神戸ポートターミナルに行ってきました。
船に乗るためではなく、ここの大ホールで開かれている「川崎重工創立120周年記念展」を見るために。
この展覧会の目玉は、「飛燕レストアプロジェクト」で修復・復元を終えたばかりの三式戦闘機「飛燕」の実機展示です。
飛燕はドイツ・ダイムラー社製の液冷エンジンをライセンス生産によって国産化したエンジンを搭載した機体で、空冷エンジンを搭載した零戦などとは違って、しゅっとした流線形が特徴的な戦闘機です。
この機体は、国内に現存する唯一の機体で、独自により高出力に改良したエンジンを搭載した「飛燕Ⅱ型」試作17号機だそうです。
そのエンジンは外に取り出されて展示されていました。
倒立V型という形状で、ゼロ戦などに搭載された星形空冷エンジンとは全く形状が異なります。
飛燕の機首の左側についた空気の取り入れ口は過給器のもの。
この機体の過給機は失われていたそうですが、今回の機体修復の際、機体の修復とは別のプロジェクトとして復元を試みたそうです。
「近代化産業遺産群」の一つとして認定された航空遺産でもあるこの機体の修復・復元は、文化財としての価値を尊重し、綿密な調査と修復方針の検討に基づいて行ってきたとのことで、その過程や修復方法などがパネルや映像で詳細に紹介されていました。
機体の塗装、パテの剥離から、風防ガラスの交換、
発動機覆上部、
冷却器、
計器盤などなど、修復・復元された部品とその解説を見ていると、当時の技術がどこまで進んでいたのか、現代にどうつながっているのかということを知ることができ、とても興味深いです。
当時のありのままの姿を取り戻そうとひとつひとつ丁寧に仕事をされてきたからこそ、機体が物語るというか、なお一層そういったことが見ている私たちにも伝わってくるのでしょうね。
それにしても、この展覧会、予想以上に盛況でびっくりしました。
いや、でも、たった一機の復元された戦闘機ではありますが、それだけ見ごたえのあるものでした。
ついつい、グッズまで買ってしまいました(笑)