氷室神社の桜と快慶展 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

桜が満開を迎えたものの、あいにくの天気の週末。

 

がっつり花見はあきらめて、今日から始まる特別展「快慶」でも観ようと奈良国立博物館へ出かけました。

 

 

 

と、その前に、奈良国立博物館の向かいにある桜の名所、氷室神社に立ち寄りました。

 

 

 

どんよりした空模様ですが、見事に満開です。

 

 

 

氷室神社の拝殿への入口、四脚門の前には奈良で最も早く咲く「奈良一番桜」として有名なしだれ桜があります。

 

 

 

このしだれ桜、樹齢100年とも言われる老木で、数年前に傷んだ枝を切除するなど、樹勢回復のための治療を行ったとのことで、上の方はだいぶ寂しくなっていますが、それでも頑張って花をつけていました。

 

 

 

そういう痛々しさもあって、このしだれ桜だけだと、受ける印象としては寂しさが勝るところですが、傷ついた老木を励ますかのように周りの桜も時を合わせて一斉に満開を迎えており、十分に華やかさを感じます。
 
 
 
こじんまりとした神社で、桜の木の下に敷物を敷いて花見を楽しむような場所でもなく、メインになる観光スポットでもありませんが、東大寺、興福寺、春日大社などに囲まれた場所にあり、周辺の散策がてら多くの人が立ち寄って写真を撮ったりして、なかなかの賑わいでした。
 
 

 
鹿も花見を楽しんでいます。
 
 
 
この氷室神社は氷の神を祀る神社で、冷凍・製氷などの業界の信仰を集めているそうですが、おみくじを氷に貼り付けて浮き出た文字を読むという「氷みくじ」という珍しいおみくじがあったり、「ひむろしらゆき祭」というかき氷のお祭りがあったりと、最近は一般の人にも親しまれている神社のようです。
 

 

 

さて、奈良国立博物館の「快慶」です。

 

初日ということでしたが、それほどの混雑はなく、比較的ゆっくりと観賞できました。

 

仏像に対してはまだそれほどの興味も知識も持っておらず、快慶といえば、運慶と並び称される大仏師で、東大寺南大門の金剛力士像が有名だということくらいしか知らなかったのですが、今回、だいぶイメージが変わりました。

 

快慶は自らを「(アン)阿弥陀仏」と称したように、仏師以前に熱心な阿弥陀信仰者で、様々な仏像を手掛ける中で、阿弥陀如来立像をとりわけ多く作成したそうです。

 

そして、彼が理想を追求し、確立した阿弥陀如来立像の形は後に「安阿弥様」と称され、来迎形阿弥陀の一つの典型として長く受け継がれていったとのこと。

 

確かに快慶作の数々の阿弥陀様を見ていると、これぞ阿弥陀様という安心感があるといいますか、何の知識もなく仏像を見ている私にも、快慶の作り出した形というものが受け継がれてきているのだなということを実感します。

 

いやいや、なかなか勉強になりました。