三島の鰻がおいしいのは富士山の豊富な伏流水のおかげだそうですが、三島のお隣の小さな町、清水町にはさらに有名な柿田川湧水群があります。
柿田川湧水群は、柿田川公園として整備されており、富士山の豊富な伏流水を身近に感じることができるようになっているため、ちょっと立ち寄ってみました。
こちらは八つ橋という散策路の脇にある通称「船付場」と呼ばれる湧き間。
製紙会社が使用していた2つの井戸跡からこんこんと水が湧きだしており、柿田川の本流へと合流しています。
こちらは第二展望台にある紡績工場が利用していた井戸跡。
光の加減で現れる鮮やかなブルーがとてもきれいです。
第一展望台からも大きな湧き間が見られます。
このあたりには、このような湧き間がいたるところにあり、それらから湧き出た水が集まって、大きな流れになっているのですが、湧き出す水の量は1日推定100万トンというから驚きです。
湧水は遠目に眺められるだけではなく、こちらの湧水広場で小さな湧き間から湧き出る水を、直接手で触れて体感することもできるようになっています。

公園内にはなぜか貴船神社がありましたが、その名が示す通り、清らかな湧水にちなみ、水の神を祀る京都の貴船神社から御霊分けされたのだそうです。
また、この地は戦国時代、北条氏が築いた泉頭城があった場所でもあるそうです。

これだけ豊富な湧水があるのですから、もちろん水汲み場もあります。
柔らかくとてもおいしい水。もちろん、汲んでいきます。
この柿田川湧水群は、市街地の中、国道1号線のすぐ脇にあります。
三島もそうですが、都市の真ん中にこのような大きな湧水群があるというのがとても不思議に思えます。
ただ、それはあとから人間が都市を作っただけのことで、そうやって都市化されても、枯れることなく、覆い隠されることもないほどに豊富な水が湧き続けているからこそ、今もこうして見ることができるということなのでしょうね。
こういうところからも富士山という火山のスケールの大きさを感じます。