今年は7年に1度という諏訪大社の御柱祭が行われた年。
せっかく諏訪地域に来たので、お参りしてみることにしました。
諏訪大社の御柱祭と言っても、テレビのニュースで見る「木落とし」の印象しかなく、ここに来るまではほぼ全くの無知でした。
まず、諏訪大社というのは1つではなく、諏訪湖の南に上社、北に下社があり、さらに上社には前宮、本宮、下社には春宮、秋宮、計四つのお宮があるのですね。
こちらは上社前宮の拝殿。
鳥居や獅子・狛犬の重厚な構えからすると控えめな印象です。
そして、拝殿に向かって右に一之御柱。
左に二之御柱。
左奥に三之御柱。
右奥に四之御柱が鎮座しています。
伊勢神宮の式年遷宮のように建材として利用するものと思い込んでいたのですが、このように祀られるのですね。
各お宮の四隅に1本ずつ、計16本が御柱祭の際に氏子らの手によって山から曳き出されてくるのだそうです。
御柱は樹齢150年を越える樅ノ木の大木。
目の前で見ると本当に立派です。
裏に回ると曳いて擦れたあとが残っており、ここまで曳いてきた氏子の熱意を感じます。
続いて訪れたのは上社本宮。
北参道からお参りするのが一般的のようですが、よくわからずに車を止めたのが東参道の方だったのでこちらから失礼します。
ここは前宮とはずいぶんと造りが異なっており、東参道から入ると正面にある入口御門から入って、布橋という長い廊下を進んで、拝殿に向かいます。
お参りは拝殿の前にある参拝所で行います。
参拝所の脇から見た拝殿。
拝殿の奥はすぐ山で本殿はありません。
上社は守屋山を御神体山として仰いでいるのだそうです。
参拝所の入口左側にあった手水舎。
この手水は水ではなく温泉水です。
温泉地諏訪ならではの手水です。
上社本宮の一之御柱。
二之御柱も間近で見られましたが、三之御柱と四之御柱はこのように遠目に仰ぎ見ることしかできません。
4本の御柱すべてを間近で見ることができるのは、4つのお宮の中で上社前宮だけなのだそうです。
続いて、下社春宮。
上社よりも装飾が凝っていて美しい拝殿です。
下社も上社と同じく本殿はありません。
下社春宮は杉の木を御神木として仰いでいるそうです。
一之御柱。
御柱といっても、1本1本、表情が違います。
下社春宮の近くには万治の大仏というユニークな大仏があります。
岡本太郎さんが絶賛したという現代アートにも通ずるような独特な造形がおもしろいですね。
最後に下社秋宮。
拝殿の前に神楽殿。
出雲大社のような大きな注連縄が目を引きます。
拝殿は春宮とよく似ています。
こちらの御神木はイチイの木だそうです。
下社秋宮の一之御柱。
下社秋宮の手水舎も「御神湯」という温泉手水でした。
手にかけてみると、結構熱いです。
以上、4つのお宮をさらっとお参してきたのですが、何か記念になるものでもと物色して買ったのがこれ。
「鹿食免(かじきめん)」と「鹿食箸(かじきばし)」です。
殺生が罪悪とされていた時代、お諏訪さまから神符を授かった者は、生きるために鹿肉を食べることを許されていたという昔の慣わしに因んで、安全な食生活を送れることを祈念して作られたものだそうです。
鹿肉好きの私にぴったりです。
鹿、食って、御免なさい...