裏磐梯スキー場から2時間40分ほどで磐梯山の山頂(1816m)に到着。
山頂には小さな祠があり、少し下がったところに山頂の標柱。
朝、登り始めた頃には晴れていた山頂も、上は薄雲に覆われ、下には雲海。
晴れていれば眼下に見えるはずの猪苗代湖も見えず。
しかし、雲と雲の合間に、周辺の山々が姿を見せてくれていました。
南には那須連山など。
西の眺望はややよく、飯豊連峰がよく見えました。
アプローチが長くてなかなかハードルの高い山ですが、いつか行ってみたい憧れの山です。
北の方を見ると眼下には檜原湖。
遠く左手には朝日連峰、そして右端にぽっこり頭を出しているのは月山だそうです。
さて、先ほど弘法清水で汲んできたおいしいお水でコーヒータイム。
猪苗代湖は見えませんが、”いな”わしろに因んでヒロコーヒーのお気に入り、オーガニックブレンド”いな”がわを淹れます。
コーヒーのお供は、セブンイレブンで売っていた「酪王カフェオレクリームのメロンパン」です。
「酪王カフェオレ」はコラボ商品も多数販売されているんですね。
そういえば、磐梯山の紅葉は?
この日のルートでは安達太良山や那須岳のような大スケールの紅葉は見られませんでしたが、山頂からの下山途中にきれいな紅葉が見られました。
山頂から少し下りたところから見た櫛ヶ峰。
手前の斜面の下には池があるんですね。
きれいな紅葉を眺めながらゆっくりと下り、
弘法清水からは磐梯山の西側、磐梯山ゴールドライン沿いにある八方台登山口の方に下りて行きます。
八方台へは真っすぐ下るコースとお花畑を回るコースがありますが、お花畑の方を回ってみました。
さすがにこの時期は花はほぼ見られませんでしたが、ミヤマキンバイが数輪、頑張って咲き残ってくれていました。
お花畑近辺から仰ぎ見る山頂。
けっこうきれいに紅葉していますね。
八方台に下る道の途中には紅葉のトンネルもありました。
紅葉の木々には野鳥の姿も。
うーん、この子は誰でしょう?
この子はヒガラですね。
少し展望の開けたところからも斜面を彩る紅葉。
そして、北側の噴火壁の上に出ると、檜原湖、そして右奥には吾妻山がよく見えました。
そして手前には銅沼も見えます。
この先の分岐で裏磐梯スキー場の方に下る道のほうに折れ、銅沼に向かいます。
分岐からしばらく下ると次第に緩やかな道となり、銅沼に到着。
赤茶けた岩が露出し、水の色は手前が透明、奥の方はエメラルドグリーン。
そして、その向こうには噴火で山が吹き飛んだ跡である噴火壁が屏風のように突き立っています。
少し、ガスに隠れてはいますが、すごく迫力のある景色です。
よく見ると、背の高い岩の上の方は灰色。
ということはこの赤茶けた岩は沼の水に含まれた成分が付着して染まったものなのですね。
時期的なものなのか、今はかなり水位が下がっているようです。
銅沼の右奥の斜面を見ると、少しですが噴気も上がっています。
今もなお地中では火山が活動しているのですね。
銅沼を後にしてさらに下ると、ほどなく裏磐梯スキー場のゲレンデに出てきます。
この先、檜原湖まで広がっているなだらかな大地は、130年前の磐梯山の噴火による岩なだれでできたものなのですね。
この後、ゲレンデを下りきると登山口。
下山は山頂から2時間15分ほど。ほどよい山行でした。
今回は磐梯山の山体崩壊の痕跡を見て歩いてみたかったので、裏磐梯からの周回コースを選びましたが、ここにあった山が吹き飛んで岩なだれとなって流れていき、流れ山ができたり、川がせき止められて湖ができたりしたのだということを理屈では納得できても、実際に間近に見てみても、規模が大きすぎてなかなか想像が及ばなかった部分も多かったです。
そういう実感しきれなかった部分は、下山後に訪れたこの磐梯山噴火記念館の展示を見て補いました。
ちなみに、磐梯山の山体崩壊の痕跡を見たいと思ったきっかけはブラタモリの会津磐梯山篇だったのですが、この磐梯山噴火記念館でもブラタモリのVTRが放映されていました(笑)
学術的にも観光的にも貢献度の大きな番組ですね。
そのあとは、日が暮れるまでまだ少し時間があったので、裏磐梯にある諸橋近代美術館にも寄ってみました。
こちらはダリコレクションが充実した美術館で、企画展としてパメーラ・ジューン・クルック展も開かれていました。
パメーラ・ジューン・クルックはキング・クリムゾンのアルバムのカバーアートで知られるイギリスの画家で、額縁にまで絵を拡張する手法など、”半立体的”な作品が印象的でした。
ダリは...ダリですね。
磐梯山が作り出した自然の芸術とは対極にあり、とても刺激的でした。