高知から奥四万十を抜けてやってきたのは宇和島。
着いた夜は、名物の鯛めしを堪能し、翌日まず訪れたのは遊子の水荷浦の段畑です。
「耕して天に至る」と言われるように、急斜面の下から上まで石垣を積み上げて作られた細い細い畑が続きます。
あいにく時期的に収穫が終わったあとだったらしく、ほとんどの畑には何も植えられていませんでしたが、ここでは春に収穫する馬鈴薯を作っているらしく、特別味が良いのだとか。
段畑は見上げると巨大な石の壁のよう。
間近で見ると、一つ一つの石はひとりで持てるような大きさのものばかり。
いきなり全部作ったわけではなく、何世代にもわたって下からコツコツと積み上げていったのでしょうね。
段畑の前には宇和海が広がる絶景。
あいにくの空模様ですが、晴れの日はさぞかし美しいことでしょう。
夕日に輝く海というのもまた美しいそうです。
遊子の段畑を見た後は、宇和島市の中心部まで戻り、宇和島城へ。
登城口にあるこの門は宇和島城のものではなく、桑折氏武家長屋門を移築したものだそうです。
天守へは鬱蒼と木々が生い茂る中を登っていきます。
二ノ丸あたりまで来ると天守が見えます。
宇和島藩は、大阪の陣での功績により、伊達政宗の長男、秀宗に与えられ、、以後、幕末まで宇和島伊達家によって引き継がれてきました。
この宇和島城も、元々は藤堂高虎によって築城されましたが、今の天守は宇和島伊達家の二代藩主宗利によって1666年に再建したものだそうです。
そして本丸。
玄関がやけに大きく見える、ということは天守が小さいということですが、三層三階の天守は、間近に見ると、屋根の意匠などが凝っていてなかなか格調高い造りです。
天守からは海が見えます。
今は掘も海も埋め立てられ海が少し遠く感じられますが、築城当時は掘のすぐ先まで海が入りこんでいたそうです。
宇和島城は城山の自然もまた見どころ。
マメヅタなどにびっしりと覆われた石垣。
石垣の隙間から生えるチャセンシダ。
ムカデをくわえるイソヒヨドリなどなど、様々な動植物を見ることができました。
宇和島と言えば、食べておくべき名物の筆頭はじゃこ天。
どのお店がおいしいのか?
宇和島駅でじゃこ天マップなるものを手に入れて見てみたのですが...
結局は好みなんでしょうね。
お店の紹介を見ても、大した違いはなさそうに思え、余計に訳が分からなくなったので、道の駅にあったお店「河内屋」で買いました。
揚げたてはふんわりしていておいしかったです。
お昼過ぎには九州に渡りたいと思い、宇和島を早々とあとにして、佐田岬半島の三崎港へと車を走らせます。
その途中、伊方町にある「しらすパーク」にちょっと寄り道。
ここはしらすの網元直営の施設で、直売店、食堂のほか、工場見学もできるそうです。
ここへ来た目当てはやっぱり新鮮なしらす。
食堂で生しらすと釜あげしらすの二色丼をいただきました。
なかなか食べれないということでは生しらすですが、どんぶりとしてうまいのは釜あげしらすですね。
ふんわりした食感と、濃厚な旨味がたまりません。
適度な塩加減ですので、何もかけなくてもおいしいです。
この日はゴールデンウィークということもあり、「しらすパーク」は盛況でした。
ただ、天気の方はあいにくで、風がとても強く、海はかなり荒れていました。
そして、そんな天候の中、三崎港に行ってみると九四国道フェリーは欠航で運航再開の目途が立っていないとのこと。
八幡浜から臼杵・別府へのフェリーは運航しているとのことでしたので、八幡浜港まで引き返して、臼杵行きのフェリーに乗って九州に渡りました。
そこそこ大きな船でしたが、それでもかなり揺らされ、くたびれました。
でも、この日のうちに九州に渡れてよかったです。
今回、九州に行くついでに四国を横断してみましたが、結構盛りだくさんで充実した旅行になりました。
まだまだ行ったことのないところが多いので、また違うルートで横断してみたいと思います。