越後妻有アートトリエンナーレ2018 大地の芸術祭に行ってきました。
一昨年、瀬戸内国際芸術祭を観に行って芸術祭の面白さにすっかりはまってしまい、瀬戸内国際芸術祭と同様に3年ごとに開催されるこちらの芸術祭にも興味が湧き、訪れてみた次第です。
まず、最初に訪れたのはこの芸術祭の中心的施設、越後妻有里山現代美術館「キナーレ」です。
メインエントランスを入ると、正方形の人工池を取り囲むように建物が建てられていますが、この池もこの美術館の代表的なアート作品です。
Palimpsest:空の池 レアンドロ・エルリッヒ
池の水面に建物と空が映り込んでいるように見えますが、これは池の底に描かれた絵。
2階に上がると、実物の柱と池に描かれた柱が真っすぐになる位置があり、4階建ての建物のようにも見えてとても不思議です。
Rolling Cylinder, 2012 カールステン・ヘラー
2階には常設展示作品がありましたが、この床屋さんのサインポールの中を歩く作品は、平衡感覚が狂わされ、フラフラする感じが面白かったです。
また、同じく2階には「越後しなのがわバル」があり、越後妻有産のお米を使ったおにぎりや地元の食材を使ったお惣菜などがいただけます。
さすが米どころ越後、おにぎりはかなり美味しかったです。
1階では2018年の方丈記私記という企画展が行われていました。
おおよそ3m四方、ほぼ四畳半、日本の建築の最小モデルである「方丈」。
鴨長明が方丈の庵に移り住み、世を見つめ、記した「方丈記」。
2018年の今、こんな方丈あったらいいな、あったらおもしろいな...と、建築家やアーティストが、思い思いに表現した方丈が並んでいました。
キノコ生えてる...
こちらの「羊の美容室」では実際にヘアカットをしてもらえるなど、ちょっとしたイベントを行っている方丈もたくさんありました。
キナーレを見学した後は、小島屋総本店で名物のへぎそばを食べてからナカゴグリーンパークへ。
こちらでは、「里山アートどうぶつ園」と称して、芝生広場に様々な動物のアートが展示されていました。
動物を擬人化したような作品であったり、
異世界感漂う不思議なモチーフの作品だったり、
抽象的な作品だったり、
社会的なメッセージが込められた作品であったりと、様々なアート作品がありましたが、どうぶつ園というよりは動物の謝肉祭のアート版といった感じがしました。
かんがえない 須佐美彩
全部上げていたらきりがないくらいたくさんの作品がありましたが、そんな中で、私はこれが一番気に入りました。
無の境地ですね。
光の館 ジェームズ・タレル
「里山アートどうぶつ園」の近くにある「光の館」はアート作品兼宿泊施設。
風呂やキッチンまで備えた別荘のような建物ですが、一番大きな居室の天井は真っ白で、真ん中に正方形の開口部があり、屋根の裏側が見えています。
この屋根は可動式になっており、全開すると空が見えます。
この日はあいにくの曇り空で天井とほとんど同化していましたが、晴れていれば青い空が見えるはず。
ジェームズ・タレルは地中美術館や金沢21世紀美術館でも同じようなコンセプトの作品を手掛けていますが、この「光の館」は宿泊施設なので、夕方から夜を経て朝に至るまでの空の色の変化も味わえるのが最大の魅力。
空の色の変化に合わせて、天井の色も変化する演出もあるそうで、色彩の変化をより印象的に体感できるらしいです。
カードリフターズ アーメット・オーグット
ナカゴグリーンパークを見た後は、もうそろそろ夕方という時間帯に差し掛かっていたので、道すがら、気になる作品や目についた作品を観て回りました。
むむむ、こんなんでもアートなんですね。
こちらの古びた神社の本殿にもアート作品が。
アトラスの哀歌 エマ・マリグ
公式ガイドブックの写真を観て気になっていた作品ですが、とちょっとイメージが違いました。
Repetitive objects 目
小豆島の迷路のまちなどを手掛けた「目」の作品。
凹凸やシミのような模様まで全く同じ岩が2つ。
ありそうで、ありえないこの情景に、一瞬、固まってしまいます。
Kiss & Goodbye・思い出ポスト ジミー・リャオ
JR飯山線を舞台に制作した絵本「幸せのきっぷ Kiss & Goodbye」から展開した作品。
こちらは土市駅の作品。中では絵本の絵と映像が楽しめます。
こちらは水沢駅の作品。
大人向けのアート作品ばかりでなく、こういうメルヘンチックな作品があってもいいですよね。
ちっちゃい子が喜んでました。
水沢駅は駅舎まで作品の一部のようでした。
たくさんの失われた窓のために 内海昭子
なんかいいですよね。
窓枠にはめ込まれ、カーテンで遮られることで風景が違ったものに見えてきます。
(2)へつづく...