瀬戸内国際芸術祭の秋会期、小豆島の2日目は土庄の町からスタート。
世界一狭い土渕海峡に隣接する土庄町役場の駐車場に車を止め、まずはこれも今回是非見たかった大岩オスカールさんの作品から。
大岩島2 大岩オスカール
受付から中に入ると、通路の先に扉...の絵が。
その扉を開くと目の前に砂浜と海が広がる絵の風景が広がります。
振り返ると、浜辺に立つ小屋が。
先ほど開いた扉は小屋の玄関だったんですね。
半径6mの白いエアドームにモノトーンで描かれた島の浜辺の風景。
絵自体は二次元なのに、360度を包み込まれることで、絵の中の世界に迷い込んだかのような不思議な感覚が生まれる作品です。
土庄郵便局舎アートプロジェクト
近くの土庄郵便局もアートで飾っています。
壁や窓に散りばめられているのは年賀切手。
日本の切手は種類も豊富だし、デザインもいいし、全国各地の郵便局でもそれぞれの地域の特性を活かしてこういうことをやってくれると楽しいんじゃないでしょうか。
つぎつぎきんつぎ 岸本真之
百十四銀行の中にもアート。
使われなくなった器たちを金継ぎでつなげた作品。
お皿もこういう風につなげるとサッカーボールみたいになるんですね。
迷路のまちの道端には謎のオブジェたちが。お地蔵さんを模しているのでしょうか?
いろんな表情のものがありましたが、このたこ焼きデザインが秀逸でした。
迷路のまち~変幻自在の路地空間~ 目
3年前にも訪れた元「たばこ屋」の内部に迷路が仕掛けられた作品。
頭上注意ですが、前回は頭上に注意するあまり、階段の角で脛を強打したため、今回は頭上も足元も注意して入りました。
こちら、中はあまり変わっておらず、特に驚きはありませんでしたが、とても面白い仕掛けで、初めて入る人たちの反応を見て楽しみました。
こちらも同じく「目」が仕掛ける作品。
3年前は確か元お寿司屋さんだかなんだかの店内空間をそのまま利用して奇々怪々なアートが展開されていたと記憶しているのですが、今回はアリの巣をイメージしたという迷路空間となっていました。
「タバコ屋」がタイムトリップなら、こちらは異世界というかスモールワールドというか、全く違った趣向で面白かったです。
このあたりは尾崎放哉の晩年ゆかりの地ということで、街のあちこちに句が記されています。
ちょっと苦手というか無知な分野で知らなかったのですが、こちらの「咳をしても一人」は代表句なんですね。
わらアート 武蔵野美術大学わらアートチーム
土庄の町を散策した後は、肥土山という地区へ。
田んぼの中に鎮座するのはわらアート。
お米の収穫の終わった後の秋会期限定の作品です。
申年だからか猿です。なかなか迫力があります。
わらアートのさらに奥へと歩いていくと、肥土山農村歌舞伎舞台がありました。
小豆島には約300年の伝統を誇る農村歌舞伎があるそうで、この舞台では今でも毎年5月に公演が行われているそうです。
猪鹿垣の島 齋藤正人
小豆島にはかつて猪や鹿の侵入を防ぐための猪鹿垣と呼ばれる石垣が全島に設けられていたそうですが、それをピラミッド型のアートに仕立て上げたのがこの作品。
奥にはこんな猪鹿垣も。
作品のすぐ横に不動明王が祀られていたのですが、その不動明王をイメージしてえいるのでしょうか。
オリーブの夢 ワン・ウェンチー
肥土山から少し山の方に入っていくと、中山千枚田という棚田が有名な中山という地区があります。
その棚田の奥にあるのは「オリーブの夢」。
これも絶対に見たかった作品です。
何千本もの竹で作り上げたドーム状の作品で、アプローチも竹でできています。
中は竹の隙間から柔らかに光が差し込む広々心地よい空間になっており、中央部は靴を脱いで座ったり寝転がったりしてくつろぐことができます。
仰向けになって寝転び、天井中央にぽっかりと開いた穴から青空を眺めると、背中から感じる竹の凹凸によるツボ押し効果もあいまって、とても気持ちがよいです。
この日のお昼はこの中山にある元精米所の建物を改装した「こまめ食堂」で。
中山に着いてまず様子を見に行くと、行列していて一瞬これはダメかなと思ったのですが、よくよく見ると整理券を配るシステムになっていて、整理券をもらい、作品を観に行って帰ってきたら、すぐ食べれて実に効率的でした。
いただいたのは「棚田のおにぎり定食」。
棚田のおいしいお米のおにぎりは間違いないおいしさでしたが、その他のおかずもとてもおいしかったです。
山里ですが、島だけに魚(舌平目と鯵)がうれしかったですね。
(11)へつづく...