六甲枝垂れ | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

六甲山の山頂部、昔、回る十国展望台があった場所にできた六甲枝垂れ。

 

できてからもうずいぶん経ちますが、株主優待で優待券をもらったので、今更ながら入ってみました。

 

 

大きな幹を傘のように広がった枝葉が覆うような大樹のようなモチーフの建物で、てっきり単なる現代アート作品かと思っていたのですが、景色を楽しみながら自然を体感できる工夫を凝らされたすごい建物なのですね。

 

 

テラスから見た景色はご覧のとおり。

 

大阪湾とその周囲を囲む都市、そして山々が一望できます。

 

 

で、幹にあたる建物の中心部に入り、らせん状のスロープを下りると、中央に水盤があり、その周りを囲むようにベンチが配置された空間があります。

 

 

ベンチは一人分ずつに仕切られており、そのひじ掛けの横にはスリットがあります。

 

夏はここから氷室で冷やされた冷風が出てきて、涼しい空間を生み出します。

 

中央の水盤の水は氷室からの融氷水だそうです。

 

 

この日の室温は19℃。

 

この日は登山がてらここまで来ましたが、ほてった体は一気にクールダウン。

 

汗冷えするくらいに涼しかったです。

 

夏の六甲登山の際には、ここで休憩していくことをお勧めしたいくらいです。

 

 

この建物は下から上へと空気が自然循環するようになっていて、外から取り込まれた空気が氷室で冷やされてこの部屋へと流れ込み、ここから上昇して上部の開口部から外に排出されるそうです。

 

そういう仕組みもあってこの形になっているのですね。

 

 

そして氷室ですが、六甲枝垂れへの導入路の両側にあるのが氷を作るための氷棚です。

 

冬の間、ここに雨水を溜めて氷を作り、出来上がった氷を切り出して地下の氷室に貯蔵し、夏に自然の涼風を体感できるというわけなんですね。

 

いやぁ、六甲枝垂れにこんな仕掛けがあったとは驚きです。

 

この六甲枝垂れの設計者は三分一博志さん。

 

同じく三分一さんが手掛けた直島ホールや犬島の精錬所などでも、自然の力による空調を体感しましたが、これからの建物にはこうした仕組みをどんどん取り入れていってもらいたいですよね。