
京都国立博物館 で開催中の「国宝鳥獣戯画と高山寺 」を観てきました。

この手の有名な作品の展覧会となれば、休日は入場1時間待ちなどは当たり前。
中に入っても、人がすごくて、ゆっくりと楽しめません。
台風接近中で、午後からは順次交通機関も運休が予定されていましたが、むしろ、こんな時の方がゆっくり観られるのではないかと、朝一番に行ってみました。
しかし、同じようなことを考え付く人も多いということか、思ったよりも見学者が多く、正門を入場した後、展示会場入口で長蛇の列ができていました。

これはたぶん、後で見た方が得策と思い、まずは新しくオープンした平成知新館で開かれている平成知新館オープン記念展「京へのいざない 」を先に見学することにしました。
こちらの展示物が、彫刻、書跡、染織、金工、漆工、絵巻、仏画、中世絵画、近世絵画、中国絵画、陶磁、考古、それに加えて記念展の特別展示と、非常に充実していまして、最初はじっくりと観てていたのですが、あっという間に1時間ほど経過。
すると、館内放送で、警報が発令されたので、本日は12時をもって閉館するとのこと。
周囲が俄かに慌ただしくなり、私も駆け足で残りの展示物を見物し、鳥獣戯画の方へ。
やっぱり、大半の人は鳥獣戯画から先に観たのか、館内に入るとほとんど人はおらず、がらんとしていました。
こちらの展示の序盤は、高山寺や明恵上人に関する書画等の展示が続き、そのあといよいよ鳥獣戯画の展示になります。
ところが、そこへ来て突如現れる数十人の行列。
そら普通は、鳥獣戯画には興味はあっても、高山寺や明恵上人には興味はないですよね...
ここからは、少しずつ進みながら観るよう何度呼びかけられても、行列はなかなか進みません。
ただ、鳥獣戯画を実際に観はじめてから最後まではあっという間でした。
甲・乙・丙・丁の全巻を一挙公開ということでしたが、各巻とも前期・後期でだいたい半分づつに分けて公開するようで、本当に全部観ようと思ったら、前期・後期、各1回ずつ来なければならないみたいです。
また、一括りに鳥獣戯画といっても、甲、乙・丙・丁の四巻は、それぞれテーマも絵のタッチも異なります。
そのうち、有名な兎や蛙が遊ぶ絵は甲巻であり、こればかりをイメージして観に来ると、肩透かしを食らうかもしれません。
結局、見終えたのは12時30分頃。
もう少しゆっくり観たかったという思いもありますが、予定の閉館時間を過ぎてもすべての見学者が観覧を終えるまで辛抱強く待ってくれた博物館の方々のおかげで、一応はすべての展示を見ることができました。
鳥獣戯画の方はともかく、「平成知新館」に関してはもう一度、じっくりと観にきたいと思います。