新山の取り付き。
うーん、岩だらけで道と呼べるようなものは見当たりません。
岩に白いペンキで矢印が記されているので、それを目安に両手両足を使って這いあがっていきます。
いくつもの層が折り重なったような岩塊。
上に反り上がっている様が、地の底から押し上げられてきた痕跡のように見えますが、実際はどのようにしてこのような形になったのでしょう?
途中、岩の大き切れ目を通り、その向こうに見える山頂へ。
新山山頂(2236m)に着きました。
岩だらけの狭い狭い山頂です。
北を向いていますが、ポコポコと雲が浮いていて遠くの山などは見えません。
振り返って南を見ると、先ほど通ってきた岩の切れ目の向うに前日雨で登るのを諦めた月山が見えました。
西の方を見ると、日本海にぽっかり浮かぶ平らな島。
飛島です。
東を見ると、外輪山上のピーク、七高山(2229m)が目の前に見えます。
あちらも面白い地層が見えます。
七高山から外輪山を右へ右へと追っていくと、南から西の方向にかけて連なっており、この新山が外輪山に囲まれた火口丘であることがよくわかります。
山頂からの下りは別ルート。
途中、胎内くぐりという岩の隙間のちょっと狭い穴を抜けていきます。
こちらは少し岩が赤茶けていてさきほどとは少し趣が違います。
新山を下りきったところにはイワブクロが咲き残っていました。
御室に戻ってきました。
立ち並ぶ小屋の奥にある社は鳥海山大物忌神社。
道中そう感じるところはありませんでしたが、ここも信仰の山なのですね。
少し休憩して下山します。
14時を過ぎており、外輪山経由で帰ると遅くなるので、千蛇谷コースで帰ります。
ところどころでちらほらと見かけたイワギキョウ。
谷を渡る手前。
なるほど、中央のジグザグと登る道が、行きに通り損ねた迂回ルートですね...
ミヤマキンバイも咲き残っていました。
七五三掛から見た鉾立方面。
緩やかに山が連なり、下山路というよりも縦走路といった感じに見えます。
御田ヶ原から振り返る鳥海山。
行きと違ってきれいに山頂まで見えています。
左右に大きく広げた稜線。これぞ鳥海山という姿ですね。
右手の山肌は赤、黄、緑に染まり、紅葉が進みつつあります。
これから日に日にコントラストを増していくのでしょうね。
ここから先は歩きやすい石段の利点を生かして、小走り気味に下山。
御室からコースタイム3時間40分のところを2時間20分で鉾立まで下りました。
下山後は、ダラダラしていると空が赤く染まってきたので、夕日を鑑賞して帰りました。
鳥海山は遠くから見た姿が美しく、人目を引く山ですが、御浜小屋から七五三掛にかけての気持ちのよい稜線歩きや、新山山頂の岩登り、外輪山に囲まれた地形など、登ってみても面白い山ですね。
ただ、急な登りが続くようなところはあまりありませんでしたが、距離が往復13.7kmと長く、けっこうハード。
今回は登り始めるのが遅かったので、時間がなくて千蛇谷コースの往復になりましたが、また来ることがあれば外輪山を回ってみたいですね。
できれば夏の高山植物の花の季節に。