1週間の休みをとって、北海道まで遠征してきました。
前夜にフェリーで苫小牧に着き、翌日の7月17日。
天気予報は芳しくなかったですが、朝方はまだ晴れていたので、足慣らしに樽前山を歩くことにしました。
1,000mほどの山ですが、苫小牧市街から見ると、けっこう立派です。
苫小牧市街から車で30分あまり。
6時前、7合目登山口から登ります。
登り始めて20分足らずで、樹林帯は終わり、視界が開けます。
振り返れば、左手に風不死岳、右手に支笏湖が望めます。
そして登山道の先には樽前山の東山が迫ります。
東山の斜面を左に巻くようにして登って行きます。
手前の花はウラジロタデ。
こちらはシラタマノキ。
そして、樽前山を代表する花、タルマイソウ(イワブクロ)。
いたるところに群生していました。
登山口から40分ほどで早くも外輪山に到着。
左手奥の山が西山。
右手の山が樽前山のシンボルともいうべき溶岩ドームです。
とりあえず山頂(東山)を目指し、右に進みます。
まだいい天気で溶岩ドームの右奥には遠く羊蹄山もうっすらと見えます。
登山口から50分余りで山頂(東山 1022m)に到着。
足慣らしにもってこいのお気楽登山です。
東山から見る風不死岳と支笏湖。
ちょうど風不死岳と重なってしまっていますが、支笏湖の向こうには恵庭岳があります。
支笏湖は約4万年前に起こった大噴火の後にできたカルデラに水が溜まってできた湖で、最初は円形だったそうですが、その後、カルデラの周縁部で起きた噴火によって風不死岳、恵庭岳が形成されたことにより、現在のようなくびれた形になったのだそうです。
樽前山は、風不死岳、恵庭岳よりさらに後の時代に起こった噴火によって形成された火山で、樽前山、風不死岳、恵庭岳は地殻の割れ目に沿ってほぼ一直線に並んでいるそうです。
山頂に登った後は、一旦折り返し、外輪山を時計回りに周回します。
樽前山の山頂部にはこのような広大な火口原が広がっています。
火口原にはうっすらと道が付いているように見えますが、有毒な火山性ガスが噴出していることなどあって、一般の登山客は立ち入り禁止だそうです。
この火口原の中央部に溶岩ドームがあるわけですが、この樽前山のような山体は三重式活火山と呼ばれ、世界的にも珍しいのだそうです。
東山から西山に向かう外輪山沿いの道から火口原側に切れ落ちた斜面を覗き見ると、遠くにコマクサが咲いていました。
珍しい白いコマクサです。はじめてみました。
東山と西山の間には樽前山神社奥宮があります。
古くから山そのものを神山・神体として崇められているそうです。
樽前山の溶岩ドームは明治42年の噴火の際にできたそうですが、いまなお活動が続いている様子は、このあたりからが一番よくわかりました。
そう激しくはないのですが、蒸気が噴き出しているのと、その周辺に噴出物が堆積しているのがよく見えます。
溶岩ドームの付け根からも蒸気が上がっていますが、この周囲には柵のようなものが見えます。
かつてはこの付近まで行けたということでしょうか...
樽前山神社奥宮からさらに西山に向かって歩いて行くと、外輪山の外側の斜面が大きくえぐれた場所がありました。
ガリー浸食と呼ばれる作用によるものだそうです。
かなり先まで深い谷が刻まれています。
西山との分岐点から西山まではすぐ。
マルバシモツケ。
薄緑色の苔の絨毯の上に咲くイワギキョウ。
西山に到着。
だいぶ雲が出てきました。
再び分岐まで戻り、さらに外輪山の周回を続けます。
見る角度によって表情を変える溶岩ドーム。
西山と北外輪山の間から見ると、なんだかカニっぽい。
北外輪山の分岐に到着。
ここから風不死岳へは2時間ほどで行けるみたいですが、天気が悪くなってきそうなのでパス。
再び東山を経由して下山します。
途中、水を飲むのに立ち止まっていると、遠くの岩の上に鳥が止まりました。
冠羽が寝ていますが、ヒバリですよね。
斜面の下に登山口の駐車場が見えてきました。
1時間足らずで登れる山だけに近いですね。
山頂近くにある斜めの石。
ロープに囲まれているのは危険だからでしょうか?
なんだか御神体っぽくも思えます。
二度目の東山。
だいぶガスってきました。
入山から3時間20分で下山。
登山口の駐車場は、入山時10台程度でしたが、下山時はほぼ満車状態。
祝日ということもありますが、手軽に登れることもあって人気の山のようですね。
下山後は、支笏湖畔を散策&バードウォッチング...と思っていたのですが、支笏湖に着いてほどなく、天気予報どおり雨が降り出しました。
しかも、時折、結構激しく。
樽前山で下山途中にすれ違った人たちは大丈夫だったでしょうか...
山で雨に降られなかったのは幸いでしたが、支笏湖畔での散策はほどほどで切り上げ。
ビジターセンターで支笏湖や風不死岳、恵庭岳、樽前山の成り立ちを勉強し、昼食に名物のヒメマス料理を、食後のデザートにこの”たるまえ山シュー”をいただきました。
こういうシュークリーム、よく見かけますが、なるほど確かに溶岩ドームっぽいですね。