戸隠古道散策(1) | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

信州3日目は、あいにくの空模様。

 

山行は自重して、戸隠にやってきました。

 

こちらは湖面に戸隠連峰を映す絶景スポット、鏡池。

 

この日は、山の上の方に雲が垂れ込めていて景色はもうひとつでしたが、そのぶん修験道の霊場らしい空気感が濃密に感じられました。

 

湖岸の木々が若干色付き始めていますが、紅葉の時期はなおいっそう美しい景色なのだそうです。

 

 

 

戸隠といえば、戸隠神社。

 

二千年余りの歴史を持ち、平安時代からは修験道の霊場としても名を知られた名所です。

 

戸隠神社は奥社、中社、宝光社、九頭龍社、火之御子社の五社からなり、この五社を巡るのが、参拝のモデルコースとなっています。

 

もちろん、今はマイカーやバスでポンポンポンと一足飛びに巡る(それでもかなり歩きますが...)のが一般的かとは思いますが、古くからの参道を歩いて巡るコースもあり、「戸隠古道」として整備されています。

 

かつて一之鳥居があった場所から奥社まで約10km。

 

とはいえ、険しい山道というわけでもありませんので、ハイキング感覚で歩いてみることにしました。

 

 

 

まずは観光案内所で戸隠古道マップとバスの時刻表をもらい、飯縄山の登山口にもなっている一之鳥居苑地の駐車場に車を止め、奥社に向かって出発します。

 

駐車場から少し丘を登って行くと、一之鳥居の跡地がありました。

 

かつては大きな石造りの鳥居があったそうですが、地震で倒壊し、その後、木造の鳥居が再建されていたそうですが、老朽化したため撤去したそうです。

 

ここから参拝する人がほとんどいなくなった現代、一之鳥居としての役割を終えたということなのでしょうね。

 

 

 

戸隠古道には、道中の名所・旧跡に、その場所を示す名前と絵が刻まれた石柱が建てられています。

 

側面には少し飛び出した円の中に、版木のように絵が彫り込まれていますが、これは拓本用の絵なのだそうです。

 

戸隠の土産物店などで「戸隠古道拓本集印帳」を購入し、古道を歩きながら、ペンでなぞってこの絵を写し取り、全部集めると記念品がもらえるのだとか。

 

これも戸隠古道の一つの楽しみ方になっているようです。

 

 

 

さて、いよいよ戸隠古道ウォーキング、スタートです。

 

最初は栗やコナラの森の中を歩いて行きます。

 

 

 

とはいっても、それほど森の奥深くに入るわけではなく、このように車道の脇を並走する区間もけっこうあります。

 

 

 

道中には要所要所に道標もありますが、一丁ごとに昔ながらの丁石も置かれています。

 

 

 

古い道標もあります。

 

 

 

丁石も復元された新しいものがほとんどのようですが、昔のものが残存しているところもありました。

 

 

 

短い区間ですが石畳の道もありました。

 

 

 

 

戸隠のメインストリートの車道に出ると、何軒かの宿坊が立ち並ぶ坂道に差し掛かります。

 

このあたりから、いよいよ雨が降り出し、傘をさしながら歩きます。

 

 

 

一之鳥居から約1時間半弱。

 

戸隠神社の最初のお社、宝光社に到着です。

 

 

 

杉の木立の間の長い長い石段を登って行くと、

 

 

 

戸隠神社で最も古いという社殿があります。

 

 

 

宝光社の社殿の右手奥、中社へと続く神道(かんみち)に入ります。

 

 

 

神道を少し歩くと、伏拝所という場所があります。

 

奥社に合祀されていた宝光社の御祭神、天表春命(あめのうわはるのみこと)の御正体が飛来した場所で、その御神意にしたがって里の人々は宝光社を建てて御正体をお祀りしたのだとか。

 

 

 

さらに歩くと、こじんまりとしたお社、火之御子社があります。

 

こちらの御祭神は天鈿女命(あめのうずめのみこと)。

 

天照大御神が隠れた天岩戸の前で舞を舞った女神様ですね。

 

 

 

社殿の右横には西行ゆかりの西行桜があります。

 

和歌だったり能楽の作品だったり、西行と桜の逸話って多いですよね。

 

 

 

左横には立派な二本杉もあります。

 

木肌のねじれがきれいです。

 

 

 

火之御子社からさらに歩くと中社ですが、ちょうどお昼を回ってお腹が空いたので、中社の目の前の「うずら家」という蕎麦屋さんで戸隠名産の蕎麦をいただきました。

 

根曲り竹で編んだ円形のざるにぼっち盛と呼ばれる盛り方が戸隠流。

 

まだ、新蕎麦にはちょっと早い時期でしたが、美味しかったです。

 

 

(2)へつづく...