが、100mくらい下って登り返します。
これをみてまた気力が萎えます。
先まで見えているというのが、また辛い。
いい景色ではあるんですが、うつむき加減で黙々と登って行きます。
この登りの途中には小さな沢があり、水場ということになっているのですが、この季節、水量はごくわずかで、水もぬるかったです。
雪解けの頃は冷たくておいしいんでしょうね。
何とか登り返しを登り切ると、木道が整備された平らな湿原のような場所に出ました。
夏は高山植物がいっぱい咲きそうですね。
この湿原からまた森の中に入り、あと少しだけ登ると西吾妻山山頂(2035m)に着きました。
ロープウェイ山頂駅から2時間45分かかりました。
オオシラビソの森に囲まれた、噂どおり、展望のない山頂です。
四畳半とは言いませんが、かなり狭い山頂で、ゆっくりと休憩するような場所でもなかったので、滞在時間1分で山頂を後にします。
山頂から15分ほどの場所に天狗岩という開けて展望の良い場所があるそうなので、そちらに向かいます。
岩がゴロゴロ、天然のイスとテーブルがたくさん置かれた絶好の休憩スポットです。
これが天狗岩ですね。
その上には吾妻神社の祠があります。
お参りしてから休憩しましょう。
この日はまたしても酪王カフェオレ。
そして、セブンイレブンで売っていた酪王牛乳パンのかすてらサンド。
酪王カフェオレ、やっぱりうまいです。
全国展開してほしい。
このあたり、足元を見ると、クロマメノキに実がなっていました。
採って食べたい衝動にかられますが、がまんがまん。
ゆっくりと景色を楽しみながらの休憩。
ここからの景色は西大巓とそう変わりませんが、北東方向に蔵王が見えました。
北側の眼下に広がる大きな町は米沢ですね。
こんなに近く見えるんですね。
天狗岩でゆっくり休憩した後、下山します。
オオシラビソの森を抜け、
磐梯山を正面に見ながら草原、湿原を抜け、
今度こそ最後の登り、西大巓への登り返しを踏ん張って登り、
鬱蒼とした森を下り、最後、グランデコのゲレンデを下り、
最後にまた綺麗な紅葉を見て、ロープウェイ山頂駅へと下山。
下山は1時間50分ほどでした。
グランデコのロープウェイ山頂駅から西吾妻山へのコースは、標高差、距離からいえばそう厳しいコースではないと思うのですが、予想外の暑さと蓄積された目に見えない疲労でかなりきつい登山になりました。
でも、天気に恵まれ、最大の見どころである展望に恵まれ、よかったです。
これで那須と福島の三座、合わせて日本百名山四座を踏破。
ただ、吾妻山に関しては、この西吾妻山が最高峰で主峰という扱いのようですが、中吾妻山から東吾妻山へと続く大きな山塊が吾妻山です。
今回、東吾妻山は火山活動が活発化しているということで、火口周辺規制がかかっており、登ることができませんでしたが、西吾妻山とはまったく異なる独特な景観が見られるようなので、またいつか登ってみたいです。