失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)/中央公論社- ¥823
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ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦。
これら、大東亜戦争において日本軍が失敗した6つの代表的な作戦を通して、旧日本軍を組織論的に研究し、その失敗の本質を明らかにしようというのが本書の狙いです。
現代の会社経営などの組織運営に、”戒め”として役立つということで、ビジネス書として注目されることの多い本ですが、純粋に日本がなぜあのような惨憺たる敗戦を喫してしまったのかということに関心がある人にとっても読み甲斐があると思います。
ただ、決して面白いとか楽しいとか言えるものではありません。
どの作戦の分析を読んでも、単なるミスと呼べるレベルの失敗ではなく、もっと根本的な問題が元凶となっており、しかも、その失敗に学ぶことをしない。
よくもまあ、こんな組織で無謀な戦争を始めてしまったものだ、多くの兵士と市民を犠牲にしたものだと、とても腹立たしくなります。
今、ちょうど、ドラマ「坂の上の雲」の再放送を観ていますが、結局、日露戦争で勝ってしまったことが、その後の日本にとってはよくなかったのかもしれませんね。
あの戦争でさえ、多くの失敗と犠牲を重ね、辛うじてつかみ取った勝利なのに、それで安心してしまったのか、驕りが生まれてしまったのか、変な自信がついてしまったのか、ともかく、そこから歯車が狂い始めたのではないかと。