立山の帰り、富山で一泊し、翌日、金沢で途中下車。
金沢21世紀美術館を見学してきました。
前に金沢に来たときには、金沢城や兼六園などの超一流観光スポットに目を奪われ、全くノーマークだったんですが、最近、私の中でこういう美術館はお城の次くらいに要チェックな観光スポットになっています。
美術館の外観。
なんとなく、こういう雰囲気には見覚えがあるというか、馴染みがあるというか、全く初めてではないような感覚を抱いたのですが、それもそのはず、この美術館を設計したのが西沢立衛さんと妹島和世さんが設立したSANAAという建築ユニットだからなのですね。
ともに瀬戸内国際芸術祭に関わっている建築家で、会場の島の一つ、直島の玄関口となっている宮浦港にある「道の駅なおしま」の建物はSANAAの設計によるもの。
「21世紀美術館」と「道の駅なおしま」のデザイン・コンセプトに共鳴するものを感じるから、それが既視感のように思えたというわけです。
さらに西沢立衛さんは豊島にある豊島美術館を、妹島和世さんは犬島家プロジェクトをそれぞれ手掛けられていますので、なおさら瀬戸内感が強いわけです。
いやあ、それにしてもいい天気です。
昨日の立山がこんな天気だったらよかったのに...
金沢21世紀美術館には、無料ゾーンと有料ゾーンがあり、無料ゾーンだけでも結構楽しめます。
こういう開放的なところが、この美術館のコンセプトの一つになっているようなのですが、それはこれからのアートのあり方でもあるように思います。
この美術館で一番人気の作品といえば、やはりこれでしょうか。
レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」。
プールの中に普通に人々が立っている驚き。
プールの中から見上げれば、魚になった気分?!
水面上と水面下、水面を隔てて鑑賞者をも作品の一部として取り込んだ面白い作品です。
こちらは光の芸術家、ジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」。
直島にある地中美術館の「オープン・スカイ」と同じコンセプトの作品ですね。
一列に並べて置かれている、ラビット・チェアはSANAAがデザインしたもの。
妹島和世さんの手掛けた犬島の「中の谷東屋」という休憩所にもありました。
このラビット・チェア、市販もされているんですね。
こういう椅子が似合う家に住むことがあれば、置いてみたい...
屋内ではいくつかの展覧会が開かれていましたが、中でも目を引いたのは、”ヨーガン・レール 文明の終わり”です。
インスタ映えする美しい作品で、撮影可ということで、皆さん盛んにシャッターを切っていました。
しかし、これらは海辺に打ち上げられた廃プラスチックから作り出されたもの。
海辺の美しい風景の写真と、同じ場所で少し目線を変えて撮られた大量のゴミの写真を対比している展示もあり、美しさを感じると共に、環境、ゴミ問題についても考えさせられました。
金沢21世紀美術館は、思った以上に見どころたっぷりで、また、混雑もしていたこともあり、たっぷり3時間ほどアートを観賞。
美術館を出ると、とっくにお昼を過ぎており、どうしようもなくお腹が空いたので、美術館近くにあるターバンカレーで金沢カレーをいただきました。
濃厚デミグラスソースのようなねっとりとしたコクのあるルーが何ともクセになりますね。
金沢カレーを食べた後は、帰りのサンダーバードまでそれほど残り時間がなかったので、前に金沢を訪れた時に気に入った、長町の武家屋敷跡にある鏑木商舗で九谷焼を物色。
しかし、コーヒーカップや小鉢や蕎麦猪口など魅力的なものがたくさんありましたが、即決できず。
お手頃価格の名品の写しの豆皿を4枚ほど買って帰りました。
焼き物を観るにはもう少し時間が必要ですね。
また今度。