柳生街道散策(2) | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

柳生街道、圓成寺から柳生への道は、この地を治め、剣の道を生きた柳生一族に因んで「剣豪の道」と呼ばれています。

 

圓成寺から里山を抜けていくと、まず大柳生の集落に出ます。

 

その集落の縁にあるのは大柳生の氏神、夜支布山口神社。

 

平安時代の延喜式にもあらわれる古い社だそうです。

 

 

 

山口神社からは大柳生の集落の中をジグザグと幾度も折れ曲がりながら歩いて行きます。

 

民家と民家の間の細い道なども通るので、一歩間違えれば他人の家に入ってしまいそうです。

 

道標がしっかり整備されているので、それをたどって行けば間違えることはないと思いますが、うっかり見落とさないよう注意が必要です。

 

 

 

道沿いの畑と畑の間には小さな古墳もありました。

 

この地を治めた首長の墓だと言われているそうです。

 

 

 

集落のあちこちにはたわわに実った柿の木が目立ちます。

 

この時期らしい彩りです。

 

 

 

少し山道に入れば、名残りの紅葉もきれいです。

 

「剣豪の道」という名からは厳しい道を想像してしまいますが、のどかな山里歩きが続きます。

 

 

 

小さく山を越え、阪原という集落に入ると鎌倉時代の様式の南明寺というお寺があります。

 

ですが、拝観には予約が必要だそうです。

 

 

 

南明寺のそばには、おふじの井戸があります。

 

この井戸のそばを通った柳生藩の初代藩主宗矩が、洗濯をしていたおふじという娘に声を掛け、頓智問答の末、その器量と才気を見そめ、後に妻として迎えたという伝説が残っているそうです。

 

 

 

このままのどかな山里歩きで柳生の集落に着くのかと思いきや、最後にかえりばさ峠というきつい峠越えが待っていました。

 

この日一番の急登に息が上がります。

 

剣の道はやっぱり厳しいです。

 

 

 

峠を越えて疱瘡地蔵というお地蔵さまが現れると、柳生の集落はもうすぐそこ。

 

 

 

柳生の集落に入って間もなく、小高い丘の上の広くて平らな場所に出ました。

 

柳生宗厳と柳生十兵衛の顔ハメが出迎える柳生藩陣屋跡です。

 

柳生藩は一万石あまりの小藩だったので、城は構えなかったようですね。

 

 

 

こちらではまだとても鮮やかな紅葉が見られました。

 

圓成寺から柳生までは8km弱、約1時間50分の道程。

 

ここからはしばし、柳生を散策します。

 

 

 

陣屋跡で休憩中、地図を見ていると陣屋跡よりも先にこちらの天乃石立神社から回った方が効率がよかったことが判明。

 

せいぜい数分のロスではありますが、改めてこちらから回ります。

 

 

 

天乃石立神社の周囲にはいくつもの巨石が転がっており、天乃石立神社は前伏磐、前立磐、後立磐という3つの巨石を御神体として祀っています。

 

 

 

中でもこの2枚重なった前立磐(左)と後立磐(右)は圧巻です。

 

写真では大きさがわかりづらいですが、前立磐は高さ6m、幅7.3m、厚さ1.2mもあるそうです。

 

 

 

これらの岩には、天手力雄命が天岩戸を引き開けた時に、その扉が勢い余ってこの地まで飛んできたという伝説があるそうです。

 

横から見ると、なるほど扉のようです。

 

 

 

天乃石立神社の奥には一刀石という真ん中でぱっくりと割れた岩があります。

 

柳生宗厳が天狗を相手に修業をしていて、天狗と思って切った...と伝わっているそうです。

 

 

 

天乃石立神に続いて柳生家の菩提寺、芳徳時へ。

 

が、門には誰もおらず、拝観料200円を賽銭箱に入れてくださいと...

 

しかし、いろいろなところでお賽銭を出したので、この時には小銭がなく、拝観を断念しました。

 

 

 

そのあとは、陣屋跡近くまで戻り、柳生八坂神社や、

 

 

 

その隣のかつて武道の神、摩利支天を祀った摩利支天山という小高い丘を回り、

 

 

 

柳生藩の家老屋敷へ。

 

 

 

この屋敷は柳生藩の家老、小山田主鈴の旧邸で内部が公開されており、建物や塀など失われた部分も多いようですが、当時の武士の暮らしや、柳生家、小山田家について学ぶことができます。

 

この屋敷は、昭和39年からの一時期、作家の山岡荘八さんの所有となり、柳生宗矩の生涯を描いた昭和46年の大河ドラマ「春の坂道」の構想もここで練られたのだとか。

 

 

以上、柳生を1時間半ほどでささっと散策してきましたが、早くも日が傾きつつあります。

 

のんびりしていると日が暮れてしまいそうなので、ちょっと急いで笠置へ向かいます。

 

 

(3)へつづく...