四国の最高峰にして、西日本の最高峰である石鎚山に登ってきました。
初めてなのと、アプローチのしやすさから、表参道成就コースで。
石鎚登山ロープウェイで約1300mまで一気に引き上げてもらい、そこから散策路を20分ほど歩いて成就社へ。
登山の安全を祈願して、登山道に入ります。
が、いきなり八丁坂という下り坂。途中、頂上まで行けない人用の遥拝所を通過し、八丁坂鞍部まで100mくらい下ります。
ということは帰りは登りであるわけで、これが最後に脚にきます...
八丁坂を鞍部を超えると、ほぼ登り。
頂上まで全行程をとおして階段が多いルートですが、石鎚山と言えば鎖場が有名。
まずは試しの鎖がお出迎えです。
ただ、すべての鎖場に迂回路があるので、体力に自信ががあろうがなかろうが、わざわざ鎖を使う必要はありません。
試しの鎖を過ぎてしばらく行くと夜明峠に出ます。
ここでようやく山頂部の全貌が見えます。
いやぁ、絶壁ですね。
そして、ほどなく一ノ鎖。
前後に人もいなかったし、迂回してばかりもなんなんで、ここだけは試してみました。
鎖がなくても登れるような鎖場もよくありますが、ここは普通の人では鎖なしではちょっと無理ですね。
私は割と上背があるのでまだ楽な方かと思いますが、女性などは大変だと思います。
ここまでの道中、ひっきりなしにヘリの音が聴こえていました。
前の週に、石鎚山系で救助活動中の山岳救助隊員が滑落死したというニュースがあったので、登りながらすごく気になっていたんですが...
二ノ鎖小屋で工事をやっていて、その資材を麓からピストン輸送しているヘリでした。
二ノ鎖小屋の前の階段に腰を下ろして汗をぬぐっていると、頭上にヘリがやってきて、巨大な扇風機で扇いでくれました。
すごい早業で荷物をおろし、次の荷物を積んでまたすぐに戻ってくる、いやぁ、カッコいいですね。
二ノ鎖は土小屋から上がってきたグループが先に賑やかにチャレンジに行ったので、迂回。
二ノ鎖の上まで来ると、だいぶ頂上が近くに見えてきます。
三ノ鎖は工事中で立ち入り禁止でした。
そして、絶壁をぐるりと横から回り込むようにして頂上(弥山)に到着。
ここまでちょうど3時間。
頂上には霊峰石鎚山を神体山とする石鎚神社の頂上社があります。
傍らには神職さんが常駐する神札授与所があり、お守りやお札を授かることができます。
せっかくなので何かお守りでもと思い、「山登りのお守りみたいなのはありますか?」と聞くと、”頂上社守”を奨めてくださいましたので、ありがたく頂戴することにしました。
石鎚山と言えば、この景色。
弥山から眺める天狗岳です。
斜面の木々が少し色付きかけていますが、10月になると紅葉を愛でる登山客でいっそう賑やかになりそうです。
天狗岳へは15分ほど歩けば行けるようで、荷物をデポして行く人がいましたが、私はパス。
そこへ行くよりも、大台ケ原の大蛇嵓のように一歩引いて愛でたい景色です。
天狗岳からやや北に目を向けると、瓶ヶ森が見えます。
石鎚山とは対照的な穏やかな山容ですが、よい山のようです。
下を見ると、まだヘリが行き来しています。
反対側に目を向けると西ノ冠岳から二ノ森へと続く美しい稜線が見えます。
石鎚山頂までの道は、ほとんど稜線歩きがなく、やや物足りなさがあったので、少し、そっち方面に行ってみることにしました。
下山ルートから分岐して、しばらく行くと、稜線...ではなく、クマザサの斜面をトラバースするルートになっています。
これが、道幅が細くて、あまり谷側に寄ると足を踏み外すので結構歩きにくい。
また、この日は思いのほか暑くて、日差しをもろに浴びながら歩くのは辛いものがありました。
振り返れば、石鎚山頂。
この角度で見ると、ものすごく狭いですね。
西ノ冠岳のピークはルート上からは外れており、斜面から仰ぎ見るだけ。
こちらもかなり厳めしい。
西ノ冠岳を通過するとほどなく、錆びつき朽ち果てた道標が...
道標の指し示す方向に、わずかにクマザサを分け入った形跡があったので少し入ってみると、稜線に出ました。
このあたりが西冠のコルですかね。
頂上からここまで約1時間。
さらに先の稜線の眺望。
真ん中のピークが二ノ森でしょうか。
さすがにあそこまで行くと、帰りが危うくなるので、ここで引き返すことに。
西冠のコルから見た石鎚山頂。
その姿は表参道成就コースから見るのとさほど変わりません。
厳つい岩の板が突き刺さっているような感じですね。
帰りは表参道成就コースとの合流地点まで約1時間、そこからロープウェイまで約2時間でした。
石鎚山。
頂上もいいですが、二ノ森方面や瓶ヶ森方面など、周辺の山々を縦走するのも面白そうですね。
またいつか。