この秋、京都国立博物館で開かれている国宝展。
現在国宝に指定されている約1100点のうち、約200点を4期に分けて展示するという展覧会で、前回の国宝展から41年ぶりの開催なのだそうです。
私は、このうち第1期と第4期の2回、見学に行ってきました。
すべてが国宝級、いや国宝の展示なので、当然混雑が予想されるということで、平日に行ったのですが、第1期はまだそれほど知られていなかったのか、ゆったり見ることができたのですが、第4期は平日にもかかわらず40分待ちと大盛況でした。
第1期で印象に残ったのは、まずは雪舟の水墨画6点。四季山水図巻のスケールにも圧倒されますし、慧可断臂図の息をのむような緊迫感にも圧倒されます。
考古では教科書でもおなじみの縄文時代の深鉢型土器(火焔型土器)や土偶(縄文のビーナス、縄文の女神、仮面の女神)がやはり印象的でした。
あとは見てわかりやすい、地獄草紙、病草紙、そして徳川将軍家の威信をかけて作らせたという徳川家光の娘、千代姫の婚礼調度類の絢爛豪華さが圧巻でした。
書跡はよくわかりませんが、古今和歌集の高谷切本の流麗な仮名の美しさは印象的でした。
第4期で印象に残ったのは、近世絵画。目玉は尾形光琳の燕子花図屏風で、これも確かにデザイン性が秀逸で美しい作品でしたが、私は円山応挙の雪松図屏風の白く描くのではなく、白く塗り残した雪と、立体的な松の表現に感動しました。与謝蕪村の夜色楼台図の雪降る町の静寂とぽっと明かりの灯る家々の暖かさも印象的でした。
近世絵画では、狩野永徳の陰に隠れた地味なお父さん、狩野松栄の瀟湘八景図屏風もよかったです。
あとは日本の肖像画の最高峰、伝源頼朝像、そして、様々な装飾経、特に扇面に人物や風物の絵を描き、その上に法華経などを書写した扇面法華経冊子も面白かったです。
国宝といっても、考古、書跡、仏画、六道と地獄、絵巻物、肖像画、中世から近世の絵画、当時、染織、金工、漆工など様々な分野があり、また、それぞれに美的・文化的・歴史的価値がありますが、それが美的なものであったり、教科書に出てくるような有名なものであれば、目で見てわかりやすいのですが、そうでないものについては、やはり詳しい解説が必要。
ということで、そういうパッと見てわかりにくい国宝については、図録を購入し、のちのちその価値を学ぶことにしました。
普段は図録は買わないようにしているのですが、これは全部国宝なので価値があります。
国宝展、2回目の見学後は、どうしても出町ふたばの栗餅が食べたくなって出町柳へ。
紅葉の進み具合の確認がてら、京都御苑に行って早速いただきました。
定番の豆餅もいいですが、この季節は栗餅ですね。
出町ふたばも平日にもかかわらず、折り返し5列の行列で大盛況でした。
京都御苑の紅葉、一條邸跡のイチョウとモミジはこんな感じ。
いい感じに色づいてきていますが、これからがピークのようですね。
母と子の森では野鳥もチェック。
アオジがいました。
出町ふたばは豆餅や栗餅がおいしいですが、今回は前から気になっていた栗赤飯も買ってみました。
晩御飯にいただきましたが、さすが、餅屋の赤飯はおいしいですね。
ハイキングなどのお弁当にしてもよさそうです。